アイドルソングはびっくりさせたもん勝ち

──4106xxxさんは3rdシングルの「すぺしゃるでい」と新曲の「乙女乃手札」を手がけています。

4106xxx　「すぺしゃるでい」は「作詞家さんが歌詞を書くから曲を書いてもらえますか？」っていうお話をいただいて作りました。オーダーは「ラッパを入れてください」「裏打ちしてください」の2つ。あと「SCAFULL KINGっぽさも入れてほしい」と言われたんですが、僕、スキャフルで曲書いてないんですよね（笑）。

一同　あはは（笑）。

4106xxx　でもホーンのレコーディングにスキャフルのNARIちゃんが来てくれたので、いい感じにスキャフルっぽくなりましたね。

渡邊　「すぺしゃるでい」は、バレンタインデーの曲だよね。

4106xxx　そうそう。歌詞が先にあったわけじゃなかったから、そのイメージはなしに書いた曲だけど。途中で「214214」って数字を叫ぶところがあって、僕、4106xxxって芸名でやってるから、その歌詞を見たときにちょっと恥ずかしいなって思った（笑）。もう1つの「乙女乃手札」はアカシックの理姫さんの歌詞が先にあって、それをもとに曲を書いたんです。候補曲の中から歌謡曲っぽいマイナー調の曲が採用された感じですね。

渡邊　「乙女乃手札」はBRAZILIANSIZEっぽいよね。ようちゃんの真骨頂って感じがする。しかも途中にホンキートンクなラッパが入ってて、シャレてるなって思いました。

4106xxx　ありがとうございます！

──松田さんが手がけたのはロカビリーテイストな「とーと。」です。

松田　これは、LEARNERSでやっててもおかしくないような曲で、あまり仕掛けをしてないんです。途中でリズムチェンジをするくらいで、コードもLEARNERSで使うようなオーセンティックなものにしました。なんとなくそういうものを求められてるのかなと思って。

渡邊　もうね、それがアルバムの中で目立つんですよ。アイドルソングってびっくりさせたもん勝ちってところがあるけど、これはオーセンティックにやることで逆にびっくりみたいな。僕はそこにチャーベくんの大人の余裕を感じましたね（笑）。

松田　大人の余裕（笑）。80'sのアイドルソングって、モータウンポップとかロカビリーっぽいのってすごくあるじゃない。おニャン子クラブとか。そういうイメージでしたよ。

ばってん少女隊最強説

──では皆さんが作った曲に彼女たちの声が乗った完成した音源を聴いたときはどう思いましたか？

4106xxx　自分の曲を複数の人が歌うなんて今まで想像したことがなかったから、新鮮でしたね。こんなにアイドルっぽくなるんだなと思いました。

小野　僕はデモ音源に気持ち悪い裏声で仮歌を入れたんですけど、ばっしょーちゃんの声になったらこんなに華やかになるのかって、自分でグッときちゃいました。

松田　それわかる（笑）。うちには娘がいて、デモの「イエー！ イエー！」とかの掛け声を娘に言わせたんです。自分の声が残ってると思ったみたいで喜んでました（笑）。

4106xxx　いいっすね。これを読まないことを願いましょう（笑）。

小野　夢は残しておきましょう（笑）。

渡邊　歌って技術じゃなくて“その人らしさ”が大事だと思うんですよ。曲を聴いたときに6人それぞれ声質も“らしさ”も違うんで、それがよく出てるなって思いました。それはスタッフさんがうまく歌を振り分けてるんでしょうね。

松田　あー、キャラの使い分けってことだよね。

渡邊　そうですね。そういうところも含めて、僕の中でほかのアイドルよりも、自分も関わってる分、ばってん少女隊最強説ってのを唱えたいです。

一同　（笑）。

4106xxx　完全に親バカ（笑）。

渡邊　そうっす！

──あと自分たちの曲にダンスが付くというのも、バンドマンにとっては新鮮だと思うんですが。

渡邊　振り付けが入るのってめちゃくちゃうれしかった。

小野　グッときますよね。思ってた以上にハマりがすごくよくて、僕、サビの振り覚えちゃいましたもん（笑）。

渡邊　「こんな振り付けになりました」って映像が僕に送られてきたとき、感動して何度も観ました。ダンスって振り付け師さんの思いも入ってくるからうれしいですよね。

松田　僕、まだ「とーと。」のダンスを観てないんですよね。ライブで観たいなあ。

4106xxx　僕もしのっぴーと一緒で単純にうれしかったですね。いい意味でなんか変な気持ちになるというか。

渡邊　なるよね。曲歌ってもらって、発売されるだけでもありがたいのに、＋αで「デザート付いてきた！」みたいな、「まだ喜びがあった！」みたいな（笑）。