ナタリー PowerPush - burn WORLD DJ CONTEST 2014

☆Taku×小室哲哉、初対談で語る日本と海外

burn WORLD DJ CONTEST 2014 JAPAN BOOTCAMP潜入レポート DAY 1
ブートキャンプ会場に入るファイナリストたち。

ブートキャンプ会場に、少し緊張した面持ちでやって来たDJ QWERTY、Norihiro Ogawa、Kazuma Takahashi、JapaRoLL、BABY-Tというファイナリスト5組。イビサの動画を観ながら待機中の彼らの前に☆Taku Takahashiが登場し、「決勝を勝ち抜いた人がこのイビサに行けます。このブートキャンプは、イビサでも勝ってもらうため、メンターとさまざまなセミナーやセッションを行って準備をしてもらえればと思っています。『ブートキャンプ』はアメリカの軍隊が行う過酷なトレーニングの意味を持っています。皆さん、心の準備をしておいてください」と真剣な顔つきで言葉を届ける。

そしていよいよプログラムがスタート。1日目は、1人各5分間のDJパフォーマンス披露、メンター☆Takuによる講義、block.fmの生放送出演などをこなした。このうち各DJの紹介代わりとも言える5分プレイの模様は、block.fmの公式YouTubeチャンネルにアップされている。さらに、この動画の再生回数の順によって決勝当日の出演順が決まる。もっとも動画を支持されるDJは誰か、ぜひファイナリストのプレイを観て応援しよう。

メンター・☆Taku Takahashiによるトークの様子。

☆Takuはメンタートークにて、「世界にはDJランキングっていうのがある。コンテストではテクニックが誰よりもあるからといって優勝できない。テクニックだけじゃなくて、目の前のお客さんを意識して魅せることが重要」とコンテストに勝ち上がるための秘訣を伝授。また「作曲はDJにとって必ず必要な要素ではない。ただ、昨年のイビサの大会を見ていても『曲が作れること』はとても重要だと思った」という彼は、m-flo+MACOの楽曲「FIND A WAY」の実際のデータを用いながら音楽制作ソフトウェア「Ableton Live」を使った曲作りの工程を説明する。

パフォーマンスコントローラ「novation LAUNCHPAD」をコンテスト主催側からプレゼントされたファイナリストたち。

講義中はそれぞれメモを取りながら静かに話を聞いていた5人も、アーティスト写真撮影の合間などはリラックスムードで談笑。プレゼントされたばかりの「novation LAUNCHPAD」をさっそく開封して初期セッティングを完了させるメンバーがいたり、操作方法を教え合ったりという光景も。夕食後はホテルに移動し、外出禁止で課題のリミックス制作に打ち込んだ。

burn WORLD DJ CONTEST 2014 JAPAN BOOTCAMP潜入レポート DAY 2
メンター・KEN ISHIIによるDJの様子。

2日目の主なプログラムは、リミックスの発表や、KEN ISHII、小室哲哉という各メンターによるトークとDJ、仮想ラジオ番組のプレゼン審査。海外のビッグフェスティバルへの参加や2004年「IBIZA DJ AWARD」での「BEST TECHNO DJ」受賞など、輝かしいキャリアを持つKEN ISHIIは、☆Takuとの対談形式でメンタートークを実施。DJビジネスにおける日本と海外の差、海外イベントでDJする際の選曲のコツなどを話し、今回のように海外のコンテストで結果を残すポイントは「自分が得意で優れてると思うところを偽らず、妥協せずにプッシュしていくこと」と自らの視点で語った。

メンター・小室哲哉によるトークの様子。

夕方、小室が現場入りすると会場内はより一層緊張感漂うムードに。小室のメンタートークでは、彼が見た1990年代のイビサのクラブ、ヘッドライナーやレジデントDJの意義、現場で使える実践的なテクニックといったテーマが展開された。プロデューサーとして数々のミリオンヒットを生み出している小室は、国内外で活動する際に「キラーチューンを1つ持ってると有利。あとはキャラクター」と経験を踏まえてコメント。さらに小室は、ファイナリスト5人のリミックス音源を事前に聴いており、目の前にいる1人ひとりにじっくり評価とアドバイスを伝えた。

小室はトークのあと、ターンテーブルの前でDJパフォーマンスを披露。選曲には玉置浩二がボーカルを務めた新曲「EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI」やTM NETWORKの名曲「Get Wild」なども盛り込まれた。ファイナリストたちは、小室の真後ろに立ってシンセサイザーを弾く指使いを観察できるとあって大興奮。セットが終了するとその場にいる全員から盛大な拍手が沸き起こった。

メンター・小室哲哉によるDJの様子。

コンテスト概要 burn WORLD DJ CONTEST 2014 supported by block.fm

エナジードリンク「burn」の主催によりスペイン・イビサ島で開催されるDJの世界大会「burn RESIDENCY」の日本代表を決めるコンテスト。DJミックスに対する一般投票、東京・club asiaでのセミファイナルを経て、現在ファイナリスト5組が選出されている。

2013年はYAMATOが国内選考で優勝。世界大会では勝ち残れなかったものの、世界的DJであるAviciiに共演相手として指名され、国内外のビッグフェスティバルへ出演するなど、DJとして活躍の場を広げている。

イベント情報 burn WORLD DJ CONTEST 2014 JAPAN FINAL

2014年5月4日(日)東京都 渋谷WOMB
START 16:00~

<出演者>

ファイナリスト:BABY-T / DJ QWERTY / JapaRoLL / Kazuma Takahashi / Norihito Ogawa

ゲスト:Shinichi Osawa / ☆Taku Takahashi(m-flo、block.fm) / Tomo Hirata(EDMF) / kz(livetune) / Takeru John Otoguro & WILDPARTY Special B2B Set / CARDZ MC

JAPAN FINAL審査員:Tomoyuki Tanaka(FPM) / ☆Taku Takahashi(m-flo、block.fm) / MITOMI TOKOTO / Kosuke Takada(ageHa Producer) / YAMATO(2013 JAPAN WINNER)

入場無料(未成年含む)・完全招待制
インビテーションを限定配布中

☆Taku Takahashi(タクタカハシ)

DJ、プロデューサー。1998年にVERBALとm-floを結成。ソロとしても国内外アーティストのプロデュースやリミックス制作を行う。「Incoming... TAKU Remix」でbeatportの音楽賞「beatport MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS」を日本人として初めて獲得し、その実力を証明。2010年にはアニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」のサウンドトラックも監修する。国内外のDJが最先端の音と情報を発信するインターネットラジオ「block.fm」を2011年に設立。2014年3月にはm-floとしてBIGBANGのSOL、浜崎あゆみなどをフィーチャーしたニューアルバム「FUTURE IS WOW」とミックスCD「EDM-FLO」を同時リリースした。

小室哲哉(コムロテツヤ)

1958年11月27日東京都生まれ。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲家、キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、ミキシングエンジニア、DJ。1983年、宇都宮隆、木根尚登とTM NETWORKを結成し、翌年「金曜日のライオン」でデビュー。同ユニットのリーダーとして、早くからその音楽的才能を開花させた。1993年にtrfを手がけたことがきっかけで、一気にプロデューサーとしてブレイク。以後、篠原涼子、安室奈美恵、華原朋美、H Jungle With t、globeなど、自身が手がけたアーティストが次々にミリオンヒットを記録した。2010年に作曲家としての活動を再開し、AAA、森進一、北乃きい、超新星、SMAP、浜崎あゆみなど幅広いアーティストに楽曲を提供する。2014年4月にはソロ新作「TETSUYA KOMURO EDM TOKYO」をリリースした。