超特急が11月6日にニューシングル「AwA AwA」をリリースする。
彼らにとって21枚目のシングルとなる今作のリード曲は、何かに挑戦するすべての人にエールを送る、超特急の思いが詰まったナンバー。「泡」「Our」「Hour」などたくさんの意味を込めたフレーズに乗せ“今こそみんなで弾ける時”と、ポジティブなメッセージをエネルギッシュに放つ。
リリースを記念して、音楽ナタリーでは9人にインタビュー。「AwA AwA」に込めた思いやパフォーマンスへのこだわりについて聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 須田卓馬
今までやってきたことが少しずつ
──前回、EP「Just like 超特急」リリース時のインタビューで、タクヤさんが「本当にありがたいことに、今回はこのEPを引っさげて音楽番組がいろいろ決まってきている」というお話をされていたのですが、そこから半年は音楽番組や大型イベントへの出演が目白押しでしたね(参照:超特急「Just like 超特急」特集)。
タカシ ありがたいことに音楽番組への出演が増えてきたので、各テレビ局への行き来がスムーズになってきたかなと……。
リョウガ ああ、その気持ちわかる。
タカシ これまでは毎回緊張感を持って行かせてもらってたんですけど、気負いすることなく行けるようになったかなって。
タクヤ TBSには“行きすぎ”な時期があったくらい。
カイ ぜいたくな話! 確かに、1週間で3、4回通ったときもあったよね。
マサヒロ 7月ですよね。「音楽の日」にも出させてもらって。
リョウガ イベントへの出演で言うと、いっとき横浜でめっちゃライブしてたよな。
シューヤ 確かに!
カイ 7月、8月は、ずっと横浜でライブしてたね(笑)。
──そうした大型イベントへの参加やテレビ出演が、皆さんの中で常になってきた感覚でしょうか。
カイ まだ“常”にはなっていない気がします。ただ、出演した番組に大きな反響をいただいて2回目が決まったり、初めて出演させてもらった「音楽の日」ではトップバッターを務めさせてもらったり、僕たち超特急の楽曲やボーカル、ダンスが……今までやってきたことが少しずついろんな方に伝わっていっている時期なのかなあということは思います。これからも呼んでもらえたら全力でやらせていただくという気持ちを持ちつつ、超特急のライブの魅力がしっかり伝わるようなパフォーマンスをし続けたいなと思いますね。
ステップアップのための階段を登れたような感覚
──8月末には、4月から始まったツアー「Rail is Beautiful」が神奈川・Kアリーナで幕を閉じました。Kアリーナは9人体制となって以降最大規模の会場でしたが、こちらはいかがでしたか?(参照:超特急、4万人の8号車と飾った有終の美!Kアリーナでツアーに幕、美しい涙で見つめた“レールの先”の夢)
ユーキ Kアリーナって奥行きがあるから、お客さんがいないリハで見た景色はすごくシンプルな印象だったんですよ。「意外とこんなもんか」なんてふざけて言ってたくらいだったんですけど(笑)、8号車(超特急ファンの呼称)のみんながいるときの景色が本当に素晴らしくて! 一番上の階の奥までぎっしりと埋まっていて、それにもう感動しちゃって……初日はウルっときちゃったんですけど、そこをグッとこらえて2日間のライブを終えたときはすごく達成感を感じました。8号車と9人で、また新しく記録を更新できたことが個人的にも感動だったし、年末年始のアリーナツアーを控えている僕らとしては、より高みへと上がっていくための、ステップアップのための階段を1つ登れたような感覚がありました。
──ハイライトはたくさんありましたが、中でも超特急の楽曲で構成されたラブコメディ仕立てのミュージカルパートは8号車さんも盛り上がっていましたね。アロハさんが浮気な主人公で、ユーキさんとハルさんが主人公を取り巻く2人の女性を演じるという。
ユーキ 配役は僕が決めさせてもらったんですけど、僕はこれまでけっこうな数の女装をやってきた身なので、2桁号車(シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハル)の誰かにも女の子役をやってほしいなと思ったんです。でもみんな“未知数”すぎて、リスクもあるだろうなと(笑)。慎重に考えつつ、ハルは顔立ち的に合いそうだなと思ったので、今回はハルにチャレンジしてもらいました。初日はちょっと不安だったんですけど、回を重ねていくことにどんどんかわいくなっていって……。
ハル あはははは!
アロハ そう、感じた感じた。
ユーキ 初日は男すぎたんですよ。一瞬「うわ、これ失敗したかな」と思ったんですけど(笑)。
カイ だってガニ股だったからね、初日は。
ユーキ だけどそこから研究したのか、どんどんかわいくなっていって。最終日は相手役のアロハも惚れてたんじゃないかなと思います。
アロハ 惚れちゃいましたね。ユーキくんが言った通り最終日は「あれ?」って二度見しちゃうくらいかわいかったんです。しかも毎公演、ユーキくんもハルもウィッグのヘアアレンジが違うんですよ。「今日の髪型はどんな感じなのかな?」って、それを見るのも楽しみで。
リョウガ ウィッグのヘアアレンジ、メイクさんが一番楽しそうな時間だったよな(笑)。
姉のアドバイスと絶世の美女
──ハルさん的には、女装をしてステージに立ってみていかがでしたか?
ハル 僕自身も未知数だったので、最初は探り探りだったんです。そうしたら、ライブを観に来たお姉ちゃんから「もっとこうしたほうがいいよ!」と“ガチアドバイス”をいただきまして……。
ユーキ・アロハ あはははは!
リョウガ 姉貴~。さすがだな、やっぱ“歴”が違うから。
シューヤ なんて言われたの?
ハル 「ちょっと男すぎる。もうちょっとなり切ったほうがいい」って、ホントに直球のダメ出し。
リョウガ スタッフすら言ってこなかったことを(笑)。
ハル そう。みんなが触れてこなかった部分を思い切り突っ込んできたので、それで学びました。だから姉貴のおかげです(笑)。
リョウガ あとさ、1日だけ“絶世の美女”が来なかった?
ユーキ ああ、いたねえ(笑)。
アロハ 確か福岡だった気がします。びっくりしちゃいましたもん(※ハルが欠席した福岡公演では、タクヤがハルの代役を務めた)。
リョウガ クレオパトラみたいな。幻の絶世の美女が……。
カイ もしくは博多美人ね。
タクヤ ……(笑)。
ハル 俺、そのクレオパトラから自撮りが送られてきました!
リョウガ あはははは! 「見習え」ってことなんじゃない?
シューヤ だろうな(笑)。
──タクヤさんもユーキさんと同様、女装は慣れたものでしょうか?
タクヤ まあ、そうですね(笑)。
ユーキ タクヤは「ロンドンハーツ」の「女装男子ビューティーカップ」に出てるくらいですから!
タクヤ でもひさびさだったんで。なんというか、表現の1つとしてすごく楽しかったですね。
カイ そのときのことで忘れられないのが「ラキラキ」。タクヤとユーキがハイタッチする振りがあるんですけど、そこがめっちゃ面白かったです。役柄としては恋敵だから「この2人、どういう感情でハイタッチしてるんだろう?」とか思って(笑)。
一同 あはははは!
──こうした演技のパートは、超特急が初期の頃から1桁号車の皆さん(カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシ)がライブで取り組んできた見せ方の1つですよね。そういった超特急の“様式美”みたいなものを踏襲するような意味合いもあったのでしょうか。
ユーキ そうですね。そこはまさに「Rail is Beautiful」の「Rail」に込めたテーマです。今まで僕ら1桁号車がやってきたものを今度は9人で、さらに進化した表現として見せたかったんです。
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完全に騒いだ徳島の血