“帰ってきたえんどぅさん”との邂逅
──「Lesson II」の振付についても聞かせてください。
ユーキ 今回はえんどぅさんに。“帰ってきたえんどぅさん”にお願いしました。
カイ ウルトラマンみたいな言い方(笑)。
──えんどぅさんは、以前超特急の振付師を卒業することを表明されていたので「帰ってきた」になるんですね。今回はどういった理由で依頼を?
ユーキ 「愛」という大きなテーマが僕の中にあって、さっきシューヤも言っていたけど、いろんな愛の形を伝えたい、受け手に感じてもらいたい思いがあったんです。で、エロティックな表現も直接的なものじゃなく、間接的で品のある色気に持っていきたいという狙いがプロデューサーとの話し合いの中でもあったんですね。例えば、腰振ります!じゃなくて、手先の動かし方だったり繊細な体の使い方で想像を掻き立てるというか。観る側のイメージを膨らませるようなものにしたくて。
リョウガ そうね。
ユーキ えんどぅさんはそういう表現がうまいんですよね。この曲に合うなと思ったし、スタッフさん的にもイメージが合致したということだったので、今回お願いしました。えんどぅさんの作るダンスは変わっていて独自性があるので、踊っていくうちにすごく僕たちらしい表現になっていくと思うし……完成したパフォーマンスはいろんな動きに“伏線”がちりばめられているので、8号車のみんな的には考察がはかどるようなものにもなっていると思います。
──9人体制になって以降、えんどぅさんが振付を担当されるのは今回が初めてですよね。
タクヤ そうですね。僕は個人的に、超特急とえんどぅさんはアーティストと振付師という関係性だけではないと思っていて。僕たちのことを昔から見てくれている分、振付の上に1つ2つ、気持ちが乗っている感覚がすごくしているんです。9人になってもリハーサルの段階からメンバーそれぞれに対して「もっとこうして」とか「ここが合ってない」とか厳しく言ってくれたし、あとは踊っているときのテンション感や気持ちの持っていき方みたいな部分まで細かく指導してくれましたね。
──2桁号車の皆さん(シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハル)は、今回初めてえんどぅさんと作品作りをしてみていかがでしたか?
ハル 2桁の4人は、えんどぅさんから個人レッスンを受ける時間もあったんです。僕にとってはこれまで通ってこなかった道でしたけど、僕たちにも事細かにいろんなことを教えてくれて。すごくこう、愛も伝わりましたし……あとは、踊っているときに何を意識するべきなのかを明確に教えてくれる方なので、僕はよく理解できたし、やりやすかったです。
マサヒロ ダンスって基本16ビートを刻んで踊ることが多いんですけど、えんどぅさんの振付はそのリズム感を消して踊る場面が多くあるんです。僕はどうしても胸でリズムを刻んでグルーヴだったりを入れちゃいがちだったんですけど、それをいわゆる超特急らしい、えんどぅさんならではの振付のよさが出るように持っていってくれたというか。間違っているところははっきりと言ってくださるし、今ハルが言ってくれたように1人ひとり見てもらう機会もあって。そんなぜいたくな時間はなかなかないので、すごくありがたい経験でした。
アロハ ホントにはっきりと指摘してくれるんですよ。マンツーマンで教えてもらっていたときも、違うところはまっすぐに「全然違うよ」と。そもそもダンスどうこうじゃなく、振付をもらうときの意識から直せ、というところまで言ってくれたので。身近でそうやって指摘してくれる人って……メンバーはしてくれるんですけど、振付師の方となるとそこまでストレートに言ってくれる先生ってなかなかいないので、自分はそれがすごくうれしかったです。
──実際の「Lesson II」のパフォーマンスについて、個人的に見どころだと思うパートや好きな振りはありますか?
アロハ 僕、好きなところだらけです。特に間奏は雰囲気が一気に変わるので好きですね。音もすごくいいし、踊っていて気持ちがいいです。みんなで踊るユニゾンパートなんですけど、縦のポジションから広がっていくところがきれいなので、早く皆さんに見せたいなって思います。
カイ 僕も全体的に好きなんですけど、2番のAメロの音ハメパートかな。自分は踊ってないんですけど、見ていてカッコいいなと思いますね。あとは間奏のタクヤのダンスが気持ちいい。今回タクヤがセンターなんですよ。
タクヤ ずっと動かないですよ、僕。
カイ (立ち位置が)ほぼ0番だよね。
タクヤ 「Lesson II」は特に、振付に起承転結が……物語があるような気がしていて。さらに、9人いるので表現の幅が前よりも広がっているんですよ。ド頭の振付の感じは、1つの世界ともう1つの世界があって、まるでブリキ人形が動き出すようなファンタジックなイメージだなと自分的には思っています。そこからストーリーが始まっていく。音の取り方もすごく繊細だし、難しいんだけどやりがいがある感じ。えんどぅさんの振付だから絶妙に超特急らしい感じが出ているし、踊っていてもすごくいいなと思いますね。
ハルが惚れた男
──MV撮影の思い出も聞かせてもらえますか?
マサヒロ すごく夜遅くに撮影していたので……眠かったです。
シューヤ お前……一発目の感想がそれだけかよ!(笑)
タカシ (笑)。今回、初めてMVを2日間にわたって撮影したんですよ。全部夜間の外ロケで、朝方までオールナイトで。ダンスシーンなんかも時間に限りがある中で集中してやって。初めての出来事やったよね。
タクヤ 朝日が昇っちゃうと使えなくなるから早くやろうって。
リョウガ 監督がずーっと焦ってました。
ユーキ 場所は大きい駐車場みたいなところでね。
シューヤ 大人らしさをイメージしているので、旧車が並べられていたり、すごく雰囲気を作ってくださって。シックな感じもあって、仕上がりが楽しみです。これまでダンスやリップシンクがメインの映像が多かったけど、今回はストーリー性やメンバーの顔をフィーチャーしているMVなので、それがどんなふうに8号車や僕らを知らない方たちに響くのか、気になるところですね。
リョウガ ちょっと1つ、告発があるんですけどいいですか? 今回のMVは男女のエキストラの方の絡みがあって、それに対して僕らがリアクションをするっていうのがなんとなくの流れなんですけど、その男性側の方に、ハルが惚れてました。これはガチで。もう、食い入るようにモニタでその人を見てて……。
ユーキ 「かっけえー!」ってね(笑)。
リョウガ 写真も遠くから撮りまくってて、「これ、めっちゃカッコよくないですか?」って見せてくるんですよ。だから「お、おう。そうだな……」つって。ガチ惚れしてましたね。
ハル 映像、観てください。
リョウガ 俺の気持ちがわかるって?(笑)
ハル はい、観たらわかると思います。
リョウガ 確かに、魅力的な方でね。ちょっとヒゲを生やして。ワイルドというか……。
シューヤ ダンディ? 僕たちにはないような雰囲気の。
マサヒロ オダギリジョーさんみたいな雰囲気っす。
タクヤ 古着屋の店員さんみたいな感じ。
──なんとなくイメージできました。ハルさん“ガチ惚れ”だったんですね。
ハル もう、みんなに言われた通りです。車に乗り込むシーンのカメラセッティング中に少し話せる時間があったんですけど……そのときがいちっばんドキドキしました。
リョウガ 特典会か何かだと思ってる?(笑)
ハル あのー、はい。変な汗かいてました(笑)。
一同 あはははは!
タカシ また会えるとええな。
アロハ教習所、開業
──いつもと違う深い時間の撮影という点ではいかがでしたか? “深夜ノリ”みたいなものはありました?
タクヤ みんなゲーセンに行きまくってましたよ。集合カットがダンスシーンしかなかったので、それぞれがソロを撮ってる間の待ち時間がけっこうあって。
ハル ショッピングモールが開いてる時間は、みんなそこに行ってました。
ユーキ UFOキャッチャーをしてましたね。大量ゲットしました。
マサヒロ 最初、タカシくんがぬいぐるみを一発取りしたんですよ。
タカシ 100円でな。
ハル いいなあー。
タカシ リョウガと僕で遊んだときにはお菓子を大量にゲットしたから、そのまま楽屋に差し入れとして置いておきました(笑)。
シューヤ ユーキ、シューヤ、ハルはプリクラも撮りました!
一同 あはははは。
リョウガ あと、ユーキはずーっと運転の練習してたな(笑)。あれはなんの車? メンバー車?
アロハ メンバー車。マジでずっとやってた!
ユーキ めちゃめちゃ大きい駐車場だから、ちょうどいいと思って(笑)。メンバーの送迎も僕がやらせてもらいました。
シューヤ 運転席にずっといるんですよ!(笑) いつも誰かが乗るのを待ってて。
タカシ すごいおかしな状況のときあったもん。ユーキが運転してマネージャーが隣に座ってるのを1回見た。
一同 あはははは!
リョウガ 逆、逆!
シューヤ 運転したくてたまらないんだもん。
ユーキ でも、おかげで上達しましたよ。“アロハ教習所”の教官に駐車のコツを教えてもらって、だいぶ自信が付きました。
アロハ よかったっす!(笑)
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思い出を1つひとつ積み重ねることができているという実感