いかに超特急に引き込めるかが大事
──せっかくなのでBULLET PINKの「Guilty」についても伺っていいですか? メンバーの皆さんの気持ちを“代弁”していただければと思うんですけど……。
リョウガ そうですね。バレピのメンバーからはいろいろと話を聞いてはいるので。
タカシ それを伝えるような形になっちゃいますけど(笑)。
──(笑)。MVやTikTokの投稿には大きな反響があったと思いますが、この反響についてはどう感じましたか?
タクヤ バズったのはうれしいんですが、複雑な気持ちも正直ありました。生身の自分たちじゃないから、「ちょっと違うんだよな……」って(笑)。
リョウガ そうなんだよなあ。まあ、言ってしまえば“企画モノ”じゃないですか。僕らが女性アイドルに挑戦するっていう。そのために空港を貸し切ってMVを撮ったりだとか、ガチになってしまうのが超特急らしさなのかなと思うと、ファンの方には喜んでもらえるのかなと思いましたし、実際超特急を知らない人までも広がって、たくさんの反響をもらってね。だから、タクヤも言ってくれましたけど複雑な……企画でこんなにバズってもなあ、という(笑)。そこで注目してくれた人を、いかに超特急に引き込めるかが大事なんだろうなとは思いますね。
──ビジュアルもダンスもすごく作り込まれていましたよね。
ユーキ 勉強しましたよ。振り付けのえんどぅさんはK-POPの女性アイドルのダンスがめちゃくちゃ得意ですしね。BLACKPINKのダンスなどを研究しました。
タカシ 得意だからこそ、振り入れのときもすごく力を入れて指導してくださって……これは必死に研究しないと大変なことになるぞと(笑)。スケジュールもけっこうタイトだったので、なかなかハードでした。
ユーキ ヒール履いてたしねえ。
──ヒールを履いて踊るのはどうでした?
タクヤ 僕はそんなに苦じゃなかったです。外反母趾なんで。だから先が尖った形のヒール靴にピッタリ。お家に帰ってきたみたいな感じ(笑)。
タカシ つま先が?
カイ 「ただいまー」って?(笑)
リョウガ うらやましいわ。初めて外反母趾に感謝したんじゃない?
タクヤ そう。だからみんなは絆創膏とか貼ってましたけど、僕は何も貼らずに踊れました(笑)。
リスペクトを持って、我を出さない
──そのほかの最近の活動で言うと、YouTubeでのダンス動画更新も頻繁ですよね。「超特急のダンスはそろっていてきれい」というようなクオリティに関しては8号車さんには周知の事実ではあったと思うのですが、BTSの楽曲のカバー動画のコメントなどを見ると、それが8号車以外の場所にもだんだんと知れ渡っているのかなと。
タクヤ 僕たちが一番、BTSのダンスに忠実だという自負はありますよ。
ユーキ うん。
カイ リスペクトを持って、我を出さないからね。
リョウガ そういうことだね。
ユーキ リスペクトの気持ちはホントに強い。
──オリジナルに忠実に、ということは意識している部分だったんですね。
タカシ はい。めちゃくちゃ意識してますね。
カイ だって、自分の好きなアーティストのダンスを誰かがカバーしているのを観て、その人からリスペクトを感じられなかったらイヤじゃないですか。だからこうしてARMY(BTSファンの呼称)さんが僕らの動画をたくさん観てくれて、コメントを残してくれるっていうのはうれしいことだなと思います。
──カバー動画だけではなく、自分たちの楽曲のダンスプラクティスもアップされていて。近年はあまり公開されていなかったものだと思うので、新鮮に感じます。
ユーキ SNSでの発信力や拡散力が重要な時代ですから。発信していくことが大事なんだと思いながらですね。
──なるほど。
ユーキ だから、ダンス動画などを通して僕らを知ってもらえたりすると、超特急の輪が広がっているんだなと感じられてうれしいですね、やっぱり。少しでも知ってもらえるきっかけになるなら、今後もいろんな方向に向けて発信していきたいなという気持ちになります。広がりを生むには、まずは名前だけでもいろんな人に知ってもらうことだと思うので。
絆が試され、絆が生きた6日間
──6月には1年4カ月ぶりとなる有観客ライブ「Hoopla!」も開催されました。ひさびさに8号車の前でステージに立って、どんな感情を抱きましたか?(参照:超特急、目の前に広がる光に「忘れられない1日になりました」宝物詰め込んだライブで8号車と“大騒ぎ”)
タクヤ 今までは8号車が会場にいるのが当たり前だったけど、会えない日々が長く続いてからは「当たり前だ」と思う気持ちが180°変わって……そういった中で有観客のライブができたのは、純粋にうれしかったです。僕たちにとってはライブが資本で、それは8号車がいて初めて成立するものなので、夢のような時間でした。
ユーキ 「ただいま」って、家にひさびさに帰れたような感覚だったよね。帰るべき場所に帰れて、感動しました。超特急はライブを大切にしてきたグループなので、目の前にいる人に対して思いを伝えて、キャッチボールできる環境がうれしかったし、ペンライトの景色がひさびさに見れて、とても幸せでした。
タカシ 8号車の顔を見ながら歌えることが、ホントにうれしかったです。配信ライブもみんなが観てくれているから成り立つものだけど、その反応をリアルタイムでは感じられないので……ひさしぶりに反応を受け取ることができて素直によかったなって思いました。
リョウガ キャパの半分の動員、声出しNGなど普段とは違う決まりがある中、僕らにも8号車にも不安があったと思うんです。けれど、結成してからずっと、8号車もメンバーの一員として一緒にライブを作り上げてきたからこそ、その経験がここで生きたというか。パワーダウンせず、むしろ迫力が一層増すくらいのライブができたと思うので、この環境で絆が試され、絆が生きたと感じる6日間でしたね。
カイ 制約はいろいろあったけど、会場に8号車がいるのといないのとでは自分たちの気持ちも会場の雰囲気も全然違う。配信でやってきたものとは本当に違うライブができたので、シンプルにうれしかったですね。
──リョウガさんが言うように声出しNGという状況でしたけど、そのぶん8号車さんは大きな動きでペンライトを振ったり、息の合った手振りでライブに参加していましたね。気持ちが伝わる応援にすごく目が行って、「8号車さんアツいなあ」なんて思いながら取材させてもらったのですが、皆さんの目に客席の光景はどう映っていましたか?
ユーキ 今までよりもたくさん踊ってくれてるんじゃないかな?というくらい踊ってくれてましたよね。「声が出せない分、体で表現してやろう!」感が伝わってきて、今まで以上にペンライトの動きに迫力がありました。
タクヤ みんなの動きが大きいから、半キャパでも少なさを感じなかったですし……コールのほかにできることを全力でやろうと思ってくれている8号車1人ひとりのおかげだな、というのをすごく感じましたね。
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2021年7月21日更新