既存のイメージを変えてみんなの意表を突きたい
──「クール&セクシー」がテーマだった最終日の公演は、メンバーがリムジンで会場に乗りつけるというきらびやかなオープニング、超特急としては初めてとなるソロパフォーマンスのコーナーなどがあって……(参照:超特急“クール&セクシー”なステージで3日連続配信ライブに幕「8号車との大きく固い絆を胸に」2021年へ)。
カイ この日はトピックてんこ盛りでしたね!
リョウガ ユーキこだわりのリムジンね。
ユーキ そうですね。この日のライブには、超特急の既存のイメージを変えてみんなの意表を突きたいという思いがありました。リムジンもその1つで、カッコよく華やかに登場したかったし、1曲目の「Fantasista」に合うと思ったんです。最終日はとにかく、自分の“魅せたい欲”の塊というか……「Fantasista」から「Hey Hey Hey」「On & On」と、初っ端からカッコいい曲を並べて、セクシーに踊り切る。普段の“ダサカッコいい”の正反対に振り切ったパートをオープニングに持ってきて、いつもとは違う僕たちを観てほしいなと思っていました。
──なるほど。
ユーキ 序盤にはワーッと盛り上がる曲を持ってくるのが定番だけど、3日目はド頭で意表を突いて、そこからソロコーナーに進み、終盤におなじみのライブ曲を披露するという……普段とはガラッと異なる構成でセットリストを組みました。これはライブが3公演あったからこそ、できたことかもしれないなと思います。
──セットリストのことで言うと、「クール&セクシー」というテーマなのに、直球でセクシーなライブ定番曲の「We Can Do It!」が入っていなかったのが、逆に大人の余裕を感じさせるなと思いました。
ユーキ 「We Can Do It!」はあからさますぎるかな、ということは考えました。今回の「クール&セクシー」では、もっと僕らの雰囲気というか……メンバーそれぞれが放つオーラやさりげない動きから艶っぽさを感じてほしかったので、直接的でわかりやすい曲はあえて入れないようにしましたね。
8号車をゾクゾクさせるものになればいい
──オープニングナンバーの「Fantasista」はリョウガさんがセンターですが、こういったラグジュアリーなムードのある曲でリョウガさんがセンターを務めるのは珍しいですね。
ユーキ 今までは「超えてアバンチュール」みたいな奇抜な曲ばっかりでしたからね(笑)。
リョウガ な! もう、ふざけた曲ばっかりですから。
タクヤ でも、ホントはリョウガが一番似合うと思うけどね、「Fantasista」みたいな曲。ダンスのスタイル的にも一番合ってると思う。
カイ ちょっと余裕感があるというか、抜いて踊るからね。
リョウガ 最終日の1曲目、しかも初披露だからプレッシャーはあったんですけど、リムジンから降りて踊るという流れがあったおかげで「クール&セクシー」というテーマを表現することに重きを置いてパフォーマンスできたのが、個人的にはよかったなと思います。そこまで特別な意識をせずに新しい姿を見せられたというか。タカシが考えてくれたハット付きの衣装と合わせて、8号車をゾクゾクさせるものになればいいなと思っていましたね。
──3日目の衣装はタカシさんプロデュースでしたが、ハットを小道具にして踊る演出はすごく印象に残っています。
カイ 素敵でしたよね。
タカシ みんなが同じ帽子を被って踊る姿って、あまり見たことないなと思ったんです。今まで使ってこなかったアイテムを使ってみたいなという思いもあって、ハットを被ってもらいました。実際すごくよかったですよね! 挑戦がいい方向に転んで、よかったなと思います。
──3日目の衣装は、どんなイメージで作り上げていったんですか?
タカシ 3日目のライブテーマと「Superstar」というライブタイトルを意識して、どのルックも僕自身が思い描く“スーパースター像”を衣装で具現化していきました。僕はこれまで衣装に深く関わることがなかったけど、すごくいい経験になりましたね。自分が考えた衣装をメンバーに着てもらえるのは本当にうれしいことだし……超特急に対しての自分なりのメッセージだったり、2021年の飛躍を願う気持ちなんかも、それぞれの衣装に込めさせてもらったので。作る人にしか味わえない醍醐味も感じることができました。
曲のキャラクターを一層濃くしてくれるステージ
──最終日のハイライトは、昨秋に5週連続で配信リリースされた5曲を皆さんがソロパフォーマンスでつなぐ場面でした。それぞれの曲で演出もまったく違ったので、ご自身の表現に込めた思いやこだわりを順に聞かせてもらえますか?
ユーキ 僕のセンター曲の「Jasper」は“スナイパー”がテーマで、狙いを定めて意中の女性を射止めるようなイメージで演出を作っていきました。後半にかけてぐんぐん盛り上がる、心躍るEDMなので、ダンスを付けていただいた50(fifty)さんとは「とにかく踊りまくりたい」と話して。勢いのある感じを重視してパフォーマンスしましたね。
──オリジナルの音源にはないラップも披露されていましたよね。
ユーキ ラップをしてみたいなと思ったので、がんばって覚えてやらせていただきました。衣装についても「砂漠をさまよっているような感じにしたい」と希望したら、タカシがイメージにピッタリのものをプロデュースしてくれて! 見せたかったものを全部詰め込んでステージに立てた感じでしたね。
──「Jasper」に続いて披露されたのは、水が張られたステージでカイさんが踊る「Never Mine」でした。
カイ ソロコーナーをやると聞いたとき、僕はまず「Before Dawn」と「Never Mine」をつなげたいと思ったんです。「Before Dawn」(2019年リリースのカイのセンター曲)はまだ1回も披露できていないから、踊らずともライブの場で8号車に聴いてもらいたかった。それと、水を使った演出は前々からずっと挑戦してみたくて。このタイミングで「できるよ」ということになったので、やらせてもらいました。振り付けも水の効果を意識しつつ、水が跳ねることで感情の爆発までも表現できるように、50さんに相談したんです。あとはタカシが考えてくれた衣装が水との相性バッチリでした。水を吸ってより飛沫が飛び、ダイナミックな見せ方ができたと思う。演出と衣装のバランスがよかったなと思います。
──水の中で踊る感覚というのは、どんなものでしたか?
カイ 水を使って表現するのは「スターダスト LOVE TRAIN」のミュージックビデオ以来だったんですけど、足の着き方をすごく気をつけないと転ぶな……って。実際リハで思いっきり転んだし(笑)。全身に気を巡らせながら踊りましたね。
──「Never Mine」から一転、タクヤさんのセンター曲「凱歌」ではステージ上に炎が上がり、鎖につながれたタクヤさんのビジュアルもインパクトがすごかったです。
タクヤ 「凱歌」では、僕だけじゃなく皆さんが思われているであろう、コロナ禍での感情を表現したいと思って。鎖につながれている自分の姿は、思うように行動することができない現状とそのもどかしさをイメージしたものでした。鎖、リョウガが「いいんじゃない?」と言ってくれて取り入れたんですよ。
──そうだったんですね。そんなリョウガさんは「So Crazy」でレーザー光線を操るようなパフォーマンスを披露されました。
リョウガ 僕のソロに関しては、ユーキと演出のSHIGEさんと衣装のタカシにプロデュースを委ねまして。ありがたいことに、とてもカッコよく仕上げてもらいました。レーザーを使う演出だったり、“陰と陽”を表現した衣装だったり、「So Crazy」という曲のキャラクターを一層濃くしてくれるステージにしてくださったので、やりがいがありましたね。
8号車にとってのヒーローであり続けたい
──そして、最終日のライブは新曲の「Hero」で締めくくられました。
ユーキ コロナ禍で先行き不安な状況が続いているけど、僕らは8号車に寄り添いたいし、この先も夢に向かって一緒に歩いていきたい。「8号車にとってのヒーローであり続けたい」という気持ちが一番にありました。超特急を応援することでこの先がんばれると思ってくれたらうれしいし、「僕らはみんなのヒーローでいるよ」というメッセージを最後にちゃんと伝えたかったんです。「Hero」という曲には感謝の気持ちも込められているし、「離れていてもそばにいるよ」という思いが感じられる曲なので、ラストナンバーにピッタリだと思ってここに置きました。
──8号車さんにとって皆さんは間違いなくヒーローであり、スーパースターだと思います。それぞれ具体的に「自分はこんなヒーローでありたい」という思いはあったりしますか?
カイ そうですね。こうやって表に出る仕事って、誰かの人生に影響を与える確率が高いと思うんです。先日特典会を開いたときにも、8号車が「仕事や学校で大変なことがあっても、超特急がいたらがんばれる」とたくさん言ってくれたりして。自分自身がどうであれ、その人にとっては僕らがヒーローでありスーパースターなんですよね。だから自分は、誰かに元気を与えられたり、前を向く活力になれたらいいなと思います。
──リョウガさんはいかがですか?
リョウガ どんな形でも、みんなに笑ってもらえるようなヒーロー。ですかね!
タクヤ おおー。
カイ 簡潔だね。タクヤは?
タクヤ 僕は「ワンパンマン」の無免ライダーのようなヒーローになりたいです。
リョウガ お! いいねえ。知らない方のために、一応説明してもらってもいいですか?
タクヤ ええと、無免ライダーはヒーローランクC級の……何位だっけ?
リョウガ いやいや、そういう説明じゃないから(笑)。「声優は中村悠一さんで……」とか、そういうことじゃないからね?
一同 あはははは!(笑)
タクヤ すみません(笑)。無免ライダーは、自分は強くないとわかっているんだけど、めちゃくちゃ熱いヤツで。どう考えても自分じゃ倒せない敵が目の前に現れても、「俺はヒーローだから戦うんだ!」と立ち向かう。結果ボコボコにされちゃうんだけど……そんな熱さを持ったヒーローになりたいです。
──わかりやすい説明、ありがとうございます(笑)。ユーキさんはどうでしょう。
ユーキ シンプルに、困ったときに助けてあげられるヒーロー。人を助けられる人になりたいです。だから、僕らはエンタテインメント、音楽を通して人を助けられる存在でありたい。誰かの夢や希望になれていたら何よりだなって思います。
タカシ 僕は皆さんに近い存在の、親近感のあるヒーローになりたいです。超特急自体、ファンとの近い距離感をすごく大切にしていますし、コロナが収束したときには8号車のところにまっすぐ駆けつけたいです。
──皆さんありがとうございます。ちなみに……超特急というグループ全体としては、どんな“スーパースター”が理想像ですか?
リョウガ どんなだろう!? まともな人間が1人もいないから……。
ユーキ リョウガ以外みんなまともだよ。
リョウガ 変人の集いですからねえ……(笑)。
カイ じゃあ、スーサイド・スクワッド?
一同 あはははは!(笑)
ユーキ いいねえ。
──曲者ぞろいな感じ。
リョウガ それかもしれないな(笑)。(タクヤを見て)よっ、ウィル・スミス!
カイ デッドショットだ!
タクヤ なんで俺なんだよ(笑)。
ツアー情報
- BULLETTRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING「Hoopla!」
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- 2021年6月4日(金)神奈川県 ぴあアリーナMM
- 2021年6月5日(土)神奈川県 ぴあアリーナMM
- 2021年6月6日(日)神奈川県 ぴあアリーナMM
- 2021年6月10日(木)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2021年6月12日(土)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2021年6月13日(日)兵庫県 ワールド記念ホール