超特急が10月21日にスタートさせた新曲の5週連続配信リリース企画が完結した。
今回の連続リリースは、彼らのCDデビュー8周年を記念した企画の1つとして実施されたもの。5曲のうち4曲はダンサー4人それぞれのセンター曲となっており、グループのSNSでは最新曲のセンターメンバーを大々的にフィーチャーした“メインダンサー&バックボーカルグループ”ならではのプロモーションを1週ごとに展開。8号車(超特急ファンの呼称)のタイムラインを大いに沸かせた。
各メンバーのセンター曲が一挙に発表されることはこれまでにもあったが、今回の連続配信で発表された楽曲は、過去のセンター曲とはひと味異なる特徴を持っているという。音楽ナタリーではメンバーにインタビューを行い、この新曲5曲について話を聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / NORBERTO RUBEN
みんなにとっての毎週の楽しみに
──はじめに、なぜ5週連続で配信リリースをすることになったんですか?
ユーキ 今回は配信という方法を取ろうということになりまして。超特急は年末のライブに向けて新曲を発表する流れが毎年ありますけど、今回もまた一気に新曲が増えましたね。
タクヤ 12月リリースの「Asayake」(シングル)の曲も合わせると、もうアルバムですって言ってもいいくらいのボリュームですね。
タカシ 年末のライブに向けて、みんなにとっての毎週の楽しみになったらいいなというふうにも思いますし。毎週配信リリースをするというやり方は今までしたことがなかったので、これまでと違ったアプローチをしたかったという思いもあります。
──8月に配信リリースされた前作「Dear My グッバイ」は皆さんが一から制作に携わった曲でしたが、今回の5曲は?
ユーキ 今回は完成している曲をみんなで聴いて。そこから話し合いでセンターを決めていった感じでした。
新鮮な顔を引き出すセンター曲
──過去にメンバーそれぞれのセンター曲が一気に発表されたときは、1人ひとりの個性を反映させたキャラクターソング的要素のある曲がほとんどだった印象なんですが、今回の4曲はそういった要素があまりないなあと……。
カイ さすがですね! それは、メンバーをモチーフに曲を作っていないからです!(笑) すでに作られていた曲のセンターを振り分けていった。それと、今回は“その人っぽさ”よりも、それぞれのメンバーが今まで前面に出してこなかった面みたいなものも加味して曲を当てはめた部分もあるので。新鮮な顔を引き出せるように。
──なるほど。センターを決める話し合いはどんな感じで進んだんですか?
ユーキ 8月8日のライブ生中継のあとにみんなで決めました(参照:「一緒にはいないけど、心はつながってる」超特急、5人で立つ横浜アリーナから届けた思い)。
カイ わりとスムーズに決まったよね。
リョウガ 今回の曲たちに関しては曲のジャンル的な違いもそこまで明確ではなかったので。正直なところ、誰がどの曲をやってもハマりそうだなと感じる中での選択だったんです。
ユーキ その中で、曲のイメージとダンサー4人のパーソナルな部分を照らし合わせて……例えば「凱歌」みたいな熱い感じの曲は僕がセンターをやりがちだけど、もちろん僕以外のメンバーも熱い感情を持っているから、今回はそれをタクヤに表現してほしいとなったり。リョウガは“陰キャ”なイメージを持たれがちだから、今回はあえて“陽キャ”なサウンドの「So Crazy」に挑戦してみようとか。カイは実生活ではサバサバしていて物事を引きずらない人だから、「Never Mine」の粘着質な歌詞の世界観は意外性があって面白いよねとなりましたし。僕は「Jasper」が最初のリリース曲と決まっていたので、先陣切って行く感じが自分らしいかなって。
カイ でも、面白いんですよ。(全員センターの)「My Answer」以外の4曲は、曲をサウンドと歌詞の2つに分けて考えると、そのどちらかに必ずセンターメンバーの“その人らしさ”が出ていると思う。「Jasper」の曲調はこれまでのユーキのイメージではないけど、ユーキのセンター曲って「Jasper」の歌詞のように、だいたい対象の女性を追いかけてるんですよね。「Beautiful Chaser」しかり「Beasty Spider」しかり、「Kiss Me Baby」しかり。「Never Mine」は、ユーキも言っていたように僕は全然引きずらないタイプだから歌詞に自分らしさはないけど、R&B風の曲調は8号車(超特急ファンの呼称)もなじみがあると思いますし。タクヤはすごく熱い心を内に秘めているから「凱歌」の歌詞の熱さはすごく合ってるけど、「ロックっす!」みたいなサウンドはイメージにないじゃないですか。
タクヤ ロックっす!(笑)
カイ リョウガも、「So Crazy」のノリノリな感じのサウンドは彼っぽくないけど、歌詞をよく見ると「草」みたいなオタクっぽい言葉が使われていて、そこはすごくリョウガっぽい。サウンドと歌詞、どちらか片方がメンバーにハマっているという形は今までになく新鮮だと思います。
タクヤ カイが全部まとめてくれましたね!(笑)
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碧玉のダンスリーダー