超特急|“変革と革新”のアリーナツアーを終えて 5人が見つめる超特急のこれから

みんなをマジで笑顔にさせたい

──では、まず「Pastel Shades Christmas」とサブタイトルの付いた大阪公演の話から聞かせてください。この公演は、カイさんが衣装をトータルプロデュースされました。

カイ 大阪公演の舞台セットがすごくにぎやかだったので、1着目はあえてワントーンで出たいなという思いがあって。「Pastel」というテーマもあったし、柔らかいカラーのセットアップを最初に持ってきました。そこから黒メイン、白メインの衣装と変わっていくんですけど、黒から白への変化には「拘束と解放」というテーマを設けていました。

──確かに、黒のハーネスや柔らかく揺れる白いベルトが印象的でした。

カイ そのあとのクリスマスメドレーパートは華やかにしたいなという思いがあったんですけど、クリスマス感を出すというよりはもっとストレートに華やかで、僕たち自身を彩るようなものにしたかったので、今着ているこのゴールドの衣装になりました。アンコールのTシャツはダサめのTシャツをオリジナルで作りたかったんですが、思いの外いい感じになってしまいましたね(笑)。

──ありがとうございます。では、このライブの中で印象に残っている場面をそれぞれに教えてもらえますか?

タカシ 僕は1曲目の「Fantasy Love Train」ですね。今回のツアー、いろんな挑戦をしたなという思いがあるんですけど、僕的にその中の1つが「Fantasy Love Train」を1曲目にやることだったんです。いつもの超特急ならば元気な曲でスタートダッシュを決めるところですけど、それをいい意味で裏切って、違った形で思いっきりエンジンがかかりました。「8号車のみんなをマジで笑顔にさせたいな」という思いがより強まったし……本当にあの瞬間、ステージに立った光景を今でもハッキリ覚えてるんですよ。それくらい印象的だったなと思います。(ユーキのほうを向いて)1曲目にしたのには、どういった狙いがあったんですか?

タクヤ

ユーキ (笑)。「Sweet Bell」(大阪公演テーマ曲)で始まるパターンも考えたんですけど、ワクワク感を第一に考えたとき……「Fantasy Love Train」ってすごく、かけがえのないライブが始まった感があるんですよね。とても1曲目に合うなと思って。幕がブワッと引かれて僕らが登場する演出にもハマると思ったので、この曲にしました。

タクヤ 僕は「We Can Do It!」かな。「Kiss Me Baby」でムービングステージが上がって「We Can Do It!」で前に進み出すんですけど、あのときの8号車の歓声を思い出すと……素直にうれしかったです(笑)。まさか動き出すとは思ってなかったんだろうなという反応だったので楽しかったし、上手下手にちゃんと向いて、スタンド席の人たちにアピールできるようなダンス構成も考えたりして。下にいる8号車へのアピールもあったので、それもすごく新鮮でした。

8号車と対決したいなと思ったんです

カイ 僕は「Drawイッパツ!」です。前日ギリギリのタイミングでコール練習動画を出したのに、みんなよく覚えたなと思えるほど大きな声が返ってきて。ユーキが「8号車にコールを入れてほしいから」と提案して、彼を筆頭にみんなで考えて前日に動画を出して……僕たちからコールを呼びかけるっていうこともあまりないですしね。自然発生的な部分があるものを「こうしてほしい」と呼びかける珍しさもあるし、しかもカロリー高めのコールじゃないですか。

──コールというか、ほぼ歌ですよね。

カイ そう(笑)。それをみんな1日で覚えたんだなと思うと、すごいですよね。それ以降のライブでは欠かさずやっているんですけど、今やっているファンクラブツアーでも特別大きな声が出る曲になっているので、8号車の皆さんも楽しんでくださっているんだなと感じます。

──前日に出したのは8号車さんのポテンシャルを見越してわざと、ですか?

ユーキ 前日になってしまったんです!(笑)

カイ もう2、3日前に出す予定だったんだけどね。

──ユーキさんの「コールを入れたい」というアイデアはどういったところから?

ユーキ

ユーキ 僕ら超特急と8号車で対決したいなと思ったんです。僕らはダンスでめちゃくちゃ燃えるんで、8号車はペンライトと掛け声で思いっきり叫びまくってほしくて。どっちのほうが燃え尽きられるか競うような曲にしたいと思ったときに、僕たちらしいコールを作りたくなったし、それだったら僕らから提示したほうが、みんなうれしいかな?と思って。

──コールはすぐにできました?

ユーキ いや、悩みましたよ。言葉の語呂とかは特に、メンバーに相談しながら考えていきました。

──「Drawイッパツ!」は振り付けもユーキさんが担当されているんですよね。ダンスはどういった感じで作っていったんですか?

ユーキ サビは超特急らしさが出るような振りにしたかったんですけど、間奏は僕らのダンスを見せつけるというコンセプトを持って考えました。テンポが速いので、疾走感はすごく意識しましたね。あと僕らの持ち味であるアドリブや抜きの部分って毎回面白いものが生まれていると思うので、Bメロは決めすぎず、そのときどきのメンバーの個性を生かせるような構成を意識しました。

──ダンス、コールと、ユーキさんトータルプロデュースですね。

ユーキ そうですね(笑)。すごくいい曲だったんで。「fanfare」に続くような、一体感が得られるような曲だなと思ったので、いろいろ考えてみました。

クリスマスメドレーの“新しい風”

──最初のリョウガさんの話にもあったように、大阪公演はクリスマスソングメドレーも印象的でした。ムービングステージを使っての演出はテーマパークのパレードを見ているような感覚にもなりました。

カイ

カイ 今回のクリスマスメドレーでは“新しい風”を取り入れてみたんです。というのは、あのパートだけでも振付師さんがたくさんいらっしゃって。今までご一緒したことのない先生に付けていただいた部分もあって、そういった面でも表現の幅が広がった部分があるんじゃないかなと思います。

──そうだったんですね。

カイ メドレーのオープニングから「赤鼻のトナカイ」までがSHOJINさんという方で、シアタージャズ……テーマパークのダンスを付けたりする先生で。僕とリョウガの「Carol of the Bells」からは「Body Rock」も付けてくれたDAIKIさん、「Happy Holiday」がHIGEさん。で、「We wish you a Merry Christmas」がRYOSUKEさんという感じで。

タクヤ 相当前なんですけど、HIGEさんはレッスンに行ったりするくらい好きなダンサーさんなんです。今回メドレーで先生に振りを付けてもらうことができたのが個人的にはうれしかったですね。次は超特急の曲で何かやってほしいなと思いました。

カイ 先生によって振りのジャンルや雰囲気が違うから忙しい感じはあったかもしれないけど、メドレーをそうやって見せることで色の違いが際立って面白いものになっていたから、よかったんじゃないかなと思います。