超特急が“8号車(超特急ファンの呼称)の日”の8月8日にニューシングル「Jesus」をリリースする。
4月に発売された前作「a kind of love」に続く今作は、テレビ朝日系「土曜ナイトドラマ『ヒモメン』」の主題歌を表題曲とした作品。ボーカルのタカシは“ダメ男感”の漂う歌詞をいくつもの声色を使って歌い分けてみせ、ダンサー陣は彼の歌声に乗せてクールとポップ、シュールを瞬時に行き来するダンスパフォーマンスを披露している。また“超”超フェス盤のカップリングにはメンバーが作詞を担当した「SAIKOU KOUSHIN」が収められた。
収録曲やミュージックビデオについてメンバーにじっくり話を聞くと、「a kind of love」からさらに進化した“6人の形”が今作で表現されていることがわかった。彼らがこのシングルに刻んだ、これからの超特急のスタイルとは。
取材・文 / 三橋あずみ
正直に自分の思ったこと言います
──表題曲「Jesus」は、テレビ朝日系「土曜ナイトドラマ『ヒモメン』」の主題歌ですね。これを知ったとき、皆さんはどう思いましたか?
ユースケ 僕、正直に自分の思ったこと言います。「『ミュージックステーション』に出られる!」と思いました。
リョウガ そこ?(笑)
ユースケ いや、本当に思った。僕らが主題歌で「ヒモメン」をサポートして、話題になれたら……「ドラマ『ヒモメン』の話題の主題歌で、超特急が初登場!」みたいな!
タカシ 階段降りてくるときの紹介だね。
ユースケ テレビ朝日さんでドラマの主題歌をさせていただくのは初めてだったので。
タクヤ ドラマ主題歌自体もひさしぶりだもんね。だからすごくうれしかったです。ドラマにピッタリな楽曲になったと思うし、これを機に超特急に興味を持ってくれる人が増えてくれたらという思いですね。
──楽曲は、しっかりドラマの内容に沿ったものなんですね。
タカシ そうですね。歌詞の内容は“ヒモ男”を連想させるものだし、「愛も金も夢も全部」とか言っちゃったりするんです。でも、聴くうちにだんだん「あれ、この歌詞けっこう深いな?」って感じてもらえると思います。わりととがったことを言ってるところもあるんですよ。
──“とがったところ”って、具体的に言うと?
タカシ 2番の「反面教師大学を首席で卒業しまして 我が道進んで一体何が悪いの?」っていうところ。超特急の曲では前向きな歌詞を歌うことが多いんですけど、ここは「そういうこと言っちゃう?」って感じがする。でも、言ってることは間違ってないから自分も共感できたんです。こういう部分で「ダサカッコいいだけじゃないんだよ、ストレートにカッコいいんだよ、超特急」ってところを見せられたらいいですよね。
誰がヒモ男や!
──さっきタカシさんが言っていたように歌詞にはダメ男っぽさが漂っていますけど、この歌詞を普段“ダメ男感”がまったく感じられないタカシさんが歌う、っていうのがすごく面白いなと思いました。
ユーキ いや、歌詞そのまんまですよ(笑)。
タカシ 誰がヒモ男や!(笑)
カイ 見えてるところでは、ですよ! うわべだけ真面目なんです(笑)。
タカシ やめなさい!(笑)
ユーキ でも本当に、「君の優しさ 時々面倒くさいし 他人の痛みなんて 気付けないし 気付かない」なんて歌ってますけど、実際は真逆ですよ。優しすぎて「タカシがそう言われちゃうんじゃないか」って心配になるくらい。彼、どっちかと言うと尽くす側なので。だから確かに面白いです。
──自分にない部分を歌で表現するにあたって、タカシさんはどんなことを意識しましたか?
タカシ なんと言うか、“調子乗ってる感じ”を意識しました。「こんないいこと言ってるぜ?」みたいな。「イケてる感じってどんなだろうな」と考えて、最初のラップもアゲアゲで歌ってみたりとか。「他人に厳しく 自分にはSO SWEET」ってパートは浮つき感を意識しましたし、基本的に浮足立ってる感じですね。
リョウガ ラップパートとか、タカシが歌ってると思えなかった。声が違いすぎて。それほどに彼が表現を変えてやっているのを感じて、単純に「タカシすごいな」って思ったんですよ。
タクヤ すごく成長してるって思ったよね。表現の幅が広がってる。
ユースケ いろんな声色を出していて、しかも声が曲に負けていないんです。そこがまたタカシの進化した部分と言うか。この「Jesus」の中でたくさんの挑戦に成功していて「1人でもちゃんと成立してるな」って僕は思えました。
──作品のビジュアルで言うと今回、ハイブランドのアイテムをコーディネートした衣装も印象的ですよね。
カイ 洋服に関しては「ヒモメン」の主題歌なのにハイブランドを着ているというアンバランスな面白さを狙った感じですね。どっちかと言うとお金に困るほうなのに、って。
タクヤ 今回の衣装、すごく好きです。プライベートでもそうですが、やっぱりお気に入りの服を着ているとテンションも上がるし、やる気も変わってきますね。個人的に好きなブランドが衣装で着れたのはうれしかったです。
──タクヤさんから見て、ほかのメンバーのスタイリングはどうですか?
タクヤ それぞれその人にしか着られないスタイルになっていますよね。ユースケが着てるPRADAのトップスは、背中のデザインがかわいくてお気に入りです。
裏ではどう思ってるの?みたいな、ダークな心情も表現してる
──では、パフォーマンスについても教えてもらえますか。
ユーキ 今回のダンスはカッコいいところとキュートなところの差がすごくハッキリしているのと、ちょっとサブカル的な動きが入っているのが特徴ですね。ド頭の間奏パートとかそうなんですけど、Aメロのラップが来るとめちゃくちゃテキパキ踊って一気にクールになる。そのあとのサビはみんながマネしやすいようなダンスなんですけど、間奏には一番の“爆発”が来て、ガッツリ踊りを見せてます。パートごとのギャップがすごいんですよ。
タクヤ メリハリがしっかりしているから、観ていて面白いと思う。
ユーキ 僕的には、笑う声に合わせてユースケが肩を震わせながら踊るシーンが絶妙で、すごく好き。
ユースケ ありがとうございます(笑)。
ユーキ あと、「反面教師大学を……」のところでタクヤが1人で立って笑顔で手を振ってるところなんかは、周りで座ってる5人は彼をお祝いしているように見えるけど、裏ではどう思ってるの?みたいな、ダークな心情も表現してる。そういったところも面白い振り付けですよ。
──歌詞の内容に沿った動きが多いんですね。
ユーキ そうですね! なので、トータルですごくキャッチーな仕上がりです。
タカシ ミュージックビデオの「ミュージアム」っていうコンセプトもクセが強いし、もうクセとクセのぶつかり合いですよ(笑)。
「幸運を呼ぶ前髪だ」とか言って。呼ばないわ!(笑)
──MV、かなり攻めた感じの作品ですね。メンバーそれぞれに割り当てられたアート作品はこの撮影のために作られたんですか?
ユーキ そうなんです。
──すごく手が込んでますね。それぞれお気に入りのシーンはあります?
カイ リョウガがキャンディになっている作品のカットに、僕が三輪車に乗ってフレームインするところがシュールで好きです。僕、三輪車に乗るのすごいうまかったんですよ。
──けっこうコツが要りますもんね、大人が三輪車に乗るのって。
ユーキ カイさ、「POLICEMEN」のときも1人で(子供用の)ミニパト乗ってたよね!
カイ そうそう。どうやら小っちゃい乗り物担当みたいです(笑)。
ユーキ 僕が好きというか観てほしいのは、さっきも言った笑い声のシーンの、ユースケの前髪。
ユースケ ねえ、やめてー?(笑) 一発撮りだったんですけど、その前のダンスが激しいから前髪が乱れてしまったんですよ。せっかく真ん中分けにしてもらったのに、変な方向に1本出ちゃって……。
ユーキ (ユースケの顔がアップで写った携帯の待ち受け画面を見せる)
──そのシーン、待ち受けにしてるんですね(笑)。
ユースケ そうなんですよ、「幸運を呼ぶ前髪だ」とか言って。呼ばないわ!(笑)
ユーキ それくらい気に入ってるので観てほしいです。
ユースケ 僕はヒモの中でみんなが踊ってるシーンですね。あのヒモ、当たるとすごく痛くて、僕「痛い、痛い!」って言っちゃったんですけど……それが本編に使われてて(笑)。でも「Jesus」、そういう場面けっこうあるよね? タクヤがお祝いされているシーンもそうなんですけど、リョウガとユーキがタクヤの顔めがけて、紙吹雪代わりのボールを当てようとして。
リョウガ 本気投げしてたんですよ。
ユースケ それをタクちゃんが怒っちゃって。
リョウガ タクヤがユーキに襲いかかるのは、カットがかかってからの動きなんです。それが使われてる。
ユーキ 素の部分ですよ(笑)。
カイ 当たっても全然痛くないものなんですけど、1つユーキの投げたのがジャストミートしたんでしょ?
タクヤ そう。それだけがすごい勢いでほっぺに当たって、ちょっと痛かったんだよね(笑)。
ユーキ 全力で行きましたから!
リョウガ 他人の栄光を素直に喜べない感じが、よく出てると思います。
次のページ »
何気ない日常が一番素敵だったりするんだよ
- 超特急「Jesus」
- 2018年8月8日発売 / SDR
-
通常盤 [CD]
1200円 / ZXRC-1156 -
FC盤 [CD]
1200円 / ZXRC-1157 -
“超”超フェス盤 [CD]
1200円 / ZXRC-1158
- 通常盤収録曲
-
- Jesus
- up to you
- Fashion
- FC盤収録曲
-
- Jesus
- up to you
- 超越マイウェイ
- “超”超フェス盤収録曲
-
- Jesus
- up to you
- SAIKOU KOUSHIN
- ライブ情報
HMV presents BULLET TRAIN 6th Anniversary Special「“超”超フェス」 -
- “超”夏祭り Day1 2018年8月8日(水) 東京都 東京国際フォーラム ホールA 出演者 超特急 / コロッケ / PUFFY / DAIGO(BREAKERZ)
- “超”夏祭り Day2 2018年8月9日(木) 東京都 東京国際フォーラム ホールA 出演者 超特急 / FLYING KIDS / ベリーグッドマン / DJ和
- BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH
-
- 2018年12月7日(金) 埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
- 2018年12月26日(水) 大阪府 大阪城ホール
- 2018年12月27日(木) 大阪府 大阪城ホール
- 超特急(チョウトッキュウ)
- 6人組の“メインダンサー&バックボーカルグループ”。カイ(2号車 / メインダンサー / 神秘担当)、リョウガ(3号車 / メインダンサー / ガリガリ担当)、タクヤ(4号車 / メインダンサー / 筋肉担当)、ユーキ(5号車 / メインダンサー / ドジっ子担当)、ユースケ(6号車 / メインダンサー / 元気担当)、タカシ(7号車 / バックボーカル / 末っ子担当)で構成されている。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビュー。2014年3月には6thシングル「ikki!!!!!i!!」を発売し、ホールツアーを実施する。同年12月に1stフルアルバム「RING」を発表。2015年6月にはデビュー3周年記念の9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」をリリースし、インドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演して海外“開通”を果たす。さらに12月23、24日には東京・国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブを成功させた。2016年10月に2ndアルバム「Dramatic Seven」をリリース。2017年4月にはデビュー5周年を記念したシングル「超ネバギバDANCE」を発売し、同作で自身初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得した。同年12月から2018年1月にかけ東名阪アリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning」を開催し、その後超特急は6人の新体制に。4月には新体制初のシングル「a kind of love」を、8月8日にシングル「Jesus」を発表。12月には埼玉・さいたまスーパーアリーナでの初ワンマンを含む東西アリーナツアー「BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH」の開催が控えている。