音楽ナタリー Power Push - 超特急
7人が立った新境地 メンバーインタビュー&「大録音会」レポート
笑わない超特急
──ダンサーの皆さんも、バンドサウンドで踊るというのはいつもと違うものですか?
ユーキ 全然違いますね。
タクヤ 間奏の、マーティさんのギターソロのパートでも僕たちは踊っているんだけど、そこの音の取り方がすごく難しい。四つ打ちの曲とかだと音を取りやすいんだけど……。最初のうちはみんなの振りがなかなか合わなくて、苦労しましたね。
ユーキ 今までの曲だと、例えばテンポが速かったとしても勢いでいけちゃうような感覚があったけど、「Beautiful Chaser」はそういうものが一切通じない。1つひとつの動きがしっかりとあって、今まで以上に表現力が必要です。振り付けにすごくストーリーがあるんですよ。ある1人の主人公の物語がこの曲の中に詰まっているのかなって。
──確かに、心情を複雑に表現しているような振り付けですね。
ユーキ そうなんですよ、あとホントに笑わないし(笑)。にっこり笑う超特急の姿は一切ないです。「探偵の探偵」という作品がまずあって「Beautiful Chaser」という曲ができて、そこからこの曲の“Music Story Film”(参照:超特急“濃厚で衝撃的”な「Beautiful Chaser」映像作品完成、上映会で思い語る)、ミュージックビデオの順番で撮っていったんですね。で、これは僕の勝手な思いなんですけど……Music Story FilmとMVの内容は全然違うけど、「探偵の探偵」からの流れを受けて同じメッセージを表現しているような気がしていて。だからダンスの振り付けにも同じメッセージがあるのかなって思えるんですよね。
──初めてパフォーマンスを観たときは、ユーキさんがユースケさんの首を回して、ユースケさんが倒れてしまうシーンにびっくりしました。
ユースケ 最初に振付師のえんどぅ先生に振りを渡されたときは「あ、僕殺されちゃうんだ」って思いました。今までの楽曲だとユーキと僕はベタベタしてる感じだったけど……。
カイ ベタベタって。言い方が怪しいわ(笑)。
ユースケ ええと、言い方を変えると仲良しな感じだったんですけど(笑)、今回僕はユーキに殺されて、もう一度動き出してからはユーキを捕まえに行く使者のような役をしています。
ユーキ Music Story Filmでもメンバーの中で一番初めに殺されちゃうしね。
ユースケ ホントだよ。
呪文のようなギターサウンド
──この曲を踊るとき、皆さんの目つきがいつもと変わりますよね。自分自身としてパフォーマンスをしているのか、それともモードを切り替えて、自分とは違う存在を演じているのか……どういった感覚を持ちながら表現しているんですか?
ユーキ (アーティスト写真の自分を指さして)僕はこの人になってる。“曲の中にいる人”を演じて、なりきっている感覚ですね。その“曲の中の人”っていうのは、「探偵の探偵」で北川景子さんが演じている紗崎玲奈を、自分なりに解釈した存在です。だから毎回ドラマを観てインスパイアされていますね。
タクヤ 僕もさっきユーキが言ったように「探偵の探偵」、Music Story Film、MVっていう流れがあったから、すごくドラマのことを意識するようになって。この曲のときだけは自分の前でカメラが回っているような感覚がありますね。1つの演技をしているような感じで表現しています。
カイ 僕はがっつりと何かを意識しているわけではないんですけど、アー写の世界観やMusic Story Filmの世界観をイメージしているかな。
──リョウガさんはどうですか?
リョウガ 曲始まりはダンサーが横一列になってお互いの手を絡ませ合っていて、僕はユースケとユーキの腕をつかんでいるんですけど……マーティさんのギターの入りの「ギュイーン」って音で、2人の腕をつかんでいる手にぎゅっと力を入れるんです。その瞬間にスイッチが入りますね。なんだろう、とにかく苦しんでいる、何かを抱えている、さまよっているっていうような暗いイメージがどんどん自分の中に入ってくる。
ユースケ 僕はMusic Story Filmで僕のことを殺した人のことを思ってます。
一同 あはははは(笑)。
ユースケ いや、これけっこうガチで。「ギュイーン」って曲が始まった瞬間に「あいつマジなんなんだよ!」って、あの人への怒りがこみ上げてくるの。
ユーキ でも、振りの中では僕に殺されるじゃん。僕に殺されたあとはどうなるの?
ユースケ それは、ユーキに殺されたときは「ああ、また死ぬのか……」って思うよ。でも♪I’m watching youで“復活”して、使者として動き出してからは、またあの人を憎む。
ユーキ あははは(笑)。僕よりあっちの人のほうが憎いんだ。
ユースケ もう、この曲は本当にすごいですよ。マーティ・フリードマンさんのギターの音がまるで呪文のようで……曲の世界の中に自然と入っていく。この曲は絶対にふざけられない。
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- 超特急 feat. マーティー・フリードマン ニューシングル「Beautiful Chaser」 / 2015年9月9日発売 / SDR
- 初回限定盤A [CD+Blu-ray] / 2592円 / ZXRC-1025
- 初回限定盤B [CD+Blu-ray] / 2592円 / ZXRC-1026
- 通常盤A [CD] / 1296円 / ZXRC-1027
- 通常盤B [CD] / 1296円 / ZXRC-1028
初回限定盤A、通常盤A CD収録曲
- Beautiful Chaser
- HOPE STEP JUMP
- fanfare
初回限定盤B、通常盤B CD収録曲
- Beautiful Chaser
- HOPE STEP JUMP
- One/O Signal
初回限定盤A、B Blu-ray収録内容
- Beautiful Chaser[MUSIC VIDEO]
- 「超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」
- 2015年12月23日(水・祝)
東京都 国立代々木競技場第一体育館 - 2015年12月24日(木)
東京都 国立代々木競技場第一体育館
- 「Beautiful Chaser」発売記念ミニライブ&握手会
- 2015年9月5日(土)愛知県 アスナル金山
- 2015年9月6日(日)大阪府 くずはモール
- 2015年9月8日(火)埼玉県 ステラタウン メローペ広場
- 2015年9月10日(木)千葉県 イオンモール幕張新都心 グランドモール1F グランドスクエア
超特急(チョウトッキュウ)
ボーカル2人の美しいハーモニー、奇抜で独特なダンスパフォーマンスで人気を集めている“史上初!! メインダンサー&バックボーカルグループ”。メンバーは1号車コーイチ(お父さん担当)、2号車カイ(神秘担当)、3号車リョウガ(ガリガリ担当)、4号車タクヤ(筋肉担当)、5号車ユーキ(ドジっ子担当)、6号車ユースケ(元気担当)、7号車タカシ(末っ子担当)の7人。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビューし、「Shake body」「POLICEMEN」とシングルリリースを重ねる。2014年3月には6thシングル「ikki!!!!!i!!」をリリースし、ホールツアーを実施。6月にアニメ「遊☆戯☆王 ARC-V」のオープニング曲「Believe×Believe」、12月に1stフルアルバム「RING」を発表した。2015年6月にはデビュー3周年記念の9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」を発表。さらにインドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演し、海外“初開通”を果たす。9月にフジテレビ系「探偵の探偵」の主題歌を表題曲とする10thシングル「Beautiful Chaser」をリリース。12月23、24日には東京・国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブが控えている。