BUDDiiSが新曲「JUBiiLEE」を配信リリースした。
現在開催中のホールツアー「BUDDiiS vol.07 Hall Tour - JUBiiLEE -」のテーマソングでもある「JUBiiLEE」は、メンバーのKEVINが作詞作曲を、FUMINORIとFUMIYAが振付を担当した楽曲。どこかクラシカルなメロディと心踊るポップなサウンドが温かな高揚感を誘うこの曲は、なんと“24時間”という時間制限の中で制作された。
新曲のリリースを記念して、音楽ナタリーではメンバーのFUMINORI、KEVIN、TAKUYA、FUMIYA、SHOOTの5人にインタビュー。楽曲制作に奮闘した1日の出来事を振り返りつつ、メンバーが「JUBiiLEE」に込めた思いを聞いた。
さらに、特集の最後には「JUBiiLEE」のミュージックビデオ撮影に密着したフォトレポートも掲載。10人の笑顔あふれた撮影現場の雰囲気をそのままにお届けする。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 上野留加、三橋あずみ(P4)
一致団結して作り上げるぞ!
──「JUBiiLEE」は、フジテレビ系の音楽特番「明日フェス~明日までに新曲つくってくださいってお願いしたら曲が良すぎたのでフェスにしちゃいます~」の中で制作された楽曲です。24時間で曲を作り、パフォーマンスまで披露するという、かなり大変な企画だったと思うのですが……。
KEVIN ありえないですよね(笑)。でもすごく挑戦的な企画で、BUDDiiSのアーティスト性が少し世の中に出てしまったのでは?と……。
一同 あはははは。
FUMINORI それはいいことでしょ(笑)。
KEVIN とにかく「一致団結して作り上げるぞ!」という活気がある1日だったよね。音楽やってて楽しいなって思えました。
──制作はどんなところからスタートしたんですか?
KEVIN ちょうどその時期に、2月からのホールツアーをどういうものにするかという話し合いをしていて、ツアーのタイトルが「JUBiiLEE」に決まったんです。ちょうどいい機会だから「明日フェス」でツアーのテーマソングになる曲を作ろうよとメンバー間で決めたのが走り出しでした。そこからは、「JUBiiLEE(jubilee)」という言葉の意味を考えてばーっとアイデアを広げて、歌詞の素材を集めて……という流れです。
──ツアータイトルが「JUBiiLEE」に決まった経緯は?
FUMINORI まず、2024年のBUDDiiSがどういうテーマを掲げて活動していくか?というところをチームで話し合ったときに、「“多幸感”がいいんじゃないか。この言葉を掲げて、もっと愛されるグループになっていこう」となったんです。そのテーマに紐付くような形で、「特別な記念日」や「祝祭」という意味を持つ「jubilee」をもとに「JUBiiLEE」というツアータイトルに決めました。
10個の指輪と食べ歩き
──実際の制作作業はいかがでしたか?
FUMIYA 番組内で起きたことを曲にしていくという趣旨だったので、曲にするための出来事はすべてカメラの前で発生しなければいけなかったんです。「24時間で1曲作る」というルールの中で、曲の素材探しのための鎌倉ロケが半分くらいの時間を占めていたので、かなりハラハラではありました(笑)。いろんなところにアンテナを張って、曲のアイデアをみんなで集めていましたね。
KEVIN ずーっと頭が動いている状態だったよね。
TAKUYA 僕は鎌倉ロケが終わったあとの会議から合流したんですが、部屋に入ったらメンバーみんな、すごく真剣な面持ちで話し合っていたのをよく覚えています。鎌倉で見つけてきた言葉を集めたメモを見てみると、謎のフレーズが大量に書いてあって……「アップルパイってなんだろう?」と思ったり(笑)。ほかにも食べ物の名前がいっぱい書いてあって、これを1つの曲にできるのかな?という気持ちになったりもしました。
──実際、鎌倉ではどんなことをしたんですか?
FUMIYA 僕とふみくん(FUMINORI)は指輪を作りました。去年のお正月にふみくんとMORRIEと僕の3人で鎌倉に初詣に行ったんですけど、そのときに僕が指輪を作った思い出があって。「懐かしいね」ってそのときのエピソードを話しながら、今回はメンバー全員分を。
KEVIN ちゃんとみんなのサイズに合わせてね。
FUMIYA その指輪は、番組でのパフォーマンスのときに全員で着けました。指輪を作ったからこそ生まれた振りもあったりするので、これはポイントになっていると思います。
SHOOT 僕とKEVINくんがいたチームは食べ歩きをしたんですけど、ちょっと名残惜しいというか悔しいのが、もっと食べられたよなって……。
FUMIYA いや、歌詞が食べ物だらけになっちゃうから(笑)。
SHOOT 店頭で海鮮を焼いているお店があったんですよ。あれ、ホントに食べたかったなあ……。
KEVIN 焼きたてのおせんべいも食べたかったよね。
──かなり食を満喫されたんですね。
SHOOT・KEVIN そうですね!
FUMINORI 2人のチームだけです!(笑)
FUMIYA こっちのチームはひたすら指輪作ってたからね? 終わったあと、スタッフさんに「お腹空きました……」って言いましたもん!
一同 あはははは!
SHOOT そんな感じで楽しみつつ(笑)、例えばAメロの「You shine, You shine 眩しすぎるよ」というフレーズは、海に行ったときに「太陽がまぶしいね」とつぶやいた、何気ない会話から作っているんです。本当に、この日の思い出を歌詞に反映した部分は多くて。KEVINくんが全部つなげてストーリーにしてくれたんですけど。
KEVIN そうだね。けっこう反映したよ。食べ歩きしたアップルパイも歌詞に入れたし……。
FUMIYA あとはカスタネットの音もそうですね。アップルパイにカスタードクリームが入っているのを見て、MORRIEが「カスタード、カスタード……カスタネット」って連想したみたいで(笑)。実際、曲の中にカスタネットの音を入れることになったんですよ。
──みんなで集めた曲の欠片を1日で曲にまとめる作業、かなり大変ですよね。
SHOOT そうなんですよ。だから作詞作曲担当のKEVINくんには本当に感謝です。
どこか懐かしい感じにしたいなと思って
──KEVINさんは、どのように楽曲を書き上げていったんですか?
KEVIN 歌詞と曲、同時に作っていきました。最初にざっくりとしたイメージで組み立てて、夜通し作業して歌詞をちゃんと整えたのは早朝だったかな……? 僕の楽曲の作り方って、普段ならば「Aメロ、Bメロ、サビではこういうことを伝えたい」というプランを大まかに作ったあとにメロを作っていって、そのあとに言葉を当てはめていくんですけど、今回は……どうやったのかあまり覚えてないです(笑)。
FUMIYA すごい。
KEVIN とにかく、最初から情報がたくさんあるという作り方が初めてだったので、挑戦的で楽しかったです。
──歌詞はメンバーみんなで集めた素材がある状態ですが、サウンドやメロディはどんな思いを持って作っていったのでしょう?
KEVIN 歌詞に「懐かしい恋のメロディ」とあるんですけど、実際「JUBiiLEE」もどこか懐かしい感じにしたいなと思って。「わ、なんだか聴いたことあるようなメロディだ」と感じてもらえたら面白いなと思ったので、クラシックな要素を自分なりに取り入れてみたりしました。
──ドイツ民謡の「山の音楽家」を思わせるようなメロディが入っているのもそういった狙いがあって?
KEVIN そうです! そういう音楽を、僕が得意としている洋楽っぽいポップスのメロディとミックスしながら作っていきました。
──レコーディングのエピソードも聞かせてもらえますか?
KEVIN レコーディングも僕がディレクションしたんですけど、SHOOTには信頼を置きすぎているというか。僕が「こう歌ってほしい」と思っているその通りにいつも歌ってくれるので、今回も楽しみだったんです。僕が曲を書くのはひさしぶりだし、メロも簡単ではないから「どんな感じかな」という思いもあったんですけど、バチバチに決めてきたのでテンションが上がりました。もう、「それでいこう!」って。すぐにOKだったよね。
──できたての曲をレコーディングするというのもなかなか普段経験しないことなのかなと思いますが、SHOOTさんはいかがでしたか?
SHOOT 聴き込みの時間がいつもより短かったですね。すぐに覚えて自分なりの歌い方にしていかないといけなかったので、そのぶん集中力が必要でした。曲をしっかりと聴いて音を覚える、歌い回しを覚えるという作業はすごく大事で、そこが疎かになってしまうと歌っていてもどこか雰囲気が合わなかったり、ちゃんとパーツがハマっていない感じが自分でもわかるんですよ。だから……今KEVINくんが褒めてくれましたけど、限りある時間の中でも1回1回デモをちゃんと聞き直しながらやらせてもらいました。
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プレッシャーもあるし、責任感も大きくなる