ナタリー PowerPush - BREAKERZ

ヴァンパイアの悲哀を歌った「RUSTY HEARTS」

3人でひとつの集合体

──ではここからはバンド全体のことについてもお伺いしていきたいと思います。BREAKERZはボーカルとツインギターという編成ですが、これはそもそもなぜなんだろうと思ってて。

DAIGO そうっすよね。

──リズム隊をメンバーとして迎えていないところにこだわりがあるのかなと思ったんですが、いかがですか?

DAIGO そこに関しては編成うんぬんというより、この3人だからやれているというほうが正しいです。例えばAKIHIDEさんとかSHINPEIがベースだったとしても、この3人でやってるだろうし。2人はプレイヤーとしてももちろんなんですけど、音楽に対する情熱やセンスにあふれた人間で。音楽を通じて3人でひとつの集合体になって突き進んでるって感じなんです。

──この3人がビシッと同じ方向を向いているからこそ、今の編成が活きていると。

DAIGO そうですね。ケンカになったこととかはないし、うん。お互い尊重しながらやってる感じはありますね。メンバー同士ぶつかり合うスタイルこそロックだと思う方もいらっしゃると思いますけど、俺たちのロックのスタイルはそうじゃないんです。

男性のお客さんは2%

──BREAKERZって、ライブに来るお客さんは圧倒的に女性が多いですし、ルックスの良さもあって「女性にモテるバンド」というパブリックイメージがあると思うんです。そこに自覚的な部分はありますか?

AKIHIDE(G)

DAIGO まあライブでは男性のお客さんは2%ですね(笑)。そこは認識してます。でも正直、女性が応援してくれるっていうのは男冥利に尽きるというか。元々そういう動機でバンドやってたりしますからね。男性ファンが増えてくれるのはもちろん喜ばしいですけど、俺は女性ファンのほうがうれしいです(笑)。

AKIHIDE 僕は男性がいたらうれしいですね。自分のギターをコピーしてる男の子がYouTubeに動画を上げてるのを観ると感動しますし。自分もキッズのときに好きなミュージシャンの演奏を真似したりしてたんで。

──なるほど。

AKIHIDE ただ、男性ファンが少ないからといって、自分が認められてないとか楽しくないっていう世界じゃないので。今のBREAKERZにはすごく充実感があるし、ここからがんばって続けていけば男性ファンも増えてくだろうし。自分たちの努力次第だと思いますね。

俺たちが一番輝いてるのはライブ

──DAIGOさんはタレントとしても活躍されてますが、あくまで本業はバンドマン?

DAIGO そうですね。人生で一番長く続けてることが音楽であり、バンドだったりするので。核は音楽というのは一生変わらないと思います。

──タレントとしての自分とバンドマンとしての自分を区別してますか?

DAIGO 区別っていうほど器用でもないんですけどね。タレント活動をやらせてもらった結果BREAKERZを知ってくださる方が増えたっていうのはすごくうれしいことだったし。あとは人を楽しませるって意味では、タレント活動も音楽活動もエンタテインメントだしね。どちらもエンタテインメントとして楽しんでもらえたらいいなと思ってます。

──DAIGOさんの芸能活動は、AKIHIDEさんとSHINPEIさんはチェックしてるんでしょうか。

SHINPEI(G)

SHINPEI そうですね、そこから得られるものもあるので。例えば、ウルトラマンの映画(DAIGOが主演を務めた「ウルトラマンサーガ」)を観たときに普段ステージで歌ってるDAIGOさんがこういう場に出てるっていうことに新鮮な印象を受けますし。2012年の武道館ライブのオープニングではウルトラマンが大フィーチャーされてたりして、バンドのエンタテインメントの要素のひとつにもなったので。ボーカリストがロック以外の場でも活動してるっていうのは、バンドの個性だと思ってます。

──では、ストイックにBREAKERZ一筋でやってほしいとは思わない?

SHINPEI はい。DAIGOさんの芸能活動がバンドの彩りを豊かにしていく側面もあると思うので。

──でもBREAKERZは作詞作曲やアレンジもメンバーが手がけていて音楽的には芯があるバンドなのに、DAIGOさんがタレント活動をしているというところで、“軟派なバンド”という誤解をされやすいんじゃないでしょうか。

AKIHIDE 自分たちは自分たちの音楽を信じてやっていて、BREAKERZがどういうバンドなのか判断してくださるのは皆さんですし。無理に取り繕って「僕たちは本物なんです」なんて言う必要はないと思うんで。ほんと自由に、好きなようにやってますけど、音楽も手は抜いてませんしね。

DAIGO 確かに俺がタレントとかやってることもあって、「タレントが趣味で音楽やってんじゃねーか」っていうイメージを持ってる方ももちろんいるとは思うんですけれども。BREAKERZが誰かにそう思われてることに対して、「いや俺たちはそうじゃないんだ」みたいなことを言うのはナンセンス。そこはね、ライブを観てもらえればわかると思います。やっぱり一番自信があるのは、俺たちが輝いてるのはライブなんで。音楽をやってる部分をもっと世間に見せていく必要性はありますけど、わかってくれる人が1週間に1人ずつくらいでも増えてくれればいいなと。

──万人に愛されたいという欲はないですか?

DAIGO 万人に愛される……うーん、万人に愛されてる人っていうのがね、そもそもいるのかどうかはまた難しい問題じゃないですか。すごい支持されてても、100%愛されてる方は世の中にいないんじゃないかなと思うんで。わかってくれる人1人ひとりの熱をもっと上げて、「BREAKERZっていいんだよ」っていうことを胸張って言ってもらえるようなバンドにならなきゃなと思ってます。

ニューシングル「RUSTY HEARTS」 / 2013年1月16日発売 ZAIN RECORDS
「RUSTY HEARTS」初回限定盤A[CD+DVD] 1680円 / ZACL-4040
「RUSTY HEARTS」初回限定盤B[CD+DVD] 1680円 / ZACL-4041
通常盤[CD] 1260円 / ZACL-4042
CD収録曲
  1. RUSTY HEARTS
  2. CHALLENGERZ
  3. 君の声が聴こえる ~Acoustic Version~
初回限定盤A DVD収録内容
  • 「RUSTY HEARTS」Music Clip+Music Clip Off Shot
初回限定盤B DVD収録内容
  • 「BREAKERZメンバー本音対談 ~heart to heart~ "DAIGO×AKIHIDE" "AKIHIDE×SHINPEI" "SHINPEI×DAIGO"」
ライブDVD「BREAKERZ LIVE 2012 “WISH 4U” in 日本武道館」 2012年12月26日発売 ZAIN RECORDS / 6500円 / ZABL-5014~15
Disc 1収録内容
  1. 脳内Survivor
  2. NO SEX NO LIFE
  3. Everlasting Luv
  4. DEAR LIAR
  5. BAMBINO ~バンビーノ~
  6. 絶対! I LOVE YOU
  7. THE TRAIN'S GONE…
  8. オーバーライト
  9. GO
  10. CLIMBER×CLIMBER
  11. スマイル 100%
  12. Miss Mystery
  13. REAL LOVE 2010
  14. BIG BANG!
  15. 灼熱
  16. DESTROY CRASHER
Disc 2収録内容
  1. EMILY Acoustic Version
  2. B.R.Z~明日への架橋~ Acoustic Version
  3. SUMMER PARTY
特典映像
  • WISH 4U オフショット映像
  • GO夜祭 ダイジェスト映像
BREAKERZ(ぶれいかーず)

2007年に結成された、DAIGO(Vo)、AKIHIDE(G)、SHINPEI(G)からなるロックバンド。2003年からDAIGO☆STARDUSTとしてソロ活動を続けてきたDAIGOが、自身の原点であるバンド活動を熱望したのが結成のきっかけ。2007年にアルバム「BREAKERZ」でデビューを果たして以降、精力的にリリースやライブ活動を行い、着実にファンを増やしていく。2009年には日本武道館での単独公演を開催。その後武道館公演は毎年恒例イベントとして定着する。2012年10月、デビュー5周年を総括するベストアルバム「BREAKERZ BEST~SINGLE COLLECTION~」を発表。2013年1月には14枚目のシングル「RUSTY HEARTS」をリリースする。