音楽ナタリー Power Push - Bowline 2015 curated by クリープハイプ & TOWER RECORDS

尾崎世界観が04 Limited Sazabysに賭けた理由

1週間くらい泊めたい

──せっかくの機会なので、お互いの好きなところを教えてください。

尾崎 見た目がかわいらしいですよね。1週間くらい家に泊めたいです(笑)。

GEN(04 Limited Sazabys)

GEN いいんですか? 住みたい(笑)。まさかビジュアルを褒めていただけるとは。

尾崎 ははは(笑)。気持ちよさそうに歌を歌うなって思って。聴いてて気分がよくなるというか。自分はけっこう歌うということに対して、ネガティブな感情を持ってて。それもいい意味でリスナーに届いてるところだと思うんですけど。歌うことを苦しいと思ってるので、あれだけ気持ちよさそうに歌えたらいいだろうなっていう憧れがあります。

GEN ありがとうございます。この間ちょうどMy Hair is Badの椎木(知仁 / G, Vo)に「どうやって歌ってるんですか? 練習とかしてますか?」って聞かれて、 そういえば僕練習とかしたことないなって思って。自分のやり方しかわからないので、自分が気持ちいい歌い方をしてるだけだと思うんですよ。ボイストレーニングとかもやったことないので、練習って言っても何していいかわからないんです。あと発音をうまくするとか、上手に歌うっていうよりは、できるだけ自分の癖を出したいなと。

尾崎 ああ。ちょっと日本人っぽくない感じがするかも。あとメロディへの言葉の乗せ方もうまいなと。感覚でできてるんだろうなって思います。

GEN クリープハイプはとにかく歌詞がいいですよね。表現が見事だなって思います。僕、昔は英語で歌ってて、日本語の曲を書こうと思ったとき、まず尾崎さんの歌詞を読みました。で、「なるほど、こういう書き方があるのか」って学んだ。初めの2、3行でなんとなくその状況がわかるようにして、みたいな。クリープに影響されて出てきた単語とかもたくさんあると思います。

尾崎世界観(クリープハイプ)

尾崎 ありがとうございます。英語で書いてるときはどうやって歌詞を書いてたんですか?

GEN 先に日本語を書いて、それを英語に訳していくって感じでした。でもそのときは先輩を真似したような歌詞しか書けなかったんです。日本語になってから自分の中身を出せるようになった気がします。

尾崎 言葉の響きが、日本語なんだけどちょっと独特というか。英語っぽく聞こえていいですよね。メロディが自然に入ってくる。

GEN サザンオールスターズとかも聴いて、日本語なのに英語っぽく聞こえる部分がいいなって思ってたんで、うれしいです。もともとメロディ先行で英語詞を考えてたんで、今も思い付くのは英語詞が合うようなメロが多くて。そこに日本語をはめていくんです。その中で韻を踏んだりするようになっていきました。

尾崎 メロディとかリズム重視で踏んでいくっていう感じなんですね。

GEN 譜割りの切りどころを意識して韻を踏む感じです。

尾崎 韻の踏み方が僕とは逆ですね。僕は言葉を強く出すことを意識していて。真逆で面白いですね。でも最近は「あ、まだ踏んでないぞ、踏まなきゃ」みたいに癖になってるところもあるかもしれないです。

曲作りは苦しい

──お互いの曲で特に好きな曲はなんですか?

尾崎 僕は最初に聴いた「swim」が印象に残ってますね。あれを聴いてタワレコでCDを買ったけど、「swim」より前のアルバムであの曲が入ってなかったです(笑)。

GEN ええー。買ってくれたんですか。うれしい。僕が一番いい曲だなあって思ったのは「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」。あれはもろに歌詞を参考にさせてもらったんですよ。最初の3行くらいで状況を描いて、サビは2番も一緒で、わかりやすいっていう。

──尾崎さんはどういうときに曲を書いてるんですか?

尾崎 いつもベッドに寝っ転がって書いてます。ちっちゃいギターを持って。そのまま寝てしまってベッドからギターが落ちて、でかい音が鳴って起きたりします(笑)。

GEN 僕も寝ながら書くことが多いかも。横になってるっていうよりは、半分寝る寸前みたいなときのほうが曲を思い付く気がします。半分夢を見てるようなときに「頭の隅っこになんかおる!」って感じがするんです。そのあと、歌詞に関連した夢を見たりします。

尾崎 半分夢の中みたいな感じするもんなー。いい状態で作ってそうな。

──尾崎さんは曲作るときも苦しいんですか?

尾崎 苦しいです、ずっと。おなか痛くてトイレ行ってるときみたいな感じです。でも出たら気持ちいい。

GEN ああ。

左から尾崎世界観(クリープハイプ)、GEN(04 Limited Sazabys)。

尾崎 気持ちいいって言ってもマイナスの状態から抜け出しただけなんですけど。でもそういうのに慣れてるというか。なんでも、苦しいとかつらいっていう状態から、ちょっと状況が変わる瞬間に喜びを感じるんですよね。まずマイナスのところへいくのが癖になってるのかも。だからGENくんは自分とは対照的な作り方してるんだろうなって、曲聴いたときになんとなく感じました。それを表現しているときも楽しそうにやってるから、だから憧れたんだろうなあ。銀杏BOYZとかはたぶんそれと対極で、自分よりももっと苦しんでるんだろうなって。どっちもいいなと思います。僕も本当だったらフォーリミみたいにやりたいなって思いますね。

GEN でも僕も制作中はすごい体調悪くなりますよ。精神的にもよくないと思います。電話とかも出たくないし、ダメになっちゃいますね。体も心もボロボロの状態で。

──その状態で、あれだけ明るい曲ができるんですか?

尾崎 曲に吸い取られてるんじゃない?

GEN そうなのかも。みんな明るいと思って、僕らに元気を求めてきてくれてると思うんですけど、実はどんどん吸われてる。干からびそうです(笑)。

尾崎 フォーリミはほかのメンバーが歌ったりもしますよね?

GEN そうですね。多少。

尾崎 クリープハイプもそうだから、そこも一緒だ。ちょっとアクセントでほかのメンバーの声を入れるところも。

Bowline 2015

Bowline 2015 ライブレポート公開中

TOWER RECORDS presents Bowline 2015 curated by Dragon Ash & TOWER RECORDS

2015年9月26日(土)

千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
OPEN 9:30 / START 11:00

出演者

Dragon Ash / AIR SWELL / Xmas Eileen / group_inou / the telephones / 四星球 / SUPER SONICS / SPECIAL OTHERS / 10-FEET / TOTALFAT / MAN WITH A MISSION / 山嵐 / ROTTENGRAFFTY / wrong city(オープニングアクト)

Dragon Ash メンバーインタビュー 公開中

TOWER RECORDS presents Bowline 2015 curated by クリープハイプ & TOWER RECORDS

2015年9月27日(日)

千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
OPEN 10:30 / START 12:00

出演者

クリープハイプ / indigo la End / きのこ帝国 / 銀杏BOYZ / 私立恵比寿中学 / ストレイテナー / 東京スカパラダイスオーケストラ / 04 Limited Sazabys / フジファブリック / BLUE ENCOUNT / miwa / go!go!vanillas(Warning Act)

TOWER RECORDS presents Bowline 2015 curated by HEY-SMITH & TOWER RECORDS

2015年10月12日(月・祝)

大阪府 Zepp Namba
OPEN 12:30 / START 13:30

出演者

HEY-SMITH / グッドモーニングアメリカ / DUB 4 REASON / PUFFY / POTSHOT / LIFE IS GROOVE / and more

クリープハイプ
クリープハイプ

尾崎世界観(Vo, G)、長谷川カオナシ(B)、小川幸慈(G)、小泉拓(Dr)からなる4人組バンド。2001年に結成し、2009年に現メンバーで活動を開始する。2012年4月にアルバム「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」をメジャーレーベルからリリースし、同年10月に発表した1stシングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」がオリコンCDシングル週間ランキングで初週7位にランクイン。2013年5月の3rdシングル「憂、燦々(ゆう、さんさん)」は資生堂「アネッサ」のCMソングに採用された。2014年12月に3rdアルバム「一つになれないなら、せめて二つだけでいよう」をリリースした。2015年9月には明星「一平ちゃん 夜店の焼そば」のテレビCM曲「リバーシブルー」を含むシングルを発表する。

04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
04 Limited Sazabys

2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、楽曲の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなどさまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」発売を経て、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。2015年4月に1stフルアルバム「CAVU」を日本コロムビアから発売し、メジャーデビューを果たした。GENのハイトーンボイス、キャッチーなサウンド、ユニークな歌詞で人気を集めている。


2015年10月8日更新