スペースシャワーTVを中心に、今後の音楽シーンを担うアーティストを紹介するプロジェクト「BOOM BOOM BOOM」。「何曲しってる? 次のブームをつくるオト」をテーマにしたマンスリープレイリストを中心に、プレイリストに選曲されたアーティストをゲストに招く生配信番組「BOOM BOOM BOOM ch.」、新人アーティスト応援企画「STARTERS MATCH」、オムニバスイベント「BOOM BOOM BOOM LIVE」の4つを軸にしたこのプロジェクトは、次世代のアーティストをいち早くチェックできると音楽ファンの間で注目されている。
音楽ナタリーでは、「BOOM BOOM BOOM ch.」のVJを務める俳優の小関裕太と、プレイリスト制作を中心に「BOOM BOOM BOOM」を担当するスペースシャワーの金子氏にインタビュー。「BOOM BOOM BOOM」の魅力を語ってもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 須田卓馬
「BOOM BOOM BOOM」とは
スペースシャワーTVを中心に各種音楽ストリーミングサービス、uP!!!、第一興商などがタッグを組み、新人アーティストに特化したヒットの創出を目指すプロジェクト。主に4つの取り組みを行っている。
BOOM BOOM BOOMプレイリスト
スペースシャワーTVの視点で選曲されるマンスリープレイリスト。選曲タイミングで配信されている新人アーティストの楽曲すべてを対象にひと月20~25曲ほどがセレクトされ、Apple Music、Amazon Music、AWA、うたパス、KKBOX、Spotify、SMART USEN、dヒッツ、YouTube Music、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusicという12のストリーミングサービスで展開される。
BOOM BOOM BOOM ch.
BOOM BOOM BOOMプレイリストやプレイリストでレコメンドしたアーティストを紹介するYouTube生配信番組。小関裕太がVJを務め、ゲストアーティストとトークを繰り広げる。番組の内容は生配信後にスペースシャワーTVで放送されるほか、各種ストリーミングサービスで配信される。
STARTERS MATCH
今後の音楽シーンを先取りできる必聴プレイリスト「BOOM BOOM BOOM」が発信する新人アーティスト応援企画。ノミネートアーティストの楽曲で構成したプレイリストが12の音楽ストリーミングサービス内にて展開され、約1カ月間のエントリー楽曲2曲の合計再生回数と第一興商が展開する通信カラオケDAMのカラオケ歌唱ポイントが多い上位3組がライブイベントに出演できる。
BOOM BOOM BOOM LIVE
「STARTERS MATCH」の上位3組と、ゲストアーティスト数組が出演するライブイベント。2020年10月に行われた第1回には神はサイコロを振らない、yonawo、kobore、SKY-HI、XIIXの5組が登場した(参照:SKY-HI、XIIX、神サイ、yonawo、koboreがライブハウスでつないだ白熱パフォーマンス)。4月27日に無料配信される第2回には、Creepy Nuts、DISH//、KALMA、マルシィ、the shes goneが登場。視聴方法についてはオフィシャルサイトで確認を。
サザン、TUBE、ドリカムをルーツに持つVJ
──小関さんは注目アーティストを紹介するYouTube番組「BOOM BOOM BOOM ch.」のVJを担当されていますね。
小関裕太 インタビュアー、司会としてアーティストの言葉を引き出して、楽曲のよさをお伝えするのが僕の役割なんですけど、すごく楽しませてもらっています。司会やインタビューは実は苦手な分野なんですが(笑)、回を重ねるごとにちょっとは成長できているのかなと思っています。
──小関さん自身はもともとどんな音楽が好きなんですか?
小関 父親がサザンオールスターズやTUBE、母親がDREAMS COME TRUEのファンで、よく車の中でかかっていたんですよ。小さい頃からずっと聴いていたのでサザン、TUBE、ドリカムが原点になってるところはありますね。さらに遡って、加山雄三さんの曲や、寺尾聡さんの「ルビーの指環」なんかも好きで。昭和から平成前半の歌謡曲もかなり聴いてきました。
──小関さんの世代よりもかなり大人っぽい趣味ですね。洋楽はどうですか?
小関 洋楽の原点はスティーヴィー・ワンダーですね。スティーヴィー・ワンダーを知ったのは、中2のときで。ちょうどYouTubeが普及し始めた頃なんですけど、もともと好きだったビリー・ジョエルの関連動画を観ていたら、「We Are the World」の動画が出てきて。こうやって(と体を揺らす)高い声で歌ってたのがスティーヴィー・ワンダーだったんです。あとはR&Bやジャズなども好きですね。ラップやハード系のバンドはあまり触れてなかったから、「BOOM BOOM BOOM」のプレイリストでいろいろなジャンルの曲を知れるのもうれしくて。
ストーリーと季節を感じるプレイリスト
──「BOOM BOOM BOOM」のプレイリストで聴いて好きになった曲もありますか?
小関 たくさんありますね。「TikTokでよく耳にしていたけど、このアーティストが歌ってたのか」ということもあって。YOASOBIの「たぶん」「群青」、優里さんの「ピーターパン」などもそうです。chelmicoの「Disco(Bad dance doesn't matter)」にもハマって、一時期ずっと聴いてました。ミュージックビデオも素敵なんですよ。鏡を使った映像で、画角もすごく特徴的で。
金子 音楽の聴かれ方はどんどん変わってきているし、TikTok発で話題になる曲も増えているので、できるだけピックアップするようにしています。そのうえで自分たちが推したい曲、知ってほしいアーティストとのバランスも考えながらプレイリストを選曲することが多いですね。Ado、yama、泣き虫など、顔出ししていないアーティストも、メディアとしてしっかり後押ししたいという気持ちもあります。souzoucityの「愛語りな一手」、(夜と)SAMPOの「BACK MY WORD」などは私たちからの“提案”というところもありますね。
小関 プレイリストは月1で更新されるんですが、毎月すごく楽しみで。3月のプレイリストもよかったです。2曲目にSiipの「2」、9曲目に泣き虫の「9」が入ってたり、遊び心もあって。
金子 小関さんはこんなふうにいつも感想をくれるんですよ。私たちも流れを意識して曲順を決めているので、そこをしっかり汲み取ってくれるのは本当にうれしくて。SNSで発信してもらえるのもありがたいです。
小関 いえいえ(笑)。プレイリストの曲順を決めるのって、アルバムの構成を作るのに似ていると思うんです。高橋優さんやナオト・インティライミさんと仲よくさせてもらってるんですが、アルバムの曲順や曲間のこだわりを聞かせてもらうこともあって。「最後の曲の前に30秒余白があるんだけど、意図してやってるんだよね」とか。そういう工夫を重ねることでアルバムに物語性が出るし、作品の充実感も増す。「BOOM BOOM BOOM」のプレイリストにもストーリーを感じるし、スタッフの皆さんがインスタなどでその月のテーマや曲の紹介もしているんです。季節感が感じられるのもよくて。4月のプレイリストは“ここからスタート”という雰囲気もあるので、ぜひ聴いてみてほしいです。
──次の音楽シーンを担う楽曲をまとめてチェックできるプレイリストですよね。新しい世代のアーティストの作品に触れて、小関さんはどんなことを感じてますか?
小関 今の若いアーティストの皆さんはいろんなジャンルの音楽を聴き込んだうえで、自分たちの曲として表現している印象があって。幅広い要素、たくさんのサウンドの色が混ざっているのが特徴なのかなと思いますね。
金子 SNSやYouTubeの弾き語りで注目されるアーティストもどんどん増えているし、私たちも追い付くのが大変で。いち早くチェックして、皆さんに楽しんでもらえるプレイリストにしていきたいです。
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