ナタリー PowerPush - THE BOHEMIANS
ビッグマウスな新世代「ロックンロールアイドル」デビュー
レコーディングしてる感じがヒロトとマーシーそのものって言われた
平田 レコーディング、超楽しかったんですよ。まともなレコーディング自体、初めてだったし。ロビーにテレビがあって、スペシャとか見まくったから、最近の音楽にかなり詳しくなりました。
本間 なんの話だよ。
平田 あとは、試し録りですよね。
星川 プリプロね。
平田 あれはすげえいい。
りょう いいよね。まだ最終のレコーディングじゃないから、いろいろ確認できて。
──レコーディングエンジニアは山口州治さんだしね。
平田 そうですね。あと、楽器テックで 山本シャブさん(山本潔)と一緒にやれたのも良かったですね。マーシーさんやヒロトさん、清志郎さんとも仕事してた人で、ライブのときに清志郎さんにマントをかける人なんですけど。ギターアンプの設定をマーシーさんと同じにしてもらったら、音が超デカかったり。レコーディングの最終日に山本さんにもギターを弾いてもらって、ザ・クロマニヨンズの「クロマニヨン・ストンプ」とかTHE HIGH-LOWSの「ガタガタゴー」をセッションしたんですよ。
りょう それがいちばんいい出来だった(笑)。
星川 面白かったですね。「クロマニヨンズも、全部こんな感じで一発録りしてる」とか教えてもらったり。
平田 俺らがガハハハ笑ったり、ふざけながらレコーディングしてる感じって、ヒロトさんとマーシーさんそのものらしいですよ。清志郎さんのレコーディングの雰囲気にも似てるって言われたし。これ、超イイ話ですよ(笑)。
星川 ただカッコよくするんじゃなくて、「アホっぽくしたい」っていうところが似てるらしいです。
本間 笑える感じがいい、っていう。
平田 逆に心配されましたからね、山本さんに。メジャー1stアルバムで、こんなにふざけてていいの? って。それくらい楽しかったってことですよ。全部地震の前に録った曲だから、超能天気なんですよね。
ロックで成功したら、6歳の頃の願望を全部叶えたい
──アルバムの最後に入ってる「5人の若者劇場『タイムマシーン秘話』」なんて、ふざけまくりですからね。でも、この発想はすごく面白いと思います。成功してる未来の自分が、現在の自分にアドバイスしにくるっていう。
平田 願望の歌っていうか、そういうことしか考えてないですから。タイムマシン系のことばっかりですよ、ホントに。今の力のままで4歳くらいに戻ったら、絶対、中国拳法やるのになとか。
本間 なんだそりゃ。
平田 すげえカッコいいよ、中国拳法。強いし。ロックンローラーとかバンドマンの悪いところって、肉体的に弱いところだと思うんですよ。だから変に攻撃的になるし、社会人としてクソなんですよね。もっと優しくあろうとするべきですよ、バンドマンは。俺はバンドマンじゃないですけどね。
──タイムマシンの話の続きですけど、「僕はビートルズ」っていうマンガがあるでしょ?
平田 あ、一応、毎週読んでます。
──ああいうことって、想像したことなかった? 例えばSEX PISTOLSがデビューする前にタイムスリップして、自分がパンクを流行らせるとか。
平田 それをやるためには、ギターとかやらなくちゃいけないじゃないですか。それがめんどくさいですね。全く覚える気がないですから、ギターなんて。細かいし、繊細だし、よくあんなもん弾いてるなって。
りょう (笑)。
平田 弦を張り替えるのだって、ありえないでしょ。怖いもん。弦が切れて、目に刺さったりしたら。そうだな、やるとしたらドラムですね。ドラムが叩けたら、最強でしょ。あとはバスケ選手かな。
本間 だからなんの話だよ。
──(笑)。まあ、なんと言ってもアルバムのタイトルが「憧れられたい」ですからね。これまで想像してきた、憧れられまくりのロックストーリーがついに現実になるわけですよね?
平田 そのとおりですね。だって、憧れられてないのが不思議じゃない?
りょう え?
平田 高校時代とか、「なんで俺の高校生活は、こんなにつまんねえんだ?」って思ってなかった? 俺ほどの男の人生が、なんでこんなにも彩られてないのかって。
りょう ああ、それはわかる。
平田 そういうことだよ。憧れられたら、それを糧にどんどん行けますよ。褒められて伸びるタイプだから。
──ちなみに、ロックミュージシャンとしての成功のイメージって、どんな感じですか? 女優と付き合ったり?
チバ いいですね。あと、外車乗り回したりとか。そういうステレオタイプなことをやってみたい。
平田 俺は別にいい。それよりも6歳の頃の願望を全部叶えたいかな。うまいもん食うとか、ずっと耳かきしてもらうとか。たぶんね、バンドとして成功って、ずっと家で寝続けることだと思うんですよ。
りょう いいね。家から一歩も出ないで、YouTubeばっかりやって。たまにコーヒー買いに行ったりとか。
星川 それ、今もやってるでしょ(笑)。
──アルバムのリリース後は、ツアーもありますが。
平田 オトナの人たちが準備してくれるっていうのがいいですね。用意してもらわないと、自分からは何もやらないので。人生の大きい目標はいくらでもあるんですけど、細かい目標はぜんぜんないんですよ。だって、マンガ読んだり、映画観てるほうが楽しいじゃないですか。
りょう (笑)。ホテルに泊まれるっていうのがいいですね。
──車中泊とかじゃなくてね。
星川 ずっと劣悪な環境でやってましたからね。もちろん、ライブは楽しみですけど。
りょう ライブハウス慣れしてない人にも来てほしいです。
平田 いいね。慣れてる奴らは、遊び方を限定しちゃうから。
本間 ただ、運転する人がこの人(平田)と僕だけなんですよ。
平田 もっと売れたら、運転しなくてもいいんじゃない? なので、よろしくお願いします。良く書いておいてください(笑)。
CD収録曲
- メイビリーン
- 夢と理想のフェスティバルに行きたい
- パーフェクトライフ
- ガール女モーターサイクル
- THE ROBELETS
- Goodmusictime!!
- 太陽ロールバンド
- 私のシンフォニー
- 王国の謎
- 憧れられたい
- FaFaFa (素敵じゃないか)
- 五人の若者劇場『タイムマシーン秘話』
THE BOHEMIANS(ぼへみあんず)
妖艶でグラマラスなルックスと、UKロックの系譜に連なるポップな楽曲、荒々しくも骨太なバンドサウンドで人気を拡大中の「ロックンロールアイドル」。同じ大学で同じ学科だった平田ぱんだ(Vo)とビートりょう(G)によって2004年に結成される。その後、本間ドミノ先生(Key)を迎えて山形と仙台のライブハウスを中心に活動を開始。大学卒業後に東京へと拠点を移し、星川ドントレットミーダウン(B)とチバ・オライリー(と無法の世界)a.k.a ジャン(Dr)が参加して現在のメンバーとなる。2011年にフォーライフよりメジャーデビューアルバム「憧れられたい」をリリースする。