2000年8月25日に「ID;Peace B」をリリースし、韓国でデビューを果たしたBoA。当時13歳(韓国年齢15歳)だったBoAはそれから1年を待たず、2001年5月30日に日本でもデビューした。彼女の日本デビュー20周年を記念した特集第1弾では、BoAの歌手としてのキャリアを年表とコラムで振り返り。韓国と日本をつなぐ歌姫の活躍と彼女が残してきたものを、日韓の音楽の歴史とともに紹介する。
文 / 宮崎敬太
BoA
K-POP
J-POP
1986
(日本年齢:0 / 韓国の数え年:1)
- 11月5日にBoAが大韓民国・京畿道で誕生
1987
(日本年齢:1 / 韓国の数え年:2)
- 韓国初のボーイズグループ・ソバンチャがデビュー
- THE BLUE HEARTSが1stアルバム「THE BLUE HEARTS」をリリース
1989
(日本年齢:3 / 韓国の数え年:4)
- イ・スマンがSM ENTERTAINMENTの前身となるSM企画を2月14日に設立
- フリッパーズ・ギターが1stアルバム「Three cheers for our side~海へ行くつもりじゃなかった」をリリース
1992
(日本年齢:6 / 韓国の数え年:7)
- ソテジワアイドゥルがデビュー
1993
(日本年齢:7 / 韓国の数え年:8)
- 小室哲哉プロデュースによるダンス&ボーカルグループ・trfがデビュー
1994
(日本年齢:8 / 韓国の数え年:9)
- Mr.Childrenが5thシングル「innocent world」をリリース
- 小沢健二が2ndアルバム「LIFE」をリリース
1995
(日本年齢:9 / 韓国の数え年:10)
- SM企画が株式会社として登録され、SM ENTERTAINMENTに社名を変更
- スピッツが11thシングル「ロビンソン」リリース。その後、ミリオンセラーを達成。
1996
(日本年齢:10 / 韓国の数え年:11)
- H.O.T.がSMからデビュー
- 元ソテジワアイドゥルのヤン・ヒョンソクがYG ENTERTAINMENTの前身会社・ヒョン企画を設立
- SPEEDがシングル「Body & Soul」でデビュー
1997
(日本年齢:11 / 韓国の数え年:12)
- ガールズグループ・S.E.S.がSMからデビュー
- パク・ジニョンがJYP ENTERTAINMENTの前身会社・テホン企画を設立
- 安室奈美恵が9thシングル「CAN YOU CELEBRATE?」をリリース。ダブルミリオンを記録
- 「FUJI ROCK FESTIVAL」初開催
1998
(日本年齢:12 / 韓国の数え年:13)
- SM ENTERTAINMENTにスカウトされ練習生になる
- godが1集「Chapter1」をリリース
- 神話がSMからデビュー
- 椎名林檎が1stアルバム「無罪モラトリアム」をリリース
1999
(日本年齢:13 / 韓国の数え年:14)
- 嵐がデビュー
- 宇多田ヒカルが1stアルバム「First Love」をリリース
- モーニング娘。が7thシングル「LOVEマシーン」をリリース。自身初のミリオンを達成
1986~2000
BoAは1986年11月5日に大韓民国(韓国)の京畿道で生まれた。彼女がのちに所属する音楽事務所・SM ENTERTAINMENTの前身となるSM企画が発足したのは1989年。その3年後の1992年にK-POPの元祖と言われているアイドルグループ・ソテジワアイドゥルが誕生する。SM企画発足を経て迎えた1990年代はK-POP前夜の10年と言えるだろう。
BoA
K-POP
J-POP
2001
(日本年齢:15 / 韓国の数え年:16)
- 韓国1.5集「Don't start now - Jumping into the World」を3月5日にリリース
- 日本1stシングル「ID;Peace B」で5月30日に日本デビュー
- 日本2ndシングル「Amazing Kiss」を7月25日にリリース
- 12月5日発売の日本3rdシングル「気持ちはつたわる」が本人出演のロッテ「エアレ」CMとタイアップ
- 倖田來未とのコラボチャリティシングル「the meaning of peace」を12月19日にリリース
- テホン企画がJYP ENTERTAINMENTに社名変更
- BUMP OF CHICKENが2ndシングル「天体観測」リリース
- J Soul Brothersを前身にEXILEが活動を開始
2002
(日本年齢:16 / 韓国の数え年:17)
- 1月17日発売の日本4thシングル「LISTEN TO MY HEART」が本人出演のau「cdmaOne C5001T」CMとタイアップ
- 日本1stアルバム「LISTEN TO MY HEART」を3月13日にリリース。オリコン週間アルバムランキング初登場1位
- 日本5thシングル「Every Heart -ミンナノキモチ-」を3月13日にリリース
- 韓国2集「No.1」を4月12日にリリース
- 5月7日に韓国の高校検定試験に合格
- 日本6thシングル「Don't start now」を5月29日にリリース
- 大沢伸一らが参加した1st日本アルバムのリミックス盤「Peace B.REMIXES」を8月7日にリリース
- 日本7thシングル「VALENTI」を8月28日にリリース
- 日本8thシングル「奇蹟 / NO.1」を9月19日にリリース。カップリング曲「flower」は本人出演のロッテ「マカダミアチョコレート」CMとタイアップ
- 韓国2.5集「MIRACLE」(日本語曲を韓国語でセルフリメイクした作品)を9月30日にリリース
- 日本9thシングル「JEWEL SONG / BESIDE YOU -僕を呼ぶ声-」を12月11日にリリース
- 11月29日に「Mnet映像音楽大賞」で最高人気ミュージックビデオ賞とダンス部門最高ミュージックビデオ賞受賞
- 12月6日に「第13回ソウル歌謡大賞」で大賞受賞
- 12月28日にKMTV「2002 Korea Music Awards」で本賞とモバイルミュージック賞受賞
- 12月31日に「第53回NHK紅白歌合戦」に初出場し、「VALENTI」を歌唱
- 12月31日にMBC「10大歌手歌謡祭」で本賞受賞
- Rainが1集「N001」でJYPからデビュー
- 宇多田ヒカルが10thシングル「光」をリリース
2003
(日本年齢:17 / 韓国の数え年:18)
- 日本2ndアルバム「VALENTI」を1月29日にリリース。オリコン週間アルバムランキング1位
- 初の日本ツアー「BoA 1st LIVE TOUR 2003 VALENTI」を3月27日から4月6日まで開催。3カ所6公演実施
- 韓国3集「Atlantis Princess」を5月30日にリリース
- 日本10thシングル「Shine We Are! / Earthsong」を5月14日にリリース。「Shine We Are!」はカルピス「カルピスウォーター」、「Earthsong」はホンダ「COME COME Honda Fair」と、ともに本人が出演するCMとタイアップ
- 6月7日に小泉純一郎首相主催の「ノ・ムヒョン韓国大統領夫妻歓迎晩餐会(外務省飯倉公館)」に出席。2曲歌唱
- 日本11thシングル「DOUBLE」を10月22日にリリース。表題曲はホンダ「COME COME Honda Fair」CM 、収録曲「Midnight Parade」はロッテ「マカダミアチョコレート」CMとタイアップ。ともに本人出演
- 12月3日にリリースした日本12thシングル「Rock With You」が本人が出演するau「CDMA 1X A5501T」CMとタイアップ
- 韓国3.5集「SHINE WE ARE」を12月3日にリリース
- 12月31日に「DOUBLE」で「第45回日本レコード大賞」の金賞を受賞
- 12月31日に「第54回NHK紅白歌合戦」で「DOUBLE」歌唱
- SE7ENが1集「JUST LISTEN」でYGからデビュー
- SMAPが35thシングル「世界に一つだけの花」リリース
2004
(日本年齢:18 / 韓国の数え年:19)
- 日本3rdアルバム「LOVE & HONESTY」を1月15日にリリース。オリコン週間アルバムランキング初登場1位
- 日本13thシングル「Be the one」を2月11日にリリース
- 3月20日から4月18日まで日本でアリーナツアー「BoA LIVE TOUR 2004 LOVE&HONESTY」を開催。5カ所9公演を実施
- 韓国4集「My Name」を6月11日にリリース
- 日本14thシングル「QUINCY / コノヨノシルシ」を9月1日にリリース。「QUINCY」はコーセー「Fasio」CM、「コノヨノシルシ」はカルピス「アミノカルピス」CMとタイアップ。ともに本人出演
- 日本15thシングル「メリクリ」を12月1日にリリース。表題曲は東芝「W21T」CM 、収録曲「MEGA STEP」はアキレス「SKECHERS」CMとタイアップ。ともに本人出演
- 12月5日に「Mnet KM Music Video Festival」(のちの「MAMA」)で「My Name」が最優秀作品賞を受賞。VERBAL(m-flo)と「the Love Bug」を歌唱
- 12月31日に「QUINCY」で「第46回日本レコード大賞」の金賞受賞
- 12月31日に「第55回NHK紅白歌合戦」で「QUINCY」歌唱
- 東方神起がシングル「HUG」でSMからデビュー
- 松平健「マツケンサンバII」が大ヒット
2005
(日本年齢:19 / 韓国の数え年:20)
- 日本活動のベストアルバム「BEST OF SOUL」を2月2日にリリース。オリコン週間アルバムランキング1位
- 日本16thシングル「DO THE MOTION」を3月30日にリリース。表題曲はコーセー「Fasio」CM、収録曲「With U」はユニリーバ・ジャパン「リプトン リーフィン」CMとタイアップ。ともに本人出演
- 4月に日本でアリーナツアー「BoA ARENA TOUR 2005 BEST OF SOUL」を開催。4カ所8公演を実施
- 韓国5集「Girls On Top」を6月24日にリリース
- 8月31日発売の日本17thシングル「make a secret」が本人出演のコーセー「Fasio」CMとタイアップ
- 日本18thシングル「抱きしめる」を11月23日にリリース
- 12月31日に「第56回NHK紅白歌合戦」で「抱きしめる」歌唱
- SS501がシングル「警告/ 경고」でDSP ENTERTAINMENTからデビュー
- SUPER JUNIORが1集「Super Junior05」(Super Junior05名義)でデビュー
- 作曲家のパン・シヒョクがJYPから独立してBig Hit Entertainment(現:HYBE)を設立
- 亀梨和也&山下智久が修二と彰名義でシングル「青春アミーゴ」をリリース
2001~2005
BoAは、2年の練習生期間を経て、2000年に1集(アルバム)「ID;Peace B」で韓国デビューした。この頃の楽曲を今聴くと、まず声の幼さに驚く。それも当然。何せまだ13歳(韓国の数え年で15歳)だ。韓国と日本をつなぐプリンセスが誕生した瞬間だった。このアルバムではDestiny's Childなど2000年代初期のUS R&Bから影響を受けたであろう楽曲と、韓国独自の歌謡曲的な楽曲が混在しており、この段階でK-POPのビビンバ的ミックス感覚はすでに始まっていたと言える。
BoAが日韓で快進撃を始めるのはサッカーワールドカップが共催された2002年。まず日本でauの携帯電話「cdmaOne C5001T」のCMに出演。タイアップ曲「LISTEN TO MY HEART」もヒットした。続く日本1stアルバム「LISTEN TO MY HEART」はオリコン週間アルバムランキング初登場1位を獲得。韓国でもすぐに2集「No.1」を発表した。その後も日本で「VALENTI」「メリクリ」など4枚のシングルを、韓国ではミニアルバムもリリース。大車輪の活躍で、韓国では各種の音楽賞を受賞し、日本では「第53回NHK紅白歌合戦」に初出場した。なおBoAは初出場した2002年から2007年まで6年連続で「NHK紅白歌合戦」に出場している。
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2006~2010、2011~2015、2016~現在
2022年5月27日更新