BiSHがメジャー2ndフルアルバム「THE GUERRiLLA BiSH」をリリースした。「ゲリラ」と題したタイトルにふさわしく、彼女たちは正式発売前の11月4日と5日にタワーレコード全店でアートワークなしのCDを2日間限定299円で販売。その後iTunes Storeでは1日限定300円での配信リリースも決行し、オリコンCDデイリーランキングとiTunes総合アルバムチャートで堂々1位を獲得した。
彼女たちが持つパンキッシュなイメージはそのままに、音楽性の幅を大きく広げてグループの新たな姿を提示した「THE GUERRiLLA BiSH」。アルバムの成り立ちやメンバー自身が担当する歌詞の世界について、BiSHの6人に話を聞いた。
取材・文 / 大山卓也 撮影 / 草場雄介
チバユウスケを意識して
──ニューアルバム「THE GUERRiLLA BiSH」を聴いて、曲調の多彩さとスケール感のあるサウンドに驚きました。「楽器を持たないパンクバンド」という従来のイメージを超えて、BiSHの新たな一面を切り拓くアルバムになりましたね。
セントチヒロ・チッチ はい、今回はシャッフルビートの曲に挑戦したりシャウトし続ける曲もあったりして、メンバーの個性がより強く出たアルバムになったなって思います。歌割りとかも新しい感じだし。
──具体的には?
チッチ ちょっと前から、サビをアイナとチッチだけじゃなくほかのメンバーも歌うようになってきて、今回のアルバムでは落ちサビでモモコが力強く歌ったりする曲もあって、そういうの今までなかったから新しいなって。歌詞に関しても6人全員が作詞を担当してるから、1人ひとりの人間味がすごく出てて面白いなと思います。
モモコグミカンパニー ほかのメンバーの歌詞を見ると、幕張メッセ(2017年7月公演)が終わってから1人ひとりがどういう気持ちでいたのかわかる言葉がたくさん入ってて。曲調もいろいろで、ホントに新しいBiSHだなって思います。
──なるほど。アユニさんは今回のアルバムについてどうですか?
アユニ・D 変わったなって思います。
──どのあたりが?
アユニ なんか私の歌い方とか、今聴いたらBiSHに入ったばっかりの頃はけっこう棒読みだなって感じる。今回はけっこういろんな新しい歌い方したりして、感情を出せるようになったと思います。
──新しい歌い方をしたのは例えばどの曲でしょう?
アユニ 「SMACK baby SMACK」っていう曲ではチバさん? THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケさんを意識して歌ってる。
──ああ、言われてみればそんな感じがします。
アユニ 松隈(ケンタ / サウンドプロデューサー)さんがアイナちゃんにそういうふうに指示してて、それを「アユニもやってみて」みたいな。
──やってみてどうでした?
アユニ アイナちゃんはカッコいいのに、私はなんか生意気な小学生が歌ってるみたいになった。「子供ががんばって歌ってるみたい」って言われました(笑)。
もっと歌心を磨きたい
──歌い方に関してはメンバーそれぞれ新しい挑戦があったようですね。
リンリン 今回はシャウトが多かったです。初めてハモリのパートをもらったと思ったらシャウトだったし。「ALLS」の最後のところ。
アイナ・ジ・エンド 松隈さんからも「今回みんな声が成長してた」って言ってもらえました。
──ボーカルの成長は確かに感じます。
アイナ こないだのTBS(2017年8月開催のフリーライブ「TOKYO BiSH SHiNE3」)で「スパーク」の落ちサビを歌ったとき、これまで何百回も歌ってるのに、なんだかすごく楽しく思えて。もっと歌心を磨きたいって思って、そこからずっと歌い方を変えたり食事を変えたりしてるんです。
──食事も?
アイナ はい、カフェイン抜いたりして。まだ模索中なんですけど、ちゃんと自分の歌に向き合って「しっかり歌おう」って気持ちは強くなってる気がします。
──技術面だけじゃなく歌に対する姿勢も変わってきたんですね。
アイナ そうですね。最近は外の仕事でソロで歌わせていただくことがあるんですけど、そこで「できない」って言えないし。BiSHだとうまくできないときに大人の人が笑ってくれたりいじってくれたりするんですけど、外の世界ではそういうのないから「自分でちゃんとやんなきゃ!」って思うので。
「ハシヤスメみたいに歌って」
──誰がどのパートを歌うかは、レコーディングの前から決まってるんですか?
チッチ いえ、決まってなくて、全部録り終わってから松隈さんが決めます。
──じゃあ歌ってみるまで自分の歌がどこで採用されるかわからない。
チッチ だからいつもドキドキしてます。自分が作詞している曲とかは特に。
──歌い方については松隈さんから細かい指示があるんですか?
アイナ 私「ハシヤスメみたいに歌って」って言われた(笑)。
チッチ すごく似てたよね。そのまま採用されてたし。
──それはどの曲で?
チッチ 「BODiES」の歌い始めとかサビとか? アイナが完全にハシヤスメのモノマネをしてる。いつものカッコいいアイナじゃなく、新しいアイナを探そう!みたいな感じだったよね。
アイナ さっき言ってた「チバユウスケさんみたいに」っていうのもあったし、「モモコみたいに歌って」って言われたりもしました。
──モモコさんみたいに歌うコツは?
アイナ ハシヤスメの真似よりもうちょっとふわふわした感じですかね(笑)。
──モモコさんは「アイナみたいに」とは言われなかった?
モモコ 言われなかったです(笑)。でも「FOR HiM」の「ひっくり返りそう 内臓」っていうところは松隈さんから「モモコに決めてるから」って言われて録りました。
──どうしてそのパートで指名されたんだと思います?
モモコ それがわからないんですよね。新しいことをしたかったのかな?
次のページ »
リンリンの歌詞は2年前の続き
- BiSH「THE GUERRiLLA BiSH」
- 2017年11月29日発売 / avex trax
-
初回限定盤
[CD+Blu-ray+フォトブック]
10800円 / AVCD-93752/B -
LIVE盤 [CD+DVD]
6264円 / AVCD-93753/B -
CD盤 [CD]
3240円 / AVCD-93754
- CD収録曲
-
- My landscape
- SHARR
- GiANT KiLLERS
- SMACK baby SMACK
- spare of despair
- プロミスザスター
- JAM
- Here's looking at you, kid.
- ろっくんろおるのかみさま
- BODiES
- ALLS
- パール
- FOR HiM
- 初回限定盤Blu-ray収録内容
-
- 2017.06.28 YOYOGi GiANT KiLLERS
- 2017.08.23 TOKYO BiSH SHiNE 3
-Music Video-
- プロミスザスター
- GiANT KiLLERS
- Nothing.
- My landscape
-Making Movie-
- LAでの撮影のMaking映像
- LIVE盤DVD収録内容
-
- 2017.06.28 YOYOGi GiANT KiLLERS
- 2017.08.23 TOKYO BiSH SHiNE 3
BiSH「BiSH "TO THE END"」
2018年5月22日(火)神奈川県 横浜アリーナ
チケット料金
「NORMAL TiCKET」7000円
「NEARLY THE END TiCKET」3500円
- BiSH FC抽選先行
- 受付日程:12月3日(日)12:00~12月13日(水)23:00
- WACK FAMiLY CLUB抽選先行
- 受付日程:12月14日(木)12:00~12月19日(火)23:00
- HP抽選先行
- 受付日程:12月20日(水)18:00~12月25日(月)23:00
- BiSH(ビッシュ)
- アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなるアイドルグループ。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。2015年5月27日に1stアルバム「Brand-new idol SHiT」をリリース。同年5月には東京・中野heavy sick ZEROにて初のワンマンライブ「THiS IS FOR BiS」を開催し、以降のライブは各所でソールドアウトを記録する。2016年5月にはメジャー1stシングル「DEADMAN」をリリースしavexよりメジャーデビュー。さらに6月から10月にかけて全国ツアー「BiSH Less than SEX TOUR」を開催し、ツアーファイナル「帝王切開」では東京・日比谷野外大音楽堂で単独公演を成功させた。同年10月にメジャー1stアルバム「KiLLER BiSH」、2017年3月にメジャー2ndシングル「プロミスザスター」をリリースし、6月にミニアルバム「GiANT KiLLERS」を発表。7月22日には千葉・幕張メッセ イベントホールにてグループ史上最大規模のワンマンライブを行った。同年11月にフルアルバム「THE GUERRiLLA BiSH」をリリースした。