音楽ナタリー Power Push - BiSH
6人が生み出した“最エモ”アルバム「FAKE METAL JACKET」
私たちは武道館に行きたいので
──渡辺さんは前回のインタビューでBiSHではあまり過激なことをやるつもりはないと言ってました。おっしゃるとおり、そこまで過激なことはせずにここまで来ちゃいましたけど、物足りなさは感じていないですか?
渡辺 いや、それはないですね。むしろ「BiSH-星が瞬く夜に-」のMVでうんこみたいなものをかけたときにちょっと失敗したなって思ったくらいで。
──それはなぜですか?
渡辺 BiSのときって過激なことをやっても「もっとやれ!」っていう人たちがいっぱいいたような気がするんですけど、BiSHで同じことをやると「かわいそう」って意見が多いんです。
──ファンからのご意見ですか?
渡辺 そうですね。あとハシヤスメの母親から。
一同 あはははは(笑)。
──メンバーも、ある程度のことは覚悟してると言ってましたけど、今のところ全裸になることもなく。
チッチ やっぱり私たちは武道館に行きたいので。足かせになってしまうようなことはやらないでいたいです。
ミィ 清掃員(BiSHファン)もそういう過激なことを望んでいないような気がします。9月にやった「BiSHフェス」でメンバーがスクール水着を着てライブしたんですけど、お客さんの中には頭抱えながらもうやめてよ、みたいな感じになってる人もけっこういて。
チッチ なんというか、アイドルらしさみたいなものをBiSのときよりも求めているというか。過激なことはやんなくていいよ、みたいな。
──それって当の本人たちとしてはどうなんです?
アイナ 全然やってもいいのにって感じなんですけどね。
チッチ 私たち“クソアイドル”って言ってるし、恥ずかしいとかあまり気にしないでいたんですけど、逆にファンの人からいろいろ言われちゃって「あれ?」って感じです。
「TIF」出演辞退はめっちゃムカついた
──ここからは2015年の具体的な出来事を振り返っていこうと思います。まず5月にデビューアルバムが出て、初のワンマンライブを開催しソールドアウトを記録。デビューからすごく順調でしたね。
ミィ はい。でも戸惑いました。以前私がやっていた活動では、ライブで20人も集まったらいいって感じだったので、規模の大きさにビビッてましたね。
チッチ 来てくれるのは最初だけかなって思ってたんですけど、以降もどんどん増えていってね。
──そして8月には「TOKYO IDOL FESTIVAL 2015」に出演しますが、2日目はアーティスト都合により出演辞退とアナウンスされました。今さら聞くのもなんですが、やっぱりこの決定は腑に落ちないというか、メンバーの皆さんとしては憤りを覚えたんじゃないのかなと。
チッチ 自分たちが直接何かをしたわけじゃなかったのに出られなくなってめっちゃムカつきました。私の中でも「TIF」は特別な場所だったし、2日目には屋上のSKY GARDENでライブする予定もあったので。でもなんだかよくわからない感じで明日出れないってなって。なんでBiSHが出れないのって。
──結成以来順調だったけど、これが最初の挫折というかショックな出来事でしたか?
チッチ そうですね。よくも悪くも、普通じゃないってところが一番アダになってしまったのかなと。
渡辺 申し訳ないけど、みんな俺のことが嫌いなんだよ。
チッチ お偉い人たちはそうかもしれないですね(笑)。
──でも8月末にはリベンジの意味も込めてZepp Tokyoで振替公演「TOKYO BiSH SHiNE」を開催。会場にはおよそ1400人が集まりました。
ミィ 私たちのライブを楽しみにしてた人がたくさん集まってくれたので、とにかくみんなに楽しんでもらおうって気持ちで挑みました。Zepp Tokyoは簡単に立てるような場所ではないから、イレギュラーなライブでしたけどプレッシャーに負けないようにやりました。
モモコ でもさすがに満員には届かなかったので、またリベンジしたいと思ってます。
チッチ まあ「TIF」にまた呼ばれるかはわかんないですけど、呼ばれなかったらもう自分たちで別にライブをやればいいやって感じにはなってますね。
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収録曲
- スパーク
[作詞:JxSxK / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:松隈ケンタ×田仲圭太]
- BiSH-星が瞬く夜に-
[作詞 BiSH×JxSxK×松隈ケンタ / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:松隈ケンタ]
- MONSTERS
[作詞:ユカコラブデラックス / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:井口イチロウ]
- Primitive
[作詞:ハシヤスメ・アツコ×JxSxK / 作曲:井口イチロウ / 編曲:井口イチロウ]
- beautifulさ
[作詞:リンリン / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:田仲圭太]
- OTNK
[作詞:竜宮寺育 / 作曲:松隈ケンタ]
- 身勝手あいにーじゅー
[作詞:ハグ・ミィ / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:田仲圭太]
- デパーチャーズ
[作詞:モモコグミカンパニー / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:井口イチロウ]
- ウォント
[作詞:モモコグミカンパニー / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:井口イチロウ]
- サラバかな
[作詞:竜宮寺育 / 作曲:慎乃介(蟲ふるう夜に) / 編曲:松隈ケンタ×田仲圭太]
- ALL YOU NEED IS LOVE
[作詞:BiSH×松隈ケンタ×JxSxK / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:松隈ケンタ]
- DEAR…
[作詞:モモコグミカンパニー / 作曲:松隈ケンタ / 編曲:松隈ケンタ×田仲圭太]
- BUDOKANか もしくはTAMANEGI
[作詞:セントチヒロ・チッチ×松隈ケンタ×JxSxK / 作曲:松隈ケンタ / 編曲 松隈ケンタ×佐藤カズキ]
BiSH(ビッシュ)
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、ハグ・ミィ、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリンの6人からなるアイドルグループ。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。自らを“新生クソアイドル”と称し、「ファンの総称は“清掃員”」「ライブの写真撮影は可能。なお録画、録音は禁止」「自由。ただしほかのお客さんの迷惑になる行為は禁止」という“クソアイドルの3箇条”を4月30日に東京・TSUTAYA O-nestで行ったライブで発表した。2015年5月27日に1stアルバム「Brand-new idol SHiT」をリリース。同年5月には東京・中野heavy sick ZEROにて初のワンマンライブ「THiS IS FOR BiS」を開催し、以降のライブは各所でソールドアウトを記録する。同年10月より初の全国ツアー「BiSH Eden of Sorrow Tour」を行っており、1月19日にツアーファイナルの東京・LIQUIDROOM、1月30日に追加公演の東京・ディファ有明に挑む。2016年1月に2ndアルバム「FAKE METAL JACKET」を発表する。