2021年12月に新メンバー・ナノ3(ナノナノナノ)を迎え、5人体制になったBiSが、2月23日にニューシングル「DA DA DA DANCE SONG」をリリースした。
BiSは2019年に第3期が始動。同年のうちにメンバーの加入脱退を経て、ナノ3加入までの期間、イトー・ムセンシティ部、チャントモンキー、ネオ・トゥリーズ、トギーの4人で駆け抜けてきた。そんな中、2021年8月よりBiSとASPの新メンバーオーディションが行われ、その中から選ばれたナノ3が同年の年末にお披露目された。
音楽ナタリーでは、ニューシングルのリリースと新メンバーの加入を記念してメンバー5人にインタビュー。新しいBiSの動向に迫る。
取材・文 / 田中和宏撮影 / 大橋祐希
ナノ3の身長は153.5cm
──新メンバーのナノ3(ナノナノナノ)さん、まずは自己紹介をお願いします。
ナノ3 ナノ3です。食べ物は牛タンが好きです! エビ、カニの甲殻類、お刺身、貝とか生魚系が苦手ですけど、焼いてあれば大丈夫です。出身は埼玉で、身長は153.5cmです!
イトー・ムセンシティ部 私とナノ3が同じ身長なんです。頭身が違うから肩の高さも違うんですけど(笑)。だからBiSの中だと私とナノ3が高いほうから同率2位です。
──ナノ3さんは昨年8月に募集が始まった「BiS and ASP 新メンバー合同オーディション」に応募して、BiSに加入しました。応募したきっかけは?
ナノ3 私はずっとアイドルが好きで、WACKに関してはコロナが流行る直前くらいにBiSHさんに興味を持って、そこからWACKのいろんなグループがあることを知って、いろいろチェックしていたんです。でも自分自身は特にやりたいことがなくて。この先どうしようかなと思っていたときにオーディションの情報を見て、「受けてみたい!」という衝動で、勢いのまま応募しました。だから生でWACKのグループのライブを観たことはなかったです。
──ではWACKのグループを知っていく中で、感じたことは?
ナノ3 まず一番に感じたのは「面白い。これはアイドルじゃないな」ということ。音楽もカッコいいし、それまでアイドルだと坂道シリーズとかは知ってましたけど、パフォーマンスにしても曲にしても全然違う。どこを切り取ってもすべてに対して全力なところがカッコいいと思っていました。
──ほかのメンバーにお聞きします。「ナノ3はがんばり屋さん」とライブのMCで話していましたが、どんな姿を観てそう思ったんですか?
トギー まずそう思ったのは、Twitterのフォロワー数が2万5000人に到達したら顔出しするというBiS恒例の流れがある中で、ナノ3が顔出し前に「CURTAiN CALL」を102回連続で踊り続けるという企画をやったときです。私はまさか踊り切れると思ってなかったんです。ナノ3以外のメンバー4人は101回連続で「CURTAiN CALL」を踊ったことがあるんですけど(参照:5時間超え!BiSが101回連続で「CURTAiN CALL」歌い踊るMVをフル尺公開)、ライブもしてるし体力がある状態でも5時間以上踊ってかなりへとへとだったから、「入って間もない子がそんなできるわけが」と思ってたら、やり切ってて驚きました。ナノ3はもともとバスケ部だったみたいだから体力はあったんだろうけど、それにしてもびっくりしました。
ナノ3 バスケ部だったけど、もともとあった体力がなくなってるから、今がんばって戻しているところ。102回踊ったときはね、もう死ぬと思ったよ(笑)。
ネオ・トゥリーズ だよね(笑)。通しで踊る前日、モンちゃん(チャントモンキー)と2人で試しに何回かやったんだよね?
ナノ3 3セットくらいやったんだけど、それだけでもヤバかったから、「これ明日死ぬんだ」なんて思っちゃった(笑)。でも顔出しする条件のフォロワー2.5万人まであと1000人くらいのタイミングで応援してくれる人もたくさんいたし、私なりのBiSへの覚悟みたいなものが伝わればいいなと思って、がんばりました。
──確かにがんばり屋ですね。それ以外はどんなキャラクターなんですか?
イトー 陽気で、すごく温かい子です。常に明るいのでしゃべってるだけで元気をもらえますし、ライブ中も持ち前の明るさがにじみ出てるから、人を幸せにする子なんだなって。観ている人が思わず笑顔になるような、そんなすごい力を持っている子。真面目なんですけど、ふざけたりもするので一緒にいて楽しいです。
ネオ けっこううるさいよね?
チャントモンキー ふざけるモードになると笑ってるところに笑いで乗っかってくる(笑)。
──4人での活動が長かったBiSですが、ナノ3さんを迎え入れるにあたって何か気をつけることはありましたか?
トギー 気をつけなくても自然にこの5人でBiSになった感じがすごくします。
ネオ 人を好きにさせちゃうタイプの子で、そのオーラに私たちも吸い寄せられてますね。
イトー ナノ3は加入が決まってお披露目までの期間、練習にも4人のライブのときもずっといてくれて、BiSがどう活動しているかを見ていたから、自発的に吸収してくれていたし、ダンスも全部覚えてきてくれていたんです。私たちが言うことは本当になかったというか、むしろナノ3が安心して入れるグループの状態であることのほうが大事でした。
ナノ3 私はWACKを知ってからBiSも好きでずっと見てたんですけど、研究員(BiSファンの呼称)はBiSに対して「大きく踊ってる4人」というイメージを持っていると思ってたんです。だから私が入ったことで悪くなったと思われないようにがんばって練習を続けてました。
チャント ナノ3には最初、「STUPiD」の振り動画だけを見せて、課題曲として覚えてもらってたんですけど、最初から大きく踊れてるし、笑顔だったんですよ。普通、最初はメンバーを前にしていることもあって緊張するし、笑顔で踊れないと思うのに。主に振り付けを担当してる私が教えることは本当に細かい部分しかなくて、教えるよりも先に覚えてきてくれました。本当に根性があるし、がんばり屋さんですね。
ナノ3が初ライブで見た光景「人、人、人!」
──ナノ3さんの初ステージは12月の東京・Spotify O-EASTでした(参照:BiSが邦ロックカバーアルバムの完全再現ライブ開催、新メンバー・ナノ3ついにお披露目)。大きなライブハウスだと思いますが、ステージから見た景色はどうでした?
ナノ3 最初は「人、人、人!」で怖かったです(笑)。1月にやった東名阪ツアー「NEW GENERATiON BiS TOUR」もめちゃくちゃ緊張はしていたんですよ。でもやるしかないから、思いっきり楽しむ気持ちでやりきりました。
──東名阪ツアーでは「もともとこの5人だったのかな」と思う瞬間もあるくらい、いい意味で“5人のBiS”が馴染んでいましたね。
トギー ライブ後、お客さんからの悪い反応は全然見なかったです。私たちに見せないようにしてくれているのかもしれないですけど(笑)。研究員も楽しそうにしてくれていたし、今すごくいい感じです。
──ちなみに5人になると自然と歌割りが減りますが、そういう変化で何か余裕が生まれることはありますか?
イトー 歌に関してはあまり大きな影響はないです。余裕なんてもともと常にないですから(笑)。でも例えば「LET'S GO どうも」の落ちサビが私からナノ3に歌割りが変わったので、ライブ中、私はナノ3の声を後ろで聴きながら踊るほうに回ったんです。新しい感じがしたし、「落ちサビ、よろしくな!」と託してます(笑)。
チャント 5人になることで振り付けの幅が広がりました。フォーメーションに関しては5人と4人じゃ全然違って、奇数だとV字が作れるんです! 4人だと2人がセンター前、2人がサイド後ろの台形だったのでうれしい(笑)。
ネオ 憧れてたフォーメーションだよね。
チャント センターが作れるってすごくいいなって。4人時代にできた曲が多いので、その編成がオリジナルになっている振りが多くて、けっこうブラッシュアップしてます。結成時の5人用の振り付けは基本的に元に戻すイメージ。どの曲のパフォーマンスも5人になってよくなったぞ!と自信を持ってライブに臨んでます。
──ナノ3さんの好きなBiSの曲は?
ナノ3 ツアーのZepp Haneda公演だけでやった「I WANT TO DiE!!!!!」が、どうしてかわからないけど好きです(笑)。
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新曲は盛り上がらないわけがないダンスロック