愛されてたんだな
──先日公開されたMVにはネオさんの幼少期の映像が使われています。親御さんにかわいがられていたんだなあという。
ネオ 完成したMVを観て、愛されてたんだなと改めて気付きました(笑)。なんだか胸が苦しくなってしまいましたけど、親は大切にしなきゃいけないなって。
チャント ホームビデオって観返さないよね。こんな機会でもないと(笑)。
ネオ 本当にそう。忘れかけていた気持ちがよみがえった。幼少期の映像って、誰のでもウルってくるものがあるよね。
チャント 時の流れを感じるね。あの小さいネオから今のネオになるのが(笑)。
──映像にも映ってますが、小さい頃から歌うのが好きだったんですね。
ネオ ずっと歌って踊ってたみたいで(笑)。ホームビデオを観て、私の記憶にないくらい小さいときから歌が好きだったんだなってことがわかりました。
──MVにはネオさんの幼少期の映像のほか、今の4人も登場します。MVの監督を務めた山田健人(yahyel)さんがメンバーの実家まで行って、玄関で撮影したそうですね。皆さんの顔にズームアップした映像でしたが。
イトー 私の撮影のときは山田さんが「実家の玄関に花があるからこれは入れたい」と言っていて、こんなアップで映ってるのかなと思ってたんですけど、ちゃんと入ってました。実家感がしっかり出てると思います(笑)。でもひさびさに帰ったらなんだかむずむずしちゃったな。
チャント 不思議な感覚だったよね(笑)。監督とマネージャーさんが一緒で。実家にいるからこそ出る表情をしてるなって思います。
イトー 私はもともと家に人を呼ばないタイプだったのに、監督が家に来て(笑)。ひさしぶりに家族と会話したり、妹が撮影してるところを覗きに来たり。そういうシチュエーションで昔のことをいろいろ思い出しながら歌ったので、この曲に込める思いが自然と強くなりました。
昔の自分に言いたいこと
──ここで「昔の自分に言いたいこと」をテーマに話せたらと思うのですが。
チャント それを言っちゃって、BiSじゃないほうに進んじゃったら……。
トギー どういうこと!(笑)
チャント 子供の頃の自分はBiSを知らないし、こういうことをしたいと思っていないから、「自分を信じて」なんて言っちゃったらBiSにならないかもしれない(笑)。
ネオ 大丈夫だよ!(笑) もう過去には戻れないから。
──そうですね。では順番に聞かせてください。
トギー 私は「人の目を気にするな!」って言いたいです。
──前回のインタビューでも言ってましたよね?(参照:BiS「KiLLiNG IDOLS」インタビュー)
トギー 本当に気にしてたんですよ(笑)。地元の京都がたぶんほかの地域よりも他人を気にする県民性っていうことだと思うんですけど。京都は本当にすごい見られるの! 歩いているだけで!
チャント それって県民性なの!?(笑)
イトー 新潟もだよ(笑)。
トギー え、ホント? でも東京とか名古屋はあんまり見られない。
ネオ いい意味で気にしてないもんね、東京の人は(笑)。
トギー やりたいことをやればいいんです。人の目を気にして行動できなくなることが本当に無駄だったと思うから。
チャント 私は中学生の頃の自分に「もっと柔軟になれ」って言いたい。バドミントン部の部長だったんですけど、ほかの部員と熱量が合わなくて、部が崩れかけてたんです。だから厳しくしなきゃと思って厳しくし続けたら誰も付いてこなくなっちゃった(笑)。厳しくする以外のやり方もあったなって。視野が狭くて1つの考えしかなかったんですよ。お父さんから「みんながみんな同じ熱量じゃないんだから」なんて言われても、「今ここでゆるくしたら終わっちゃう!」って。あの頃は厳しくするしか選択肢がなかった。
トギー 今は柔軟になってきて、選択肢が増えたもんね。
チャント まあ今でも狭いけど、その頃に比べれば20倍ぐらいは視野が広がったはず。今でも毎日のように「さっきのあれは視野が狭かったな」と思うこともあるので、もっと柔軟になりたいです(笑)。
イトー 私は昔の自分に「人のことも自分のことも大事にしろ」と教えてあげたいです。自分のことを大事にしなかったという過去のモヤモヤがよみがえってきて、気持ちが落ちてしまうので。周りの友達や親もそう、みんなを大事にしていれば後悔することも少なかっただろうし、「あのときこうしておけば」というのはだいたい人間関係なので、そういうところをもっと大事にすればよかった。数少ない友達はいるけど、あのとき逃げなければ私のそばにまだいてくれた友達もいたんだろうな、みたいなことも「TOUCH ME」を聴いて思いました。後悔から学ぶこともあるけど、やっぱりよくないことだったなって。人との距離の測り方が0か100かみたいに極端だったので、今もし言えるなら言ってあげたい。でも今では周りの人はとっても大事……ラブなんです。
ネオ そのラブ、伝わってるよ。
イトー ありがとう。
ネオ 私は小さい頃から歌うことが好きだったけど、「音楽をやりたい」とは一切口に出せなかった。BiSの1次審査を受かるときまで、誰にも言ったことがなかったです。親は「非現実的すぎるし、絶対に生活できないからやめろ」とか、学校の先生にも「楽器もやってないのに?」みたいな反応をされて。
チャント わー。みんな現実的すぎん?
ネオ よくも悪くもね。でも私の場合、そういう反応ばっかりだったから夢を持つことに恥ずかしさすら感じて、全部あきらめてた。他人のせいってだけじゃなくて、自分自身のことが好きになれなかったこともあるし。だから「少しは自分の気持ちを大事にして、自分を愛してあげて。意志を持って本当にやりたいことを少しでもやったらいいよ」って、昔の自分に言いたい。
イトー 環境ってあるよね。私の周りは夢をあきらめた人が多かったから、「無理だよ」と言ってくる人が多かった。だけど「無理だよ」なんて言う人がいるのは、その人がやりたいことをあきらめたからじゃん! 私はあきらめないし!って思えて、根性は付いた。BiSは自分のやりたいことがあるなら、あきらめなければいいじゃんってことを歌っていることもあって、それが自分にも響いてる。
トギー 私はもう自分を信じてしかいないよ。無条件に信じられるのは自分しかいないなって思う。
ネオ でも難しいんだよなあ。
イトー そう。信じるのはムズいんだよね。味方だって欲しいから。
チャント すごいと思う……。私はこのメンバーよりも「自分を信じる」ってことができなかったから。正直言うと、BiSに応募したときも「もしダメだったらこうしよう」って自分の中で保険をかけていた部分があって。だからオーディションの時点で覚悟ができてた3人はカッコいいなって思う。
トギー 私、受かってなかったら本当にさまよってたと思う。
チャント その自信があればほかのことも絶対できてたんじゃないかな。うまくいくまで何かをやり続けていそう。
トギー Twitterでバズってたかもしれないね(笑)。
次のページ »
愛が欲しい