猫ポーズでにゃんにゃん
──アルバムでは既発曲3曲のあと、新曲の「TRAP」につながります。冒頭の激しいシャウトで度肝を抜かれました。歌詞カードを読んでも意味がわからない、いわゆる空耳系の楽曲です。
トギー うれしいです、こういう曲。WACKでよくあるパターンの曲なので、「来たー!」って。
ネオ 歌詞は聞いても読んでもたぶんわからないと思うので、空耳を楽しんでほしいですね。
チャント この曲は「解脱 ふわっと 平気?」というフレーズのところをみんなで飛ぶんです。そこが両手が上がる振りにしてるんで、手は上がることは多いんですけど、お客さんが同じタイミングで飛ぶ振りがこれまであまりなかったので、この曲はかなり楽しいです。
イトー とにかくライブで騒げる曲になっていて、自由に体が動かせる感じです。
ネオ 楽しいよね。お客さんもテンションが上がる曲だと思います。歌詞の意味を考えずに楽しむことに振り切って歌えているので(笑)。
──「KiSS MY ASS」はピアノをフィーチャーしたロックンロールサウンドの楽曲です。
トギー 「僕のあそこはピンピン!!!」「ガンガンヤッて キメキメベイビー」とか、この曲は歌詞がパンチ効いててすごく楽しくなります。
チャント 歌詞の内容が明るいから、そういう気持ちで歌えます。
イトー 全体的にけっこうポジティブで、“元気な下ネタ”って感じ。私たちが歌うからイタズラっぽく聞こえていいのかなと思います。フレーズにところどころ大人っぽさを感じるところもあるけど、元気のいい悪ガキっぽさが出る曲で、歌っていて自然と笑顔になります。
──「LOVELY LOVELY」はかわいらしい振り付けで、ライブ初披露時からファンの反響が大きかったですね。
イトー 「24時間」で最初にやったんですが、好評でした。極力シンプルな振り付けにしていて、猫っぽいポーズを作るんですけど、男性陣が想像以上に手を上げて猫ポーズでにゃんにゃんしてくれたのでびっくりでした!
ネオ すごい光景だよね(笑)。研究員(BiSファンの呼称)を見て鳥肌が立つんですよ。
──それはどういう意味で?
ネオ 大勢の人が一緒ににゃんにゃんしてて、しかもみんな幸せそうな顔をしてるから。感激したって意味です。ニヤニヤしちゃいます。
イトー 脳がとろけるような、幸せな気持ちにできる曲ですね。
──テンポ感とサウンドこそロックな仕上がりになっていますが、小沢健二さんの「ラブリー」を思わせるタイトルで、いつになくポップな曲調ですね。振り付けは初めから「かわいくしよう」と決めてたんですか?
イトー トギーが「ずっとクリスマスっぽい曲だ」って言っていて。振り付けしたのはモンちゃんで、トギーのああしたいこうしたいという希望を具現化してるんです。
チャント トギーが振り付けしてたんですけど、全然進んでないなと思って(笑)。
トギー そうそう。振り付けが進んでなくて、一緒にカラオケに行ったついでに振り付けをしてくれました。
チャント 「ここで振り付けをあらかた完成させちゃおう」と思って、トギーに「どこまで考えてる?」って聞いたら、イメージだけはすでにあったのでそれを聞いて。「じゃあここでカップルっぽく腕組んで踊ってみよう」とか大部分をカラオケで考えて、残りは家で。間奏は家で考えました。
トギー 振り付けしてくれてありがとうございます!(笑) ほぼモンちゃんのおかげでできました。
チャント と言いつつも、ハートのポーズを頭の上で作る部分がトギーで、胸のあたりでハートを作る部分を考えたのがティ部なんです。あと猫ポーズも、最初は両手の動きが違ったんですけど、ティ部がそろえたほうがいいと言ってくれて。
イトー ノリやすそうだなって。真似しやすいのが大事だから。アルバムの中で一番かわいらしい曲なので、ライブ中にこの曲になると急に癒されます。
チャント あと、“イエスフォーリンラブ”を曲中にやっているので、そこにも注目してもらいたいです(笑)。
──BiSのライブは写真撮影OKですが、そのあたりはシャッターチャンスですかね?
イトー はい! 私たちが2組のラブラブ男女を演じてるので(笑)。
夢をあきらめた40、50代の茶髪の人が浮かぶ
──「LAUGH AT ME」はロックなバラードで、Guns 'N' Roseの名曲「November Rain」のエッセンスを感じました。バラードとしては前作アルバムの「リフレイン」以来ですよね?
チャント そうです。「前のアルバムの『リフレイン』的な立ち位置だよ」と聞いてます。ほかの曲とレコーディングの方法が違うんです。何回もAメロを録って、何回もBメロを録ってというのを流れ作業のように進めていって、最後に「これでイメージが湧いただろうから最後に1回全部通して歌ってみよう」って。曲のイメージを固めるためにたくさん歌って、最後に気持ちを込めて通しで歌うっていうのは初めての録り方でした。
──なるほど。この曲からどんな情景が浮かびますか?
チャント 私のイメージだと、バンドマンの夢をあきらめた40、50代の茶髪の人が夜空を見上げながら聴く曲。
ネオ 確かに40、50代くらいの人が歌ってるイメージあるね。若い人じゃない。
トギー 「あぁ 僕が天才ならば」という歌詞もあるし。
イトー 強い人の歌ではなくて、弱い人の歌だよね。
ネオ 思春期はまだ夢を見ていられるけど、そうじゃなくて、人生で夢を1回あきらめた人みたいな。
──「FUCKiNG OUT」は、トギーさん作詞のヘビーな楽曲です。
トギー 激しくてノリノリの曲だなと思います。ネオのシャウトで始まるんですけど、ライブではそこからみんなブチ上がってジャンプしてます。
ネオ そうなんだ? シャウトしてるとき目をつぶってるから、なんにも見えなくて。
イトー 楽しそうにみんな暴れてるよ。サビもぶち上がるので、みんなの心臓に響かせるくらいの気持ちで歌ってます。
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シャウトで気を失う