1990年代を彷彿とさせる「LOOKiE」
──では改めて、「LOOKiE」がどんな作品かを聞かせてください。
チャント 1990年代パンクロックです(笑)。
イトー その説明に納得できるような楽曲がたくさんあります。ただGreen Dayさんの「Basket Case」へのオマージュが中心かと思いきや、90年代J-POPのような楽曲もあります。90年代って、激しいサウンドなのにキャッチーでストレートに歌詞が入ってくる曲がすごく多い印象があって、「SPiLLED MiLK」「BASKET BOX」も、「LOVELY LOVELY」も、「FOOL PROOF」もそういうイメージになってるなと思いました。あとデビューアルバムに比べるとエモーショナルな曲も多いと思うし、「LAUGH AT ME」みたいに本当にゆったりとしていて胸に染みるバラードは珍しく感じます。
ネオ 「LAUGH AT ME」は懐かしい感じ。
イトー 1990年代のドラマのエンディングで流れてそう。お父さんお母さんが聴いてそうな雰囲気で。
チャント 「LAUGH AT ME」は特に“90年代”と言われてピンときました。
デジタルアルバムチャートで1位を獲得
──アルバムの配信バージョン「LOOKiE(SPECiAL CASE)」は1日限定配信ながら大きな話題を集めてiTunes Storeのアルバムチャート1位になりました。「NHK紅白歌合戦」出場アーティストの音源が軒並みチャートに上がっている中、それらを抑えて2020年最初のウイークリーチャートで1位という。
チャント うわ、すごい!
イトー ダウンロード数8000超えってすごいね。
トギー ありがたいねえ。
ネオ 2020年一発目のチャートで1位……本当だ。
──レコーディングは下北沢にできたSCRAMBLESの新スタジオで行ったそうですね。
イトー アルバムの収録曲は全部そうです。
ネオ 新しいスタジオのレコーディングはBiSが最初だったみたいです。
チャント おしゃれなスタジオでした。歌う環境はそんなに変わってなくて、待機する場所の環境が変わりましたね。松隈さんが全部デザインしたって聞いて、素敵だなって。
トギー 「空間デザイナーの肩書きどうしよう……」みたいに言ってました(笑)。
ハーモニーが強化した「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」
──アルバムには既発曲「STUPiD」「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」「SURRENDER」の“NEW TYPE Ver”が1~3曲目に入っています。これは歌い直しではなくて、デビューアルバムのレコーディング音源を4人バージョンに組み直したんですか?
イトー そうです。ライブの歌割りと一緒です。この3曲について渡辺さんが「BiSHの『スパーク』に負けないくらいいい曲ができた」と言っていましたし、歌うごとに自分たちにも染みてくる3曲だなと思います。全部大事な曲ですけど、特に大切な曲です。「STUPiD」は新たにMVも撮影していただいたので、これからも大事にしていきたいです。
──最近のライブでは「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」のハモリがスタジオ音源よりも強く出ていました。
チャント あのアレンジは女川(2019年9月開催「おながわ秋刀魚収獲祭2019」)で初めてやってみて、そこからずっとやってなかったんですけど、11月のWACKとSCRAMBLESの5周年パーティがあったときに復活させて。
ネオ それも実は女川の町長さんが「ハモってほしい」と要望してくださったんです。まさかそこを注目して聴いてくださっているとは思わなくて、うれしかったです。最近はいろんなところでハモってます。
イトー このおかげでどちらかというと音源のコーラスに寄ったよね。
ネオ 松隈さんが「ハモったらカッコいいね」とハモリパートも録ってくださったんですけど、結局ライブではハモることがないままやってきたんです。松隈さんは「最近BiSハモってるよ」という報告を聞いたみたいで、喜んでくれたそうです。
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