ナタリー PowerPush - BiS

初期メンバー4人が語る「私たちのBiS」

続けていくうちにズレを感じてしまった

──2人が辞めるって決まったときはどうでしたか?

プー・ルイ 止めたよね。

左からヨコヤマリナ、ヒラノノゾミ。

ヨコヤマ そうそう! でケンカしたよね。

ナカヤマ リナが辞めたいって言ったときは下北沢の駅の改札の前でケンカして。

プー・ルイ ネットラジオの生放送の帰りで。なんかもうリナがBiSのことを好きじゃないっていうのは感じてたんですけど、下北沢の駅に着くなりリナが辞めたいって言い出して例のごとく「こんなのアイドルじゃない」って言って、その言葉にユケがまたキレちゃって。

ナカヤマ 「はあっ?」つってね。でも手は出してませんよ! ネットで手を出したって言われてますけど、そこは誓って出してない(笑)。

プー・ルイ でも顔は超怖かったです。

ヒラノ なんかすごいドラマみたいな展開でした。

プー・ルイ そういう意味では映画の「アイドル・イズ・デッド」みたいでした。「こんなのアイドルじゃない!」って泣くリナに対して私たちは「アイドルだ!」って叫ぶっていう(笑)。

──ユケが辞めるときも?

プー・ルイ そのときは私とユケがケンカしてて。

ナカヤマ 険悪な雰囲気だったよね。楽屋で化粧直しながら鏡越しにプー・ルイが「ユケさ、最近どうなの?」って聞いてきたから「辞めたいんだよね」ってさらっと言って。で、気まずすぎてほかの現場に行くときも先に出ていって駅で1人で泣いてたわ(笑)。

プー・ルイ うそー!?

──続けていく中でちょっとずつズレていっちゃったんですかね。

ナカヤマ まさしくそのとおりですね。

プー・ルイ ズレを感じてました。

ナカヤマユキコ

ナカヤマ それまでウチら2人は言いたいことをいつでも言い合って、何回もケンカしてたんですけど。だんだんと言えなくなってきてギクシャクしてきちゃったんです。それで続けていくのがつらくなって辞めることを決意しました。

プー・ルイ でも辞めるって決まって、その状態のまま最後を迎えたくなかったから表参道のスタバにユケを呼び出してね。

ナカヤマ そうそうそう。超怖がってました、私。話そうって言われて「マジか」って思っちゃって。怖かったです。

プー・ルイ それで仲直りして、一瞬辞めるの留まろうかって思ったんだよね。でも「primal.」のPVが公開されたときに「プーちゃんごめん、もう無理だ」って言って。

──経緯はいろいろあるにせよ、2人は今やりたいことをやっているし、残った2人のことも応援し続けてるって感じですかね。

ナカヤマ 応援してます。

ヨコヤマ はい!

辞めなきゃよかったって後悔はある

左からナカヤマユキコ、プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ヨコヤマリナ。

──2012年にBiSは「PPCC」でメジャーデビューしました。そのことを知ったとき脱退した2人はどう思いました?

ヨコヤマ すごいなって思いました。そのとき自分もがんばらなきゃって思って、雑誌のモデルオーディションとかに応募して受かることができました。

ナカヤマ 「PPCC」は聴いたとき「マジか! めっちゃカッコいい!」って思いましたし、これ歌いたかったなあというのは思いましたよ、正直。

ヨコヤマ 私も「Fly」はめっちゃ好きで聴いてます。なんかBiSの曲を聴くと元気が出るんですよ。自分とシンクロするところがあったりするので。なんかファン目線ですね、私。

──自分たちがいた頃のBiSとはまったく違う?

ヨコヤマ そういう感じで見てます。

プー・ルイ もし私がユケとかリナの立場だったら、メジャーデビューのときまでいなかったことを惜しいとか言っちゃうと思うんですけど、2人はそういうこと言わないからすごいなって思う。

──ぶっちゃけ悔しいですか?

ナカヤマ 惜しいことしたなっていうのは……後悔はもちろんあったんですよ。辞めなきゃよかったなって。でもね、あのままいてもあのときは続けていられなかったなっていうのは本当だし。

プー・ルイ そうなんだ。

ナカヤマ だったらもう自分のやりたいことで今のBiSくらいまで並べるようにやってやろうって思います。

ヨコヤマリナ

ヨコヤマ 私もメジャーデビューはすごい憧れがあったんですけど、自分ではできなかったことだし、2人は本当にすごいと思う。後悔っていうよりも……すごいって思う気持ちのほうが強いかな。

プー・ルイ すごいって思ってくれるんだ。

ヨコヤマ うん!

ナカヤマ リスペクト!

プー・ルイ じゃあ今勧誘したら入ってくれる?

ヨコヤマ うふふふ(笑)。

ナカヤマ あははは(笑)。

プー・ルイ ドリームBiS的な(笑)。

ナカヤマ マジでか(笑)。

プー・ルイ もし今2人が入りたいって言ってきても別に嫌じゃない。

ヒラノノゾミ

ヒラノ うん。嫌じゃない。

──というご意見がありますけど。

プー・ルイ でもそんな気はたぶんないと思う。

ナカヤマ そうっすね。

プー・ルイ まあうちらもプライドあるしね!

ヒラノ あとから入ったメンバーのことも考えないとね。

プー・ルイ そうそう。これ以上脱退者を出さないようにしないとね……。

──まだわからないですからね!

プー・ルイ 7月の解散まで4カ月。4カ月っていうのは辞める決意を固めるには十分過ぎる年月なので。まあ私が辞めるかもしれないしね! あと4カ月我慢できないかも!

ナカヤマ そこは我慢しようよ!

靴擦れするほど皮膚が強くなっていく

──BiSのラストオリジナルアルバム「WHO KiLLED IDOL?」を聴いた感想はいかがです?

ナカヤマ やっぱりBiSの楽曲はカッコいいなって思います。でも自分がいた頃とは全然違いますね。やっぱりavexに行ってから曲の感じは変わったかなと。

──ゲストアーティストの方々が豪華ですし。

ヒラノ なんかメジャーなアーティストの方々がね。

ナカヤマ いや、あなたもメジャーアーティストだからね(笑)。

──一番びっくりしたのはどなたが関わったときですか?

ナカヤマ やっぱりGLAYのHISASHI(G)さんですね。

プー・ルイ

プー・ルイ まだ信じてないですもん。本当に弾いてくれたのかな? 私、「ローリングストーン」でHISASHIさんと対談したんですけど、めっちゃ気さくな方でした。しかもBiSのことよく知ってて、私が話すこと全部知ってた。

ナカヤマ ヲタじゃん。すげえ。

──今回「primal.2」でHISASHIさんが参加されたわけですけど、「primal.」自体にも皆さんは思い入れありますよね。

プー・ルイ ありますね。「primal.」を聴くと泣き出すっていう時期がありました。

ナカヤマ 私が辞めたあとだったもんね。

プー・ルイ うん。それもあっていろいろと重なっちゃったんですよね。

──その続編「primal.2」に対する思いは?

プー・ルイ 今回も歌詞で靴擦れしすぎだろとかツッコまれてますけど。

ナカヤマ 「靴擦れした両足で」って歌詞作ったの私だ。まだ靴擦れしてたんだ(笑)。

プー・ルイ うん。まだしてるよ。

ヒラノ うん。

──でもその靴擦れがBiSには大事なんじゃないかと。

ナカヤマ 擦れれば擦れるほど皮膚が強くなっていくから。大丈夫、大丈夫。

ニューアルバム「WHO KiLLED IDOL?」 / 2014年3月5日発売 / avex trax
映画盤(期間限定生産) [CD+DVD] / 5250円 / AVCD-38910/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
MUSIC VIDEO盤 [CD+DVD] / 4200円 / AVCD-38911/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD盤 [CD] / 3150円 / AVCD-38912
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD収録曲
  1. primal.2
  2. DiE
  3. STUPiG
  4. no regret
  5. マグマト
  6. GET YOU w/Dorothy Little Happy
  7. MURA-MURA
  8. MMGK
  9. BiSimulation
  10. ERROR
  11. nasty face
  12. Fly
  13. Hi
  14. Hide out cut
  15. プライマル。
映画盤DVD収録内容

アイドル・イズ・デッド -ノンちゃんのプロパガンダ大戦争- “Special Edition“

MUSIC VIDEO盤DVD収録内容
  1. ASH
  2. hitoribochi
  3. GET YOU w/Dorothy Little Happy
  4. BiSimulation
  5. Hide out cut
  6. DiE
  7. MURA-MURA
  8. Fly
  9. Hi
  10. STUPiG
  11. ODD FUTURE -プー・ルイ Ver.-
  12. ODD FUTURE -ヒラノノゾミ Ver.-
  13. ODD FUTURE -ファーストサマーウイカ Ver.-
  14. ODD FUTURE -テンテンコ Ver.-
  15. ODD FUTURE -カミヤサキ Ver.-
  16. ODD FUTURE -コショージメグミ Ver.-
  17. primal.2
BiS(びす)

BiS

プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ファーストサマーウイカ、テンテンコ、カミヤサキ、コショージメグミ、そしてマネージャーの渡辺淳之介からなるアイドルグループ。ユニット名は「新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)」の略。2010年をもってプー・ルイがソロ活動を休止し、2011年から彼女が在籍するアイドルグループとして結成された。過激な施策などで話題を集め、何度かのメンバーチェンジを経て2012年7月にシングル「PPCC」でエイベックスよりメジャーデビュー。2013年には「BiSimulation」「DiE」「Fly / Hi」と意欲作を次々にリリースし、終身名誉メンバーにコシノジュンコを迎え話題に。2014年1月には上田剛士(AA= / THE MAD CAPSULE MARKETS)楽曲提供の「STUPIG」をリリース。同年3月にはラストオリジナルアルバム「WHO KiLLED IDOL?」を発売する。さらに7月には横浜アリーナで解散ライブを行うことが決定している。

モルヒネ東京(もるひねとうきょう)

ナカヤマユキコ(Vo)、マッキー(G)、オオシバユウスケ(B)、オオノコウジロウ(Dr)、アンザイ(Key)からなるニューウェーブTOKYOポップバンド。2012年にナカヤマユキコを中心に結成。2013年2月には「トウキョウナイト」のPVを公開し異例のスピードで閲覧数を伸ばしたことで話題に。同年3月には1stシングル「トウキョウナイト」をリリースしレコ発ツアーを開催する。さらに同年8月に「フラッシュバック」、11月には「ループする」のPVを発表。そして12月には2ndシングル「ループする」をリリースした。

アキシブproject(あきしぶぷろじぇくと)

“渋谷と秋葉原を繋ぐアイドルグループ”として2012年に横山利奈(りなはむ)が発起人となり結成。東京・TwinBox AKIHABARAを拠点に秋葉原のオタク文化と渋谷のギャル文化を融合したまったく新しいコンセプトで活動を行っている。2014年3月現在、12人のメンバーが所属し横山がグループの代表に就任。1月から毎週水曜日に定期公演を行っている。