ナタリー PowerPush - BiS

初期メンバー4人が語る「私たちのBiS」

自分たちが下手だということに気付いてなかった

──2011年の3月、忘れもしない東日本大震災があって、当時のアイドルグループはライブ活動を自粛せざるを得なかったですよね。そんな状況の中、阿佐ヶ谷ロフトAでアルバム「Brand-new idol Society」のリリースイベントをBiSが強行して。あのとき観たBiSの内から湧き出るなんだかよくわからないパワーみたいなものがずっと気になっているんですよ。あの無茶苦茶な説得力はオリジナルのこの4人にしか出せなかったものなのかもしれないんですけど。

プー・ルイ 確かに、そういうなんだかよくわからない力はこの4人にあったと思います。

──4人での当時のライブは今思い返すとどうでした?

ヨコヤマ ライブはめっちゃ楽しかった!

ナカヤマ 本当にね。ライブは死ぬほどやらされてたんですけど(笑)。

プー・ルイ

プー・ルイ 月に31日しかないのに50本とかね。あの頃はいわゆる地下のイベントにもたくさん出てましたし。いろんな意味で今とは違いますね。ほかのアイドルさんたちがビシッと揃ったパフォーマンスを披露する中、私たちはバラバラでボックスもステップも踏めないっていう(笑)。

──観るたびにこっちがだんだん不安になっていきました(笑)。

プー・ルイ 何が一番問題かって言うと、自分たちが下手ってことに気付いてなかったことですね。

ヨコヤマ 確かに気付いてなかった(笑)。

プー・ルイ ライブ終わったらドヤ顔でね。やりきった感出してたよねー。

──でも初期の頃からすでに「nerve」とか「Give me your love 全部」とか、今のライブの核となってる楽曲がすでにあったっていうのがすごいと思います。

左からプー・ルイ、ナカヤマユキコ。

プー・ルイ でもそれが今問題で、核となるのが初期の曲しかないんですよ。みんなで簡単にやれる振り付けがそれくらいしかない。

ナカヤマ え、今もまだ自分たちで振り付けしてるの?

プー・ルイ うん。やってる。

ヒラノ でも今の振りはちょっと難しくてすぐに観て振り付けはできないと思う。人数も増えたし。

プー・ルイ 昔は振り入れも1日で5曲くらいはできたんですけどね。今はもう無理だと思う。

今のメンバーが一番ヤバい

──脱退した2人はあとから入ってきたメンバーのこと気になりました?

ナカヤマ めっちゃチェックしました。

──気になったメンバーは?

ナカヤマ みんな特徴的なのでね、BiSに入る子は(笑)。

──やっぱりそういうの感じちゃいました?

ナカヤマ いやもう毎回すごいのが入ってくるなと。そういう意味では今のメンバーが一番ヤバいなとは思ってますよ(笑)。

──パワーアップしてますか。

ナカヤマユキコ

ナカヤマ してますね。ユフ(テラシマユフ)ちゃんからコショージメグミまでね、すごいパワーアップだよね(笑)。

プー・ルイ 今日もコショージさん遅刻してきました。

ナカヤマ あの子、大丈夫なの?

プー・ルイ 今日は1時間45分の遅刻。初日は2時間の遅刻でした。

ナカヤマ マジかよ(笑)。私がいたらガチギレしてたね。

プー・ルイ そうだよね(笑)。あ、そういえばユケがリナにキレるっていうのもけっこうあったね。

ヨコヤマ そうだ! よくあったね。

プー・ルイ 遅刻してね。

ナカヤマ なんか……ね。ごめんね。何回も怒って。

ヨコヤマ あのときは若くて……。本当に「ちゃんとして!」って思いますもん。

ナカヤマ あははは(笑)。

──今は代表ですからね。

ヨコヤマ 相当ダメな人でしたからね、私。

プー・ルイ 私が書いた「BiStory」って本をリナが読んでくれて、「ルイの気持ちが最近わかるようになった」ってメールが来たときは感動したよ。

今はもう豚骨ラーメンにんにくマシマシ

──今のBiSメンバーを見て思うことはあります?

左からヨコヤマリナ、ヒラノノゾミ、プー・ルイ、ナカヤマユキコ。

ナカヤマ 当時はみんなぶっちゃけやりたくないことも我慢してやってましたし、売れるためにはがんばんなきゃって感じだったんですけど、今のメンバーは当時うちらが嫌々やってたことをめっちゃ楽しんでできる子たちなのかなっていうのは感じますね。まあ見た感じの印象だけですけど。

──なんていうか覚悟の量が違うというか。

ナカヤマ すごいなあって思う。大物感がね、ちょっとヤバいッス(笑)。

プー・ルイ そういう意味ではね、私たちがBiSってそういうものだっていうのを作っちゃったから。新しいメンバーはそれをわかって入ってきてるからね。

ナカヤマ そうだね、なんか変なもの作っちゃったね。

ヒラノ あははは(笑)。

ヨコヤマリナ

ヨコヤマ リナもみんなキャラがいろいろですごい面白いって思う。テンコ(テンテンコ)ちゃんがめっちゃ気になってて。

──ビジュアル的に?

ヨコヤマ ビジュアルもそうなんですけど、中身も。TwitterとかPVとかも見てますし。

プー・ルイ 「ODD FUTURE」のPVで「BiSは好きですか?」と聞かれて首を横にぶんぶん振るところとかね!

ヨコヤマ そうそう(笑)。気になっちゃいます。

プー・ルイ テンコとリナ、声似てるかも。

ナカヤマ うん。それ私も思った。

──プー・ルイとのんちゃんは初期メンバーと今のメンバーを比べて思うことは?

プー・ルイ 今はもうね、うるせえ(笑)。

ヒラノノゾミ

ヒラノ うるさいねー(笑)。

──声がでかい?

プー・ルイ それもあるし、なんか顔からしてうるさい。

──顔がうるさいって(笑)。

プー・ルイ アー写見ても「あー、うるせえな」って思いますもん。個性というか……アクが強いんですかね。初期メンバーはそんなふうに思うことはなかった。自覚してないだけかもしれないけどさわやかなイメージだと思うんですよ。

ナカヤマ さわやか(笑)。

プー・ルイ BiSの歴史の中でいったら初期はさわやか期だと思うんですけどね。だって今はもう豚骨ラーメンにんにくマシマシですよ。

ヒラノ 濃いねー。

──でもそれ、研究員の人たちには「残さず食べてね」って言うんですよね?

プー・ルイ そうです(笑)。

──今の研究員の人たちはそんなこってりしたラーメンを食べてくれそうな人たちばかりですからね。

プー・ルイ そうですね。ありがたいです。

ニューアルバム「WHO KiLLED IDOL?」 / 2014年3月5日発売 / avex trax
映画盤(期間限定生産) [CD+DVD] / 5250円 / AVCD-38910/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
MUSIC VIDEO盤 [CD+DVD] / 4200円 / AVCD-38911/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD盤 [CD] / 3150円 / AVCD-38912
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD収録曲
  1. primal.2
  2. DiE
  3. STUPiG
  4. no regret
  5. マグマト
  6. GET YOU w/Dorothy Little Happy
  7. MURA-MURA
  8. MMGK
  9. BiSimulation
  10. ERROR
  11. nasty face
  12. Fly
  13. Hi
  14. Hide out cut
  15. プライマル。
映画盤DVD収録内容

アイドル・イズ・デッド -ノンちゃんのプロパガンダ大戦争- “Special Edition“

MUSIC VIDEO盤DVD収録内容
  1. ASH
  2. hitoribochi
  3. GET YOU w/Dorothy Little Happy
  4. BiSimulation
  5. Hide out cut
  6. DiE
  7. MURA-MURA
  8. Fly
  9. Hi
  10. STUPiG
  11. ODD FUTURE -プー・ルイ Ver.-
  12. ODD FUTURE -ヒラノノゾミ Ver.-
  13. ODD FUTURE -ファーストサマーウイカ Ver.-
  14. ODD FUTURE -テンテンコ Ver.-
  15. ODD FUTURE -カミヤサキ Ver.-
  16. ODD FUTURE -コショージメグミ Ver.-
  17. primal.2
BiS(びす)

BiS

プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ファーストサマーウイカ、テンテンコ、カミヤサキ、コショージメグミ、そしてマネージャーの渡辺淳之介からなるアイドルグループ。ユニット名は「新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)」の略。2010年をもってプー・ルイがソロ活動を休止し、2011年から彼女が在籍するアイドルグループとして結成された。過激な施策などで話題を集め、何度かのメンバーチェンジを経て2012年7月にシングル「PPCC」でエイベックスよりメジャーデビュー。2013年には「BiSimulation」「DiE」「Fly / Hi」と意欲作を次々にリリースし、終身名誉メンバーにコシノジュンコを迎え話題に。2014年1月には上田剛士(AA= / THE MAD CAPSULE MARKETS)楽曲提供の「STUPIG」をリリース。同年3月にはラストオリジナルアルバム「WHO KiLLED IDOL?」を発売する。さらに7月には横浜アリーナで解散ライブを行うことが決定している。

モルヒネ東京(もるひねとうきょう)

ナカヤマユキコ(Vo)、マッキー(G)、オオシバユウスケ(B)、オオノコウジロウ(Dr)、アンザイ(Key)からなるニューウェーブTOKYOポップバンド。2012年にナカヤマユキコを中心に結成。2013年2月には「トウキョウナイト」のPVを公開し異例のスピードで閲覧数を伸ばしたことで話題に。同年3月には1stシングル「トウキョウナイト」をリリースしレコ発ツアーを開催する。さらに同年8月に「フラッシュバック」、11月には「ループする」のPVを発表。そして12月には2ndシングル「ループする」をリリースした。

アキシブproject(あきしぶぷろじぇくと)

“渋谷と秋葉原を繋ぐアイドルグループ”として2012年に横山利奈(りなはむ)が発起人となり結成。東京・TwinBox AKIHABARAを拠点に秋葉原のオタク文化と渋谷のギャル文化を融合したまったく新しいコンセプトで活動を行っている。2014年3月現在、12人のメンバーが所属し横山がグループの代表に就任。1月から毎週水曜日に定期公演を行っている。