ナタリー PowerPush - BiS

初期メンバー4人が語る「私たちのBiS」

2014年7月8日に神奈川・横浜アリーナにて解散コンサートを行うことを発表したBiS。アイドルの枠にとらわれない過激な施策で常に話題を振りまいてきたBiSだったが解散の時期も決定し、いよいよグループとしての最終段階へと歩みを始めた。

そんな彼女たちにとって最後のオリジナルアルバムとなる「WHO KiLLED IDOL?」が完成。彼女たちの集大成とも言えるこのアルバムは、現在の6人のメンバーにしか出せない“最後のBiS”としての魂がこもった1枚に仕上がっている。そこでナタリーではあえて過去へとさかのぼり、BiSの土台を作り黎明期を支えた初期メンバーへのインタビューを実施。脱退したヨコヤマリナ、ナカヤマユキコに加えて、現在もメンバーとして活動するプー・ルイ、ヒラノノゾミの4人に集まってもらい、初期メンバーだから言えるBiSの成長や未来、さらに今まで語られなかった真相、そして4人にとってのBiSとはなんだったのかを聞いた。

取材・文 / 古川朋久 撮影 / 山崎あゆみ

仲良かったように見せてたんじゃないかな

──4人揃うのっていつ以来ですか?

左からナカヤマユキコ、プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ヨコヤマリナ。

プー・ルイ リナが辞めたとき以来だよね。本当は初期メンバーでごはんに行こうっていう話があったんですけど、のんちゃん(ヒラノノゾミ)が家の片付けをしないといけないとかで来れなくて。

ナカヤマユキコ そうそうそう(笑)。

プー・ルイ 仕方ないから3人で行ったんですよ。

──けっこう大事な日だと思うんですけど……。

ヒラノノゾミ ちょっと探し物が見つからなくて……。

プー・ルイ 家の掃除に負けたんですよ、私たちは!

ナカヤマ 負けたー!

ヨコヤマリナ あははは(笑)。

──ではその機会を逃したのでりなはむ(ヨコヤマリナ)が辞めた日が4人で最後の日になってしまったと。

ヨコヤマ そうですね……うん。

プー・ルイ

プー・ルイ 3年ぶりくらいですかね。私とユケ(ナカヤマユキコ)は頻繁に会ったり遊んだりするんですけど、全員揃うのは本当にあの日以来だね。

──ひさしぶりに会ってみてどうです?

ナカヤマ リナ変わんない!

プー・ルイ 変わんないよね!

ヒラノ うん、変わんない!

ヨコヤマ うそー(笑)。

ナカヤマ リナとはあんまり連絡取り合ってなかったからね。でも活動のチェックはしてたよ。

ヨコヤマ そうなの?

ナカヤマ うん。

プー・ルイ 思い出しちゃったんだけどさ、リナが辞める直前に4人で遊んだよね!

ナカヤマ そうだ! カラオケ行ってプリクラ撮った!

ヒラノ 遊んだ遊んだ!

──話だけ聞くとすごく円満な雰囲気がするんですけど(笑)。

プー・ルイ なんか最後に帳尻合わせようとして、仲良かったように見せてたんじゃないかな(笑)。

ナカヤマ あははは(笑)。

プー・ルイ プリクラをブログにアップして「イエーイ! 円満!」みたいなのはやりましたね!

──まあいろいろあったことは察してほしいと(笑)。

プー・ルイ 当時はホントにいろいろありましたからね。

ヨコヤマリナ

ヨコヤマ うん、あったね。

プー・ルイ まだのんちゃんとリナは若かったし。高校生でしたからね。

ヨコヤマ 2人は同い年で高校3年生でした。

プー・ルイ まだ制服だったもんね。

──年上組とは話しにくかった?

ヨコヤマ 最初からタメ語だったよね?

プー・ルイ そうそう。BiSは上下関係というものが当時から存在しなかったのです。

一歩踏み込んだら終わっちゃった

──当時のBiSってどんな感じでした?

プー・ルイ 自給自足を掲げてやってた時期だったので、活動の内容もフライヤーのレイアウトを自分たちで考えたりとかね。

ナカヤマユキコ

ナカヤマ あー、やってたわ。

プー・ルイ 文字書いたり振り付け考えたりね。あとは当時秋葉原にあった石丸電気のイベントスペースへほかのアイドルさんたちを観に行ったり。一応“新生アイドル研究会”なのでね。それでレポートも書きました。

ヨコヤマ 書いたね。懐かしい。

──レポートってどんな内容の?

プー・ルイ 週に1回定例会議みたいなのをやってたんです。好きなアイドルのレポートとか書いてきて、なんで好きなのか、どういうグループなのかをみんなにプレゼンするんですけど、2回くらいで終わった(笑)。

ナカヤマ そうそう(笑)。

プー・ルイ リナが最初にAKB48さんのことを書いてきて、2回目に萌えをテーマに書けって言われたあと、まったく記憶にない(笑)。一歩踏み込んだらそこで終わっちゃったっていう。

──なんで終わっちゃったんでしょう?

プー・ルイ ちょうどアルバムのリリースとかライブが始まっちゃったからかな。研究終わるの早かった(笑)。

あの頃のBiSは好きじゃなかった

──ユケとりなはむは現在のBiSの情報って追ってます?

ナカヤマ そうですね。やっぱり気になるので。だって常にヤバそうな臭いしかしないんだもん(笑)。

ヒラノノゾミ

ヒラノ あははは(笑)。

プー・ルイ 一番BiSのことわかってるもんね。

ナカヤマ プー・ルイが何かTwitterでつぶやくたびに「これ大丈夫?」って思うもん(笑)。

──りなはむはどうです?

ヨコヤマ 私はユケが脱退発表したライブを観に行って、それくらいの時期からめっちゃBiSにハマって。

ナカヤマ LIQUIDROOM ebisuのときか。

──そのときのBiSに魅力を感じた?

ヨコヤマ はい。私がいた頃のBiSは好きじゃなかっ……。

プー・ルイ いいよいいよ。もう言っちゃいなよ!

ヒラノ あははは(笑)。

左からヨコヤマリナ、ヒラノノゾミ。

ヨコヤマ まあ好きじゃなかったんですよ(笑)。でも観に行ったら元のグループっていうより私が知ってるBiSじゃない違う形で、それが自分的にすごいハマって。ファン的な目線で好きですね。

──じゃあ、それ以降はライブを観に行ったり、楽曲を聴いたり?

ヨコヤマ はい。めっちゃ曲聴いてますよ。

──今のBiSなら入りたいと思う?

ヨコヤマ うーん、それはないですね。

プー・ルイ まあ全然違うグループみたいなもんだよね。

ヨコヤマ そうだね……うん。

ニューアルバム「WHO KiLLED IDOL?」 / 2014年3月5日発売 / avex trax
映画盤(期間限定生産) [CD+DVD] / 5250円 / AVCD-38910/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
MUSIC VIDEO盤 [CD+DVD] / 4200円 / AVCD-38911/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD盤 [CD] / 3150円 / AVCD-38912
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD収録曲
  1. primal.2
  2. DiE
  3. STUPiG
  4. no regret
  5. マグマト
  6. GET YOU w/Dorothy Little Happy
  7. MURA-MURA
  8. MMGK
  9. BiSimulation
  10. ERROR
  11. nasty face
  12. Fly
  13. Hi
  14. Hide out cut
  15. プライマル。
映画盤DVD収録内容

アイドル・イズ・デッド -ノンちゃんのプロパガンダ大戦争- “Special Edition“

MUSIC VIDEO盤DVD収録内容
  1. ASH
  2. hitoribochi
  3. GET YOU w/Dorothy Little Happy
  4. BiSimulation
  5. Hide out cut
  6. DiE
  7. MURA-MURA
  8. Fly
  9. Hi
  10. STUPiG
  11. ODD FUTURE -プー・ルイ Ver.-
  12. ODD FUTURE -ヒラノノゾミ Ver.-
  13. ODD FUTURE -ファーストサマーウイカ Ver.-
  14. ODD FUTURE -テンテンコ Ver.-
  15. ODD FUTURE -カミヤサキ Ver.-
  16. ODD FUTURE -コショージメグミ Ver.-
  17. primal.2
BiS(びす)

BiS

プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ファーストサマーウイカ、テンテンコ、カミヤサキ、コショージメグミ、そしてマネージャーの渡辺淳之介からなるアイドルグループ。ユニット名は「新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)」の略。2010年をもってプー・ルイがソロ活動を休止し、2011年から彼女が在籍するアイドルグループとして結成された。過激な施策などで話題を集め、何度かのメンバーチェンジを経て2012年7月にシングル「PPCC」でエイベックスよりメジャーデビュー。2013年には「BiSimulation」「DiE」「Fly / Hi」と意欲作を次々にリリースし、終身名誉メンバーにコシノジュンコを迎え話題に。2014年1月には上田剛士(AA= / THE MAD CAPSULE MARKETS)楽曲提供の「STUPIG」をリリース。同年3月にはラストオリジナルアルバム「WHO KiLLED IDOL?」を発売する。さらに7月には横浜アリーナで解散ライブを行うことが決定している。

モルヒネ東京(もるひねとうきょう)

ナカヤマユキコ(Vo)、マッキー(G)、オオシバユウスケ(B)、オオノコウジロウ(Dr)、アンザイ(Key)からなるニューウェーブTOKYOポップバンド。2012年にナカヤマユキコを中心に結成。2013年2月には「トウキョウナイト」のPVを公開し異例のスピードで閲覧数を伸ばしたことで話題に。同年3月には1stシングル「トウキョウナイト」をリリースしレコ発ツアーを開催する。さらに同年8月に「フラッシュバック」、11月には「ループする」のPVを発表。そして12月には2ndシングル「ループする」をリリースした。

アキシブproject(あきしぶぷろじぇくと)

“渋谷と秋葉原を繋ぐアイドルグループ”として2012年に横山利奈(りなはむ)が発起人となり結成。東京・TwinBox AKIHABARAを拠点に秋葉原のオタク文化と渋谷のギャル文化を融合したまったく新しいコンセプトで活動を行っている。2014年3月現在、12人のメンバーが所属し横山がグループの代表に就任。1月から毎週水曜日に定期公演を行っている。