初ホールワンマン、我々は気付いてしまった
──前回のインタビューでは、NIGOさんを含め、チームで目標を共有して活動に臨めるようになったという話がありました。具体的にセットリストや、振り付け、演出はどうやって決めていったんでしょう。
プー・ルイ 今回はNIGOさんがセトリを組んでくれたよね。
モモセ そう。ツアー中に3回セトリが変わったんですよ。最初の公演と、地方を回っている最中と、ラストで。
ウイカ 正直、戸惑う部分があったんですよ。「こんなに新曲あるのか……」みたいな。プー・ルイにしたら、初めての曲を含めると新曲が20曲のしかかるみたいな感じで(笑)。
プー・ルイ NIGOさんはナチュラルにドSなんですよね(笑)。加入時から歌ってきてやっと馴染んできたと思った曲を今回はやらないんだ……みたいな。ファイナルで定番曲の「泣きそうサンデー」をやらなかったのもけっこう斬新でした。
モモセ 自分たちで考えたら絶対入れている曲ですからね。
ウイカ 逆にLDHのアーティストさんが出演する大きいイベントとかでは「泣きそうサンデー」をやったり、あえてパンク系の曲を持ってくるみたいな。ツアーやインストアイベントとは違う外の環境で刺激をもらいながら、この短期間でスタッフとの絆が深まった感じもします。
──12月24日に渋谷ストリームホールで行なった、ツアーファイナル「NOT IDOL TOUR -LAST CHRISTMAS-」はいかがでしたか?
プー・ルイ ステージ袖で「子供のように」をアカペラで歌って始まったんですけど、過去の野音のライブで観てカッコいいと思っていたから、アカペラを自分がやれたのはうれしかったです。
ウイカ ステージ袖だったからお客さんにアカペラを歌ってる姿は見せなかったけど、その場でちゃんと歌っていたことを知ってほしかったので、そのステージ袖の様子をスマホで録画して次の日に期間限定でインスタに上げました。初めてのホールワンマンは響く音も気持ちよかったし、お客さんもノりやすそうで、広いところで歌う気持ちよさに我々は気付いてしまった(笑)。次の東京ワンマンは以前もやったことのあるマイナビBLITZ赤坂なんですけど、どんどん大きいところで気持ちよく歌えるようになりたいなって。広いところで歌えることに喜びを感じたし、それを目指したくなったのは、ファイナルで実感したことかなって思います。
──ヒラノさんも頷きながら聞いていましたけど、広いところで歌う楽しさを感じましたか?
ヒラノ 緊張しますけど、楽しいですね。盛り上がってくれていたし、ビリーのファンがたくさん駆け付けてくれたし、ファンに恵まれているなと改めて思いました。
ウイカ 広い会場でいいスピーカーだとノンちゃんの声もよく聴こえるもんね。
ヒラノ めちゃくちゃよく聴こえた! ハモリのパートを歌っていてあまりに声が通るから「これでいいのかな?」って思っちゃった(笑)。
ウイカ 本当は「もっと出せや!」って思っているでしょ(笑)。
一同 (笑)。
アキラ 今年はハモリをもっと広めたいって話していましたもんね。
ヒラノ 昨年12月に出演した音楽万博「m-flo presents OTAQUEST LIVE」でコブクロさんのステージを観て、改めて歌のすごさに気付いて感動して。ああいうふうになりたいです。
新境地を開拓できそうな「そして、また、、」
──今回リリースされるシングル「そして、また、、」を聴いて、1人ひとりの表現力がとても高いと思ってびっくりしたんですよ。
プー・ルイ 基本的に楽屋でもみんな歌ってるもんね。練習とかじゃなくて、モノマネがほとんどだけど(笑)。
モモセ 私個人の話では、モモセらしさみたいな部分を歌で出していたけど、プー・ルイさんが入ったことによって、もうちょっと自由にできるようになったというか、もっと遊んでもいいなと思えたんです。4人のときは、声も4つしかないから、「私はこう歌わなきゃ」という気持ちが強かったので。
ウイカ プー・ルイが加わったことで、力を入れ続ける状態に遊びができた感じはあるよね。
モモセ そう。とにかく行き詰まっていたし、これ以上いけないかもなんて思っていたんですけど、開放されました。
──ウイカさんは歌い方で意識したことはありますか。
ウイカ いつも曲に合わせて色々挑戦するんてすけど、今回はその中でも歌詞や雰囲気をいかに印象付けられるかを考えましたね。曲自体も「時の旅人」や「STAY」とかとも違った雰囲気バラードで、今までにない感じの曲ですよね。
プー・ルイ 不思議だよね、この曲がシングルって。
ウイカ この曲は「NOT IDOL」のレコーディング時に録ったんですけど、次のシングル曲がどれになるか私たちは知らなくて。「そして、また、、」はこれまでの曲と比べると異色だったので、レコーディングのとき「こういう感じで歌おうね」というディレクションもなく、のびのび歌ったんです。サビで輪唱みたいな追いかけるコーラスもあって、1人ひとりが独立したパートを歌っているけど、それぞれが支え合ってるみたいな。みんなの素直な感じがそのまま入っているんじゃないかと思います。これまでのBILLIE IDLEっぽくないから、お客さんは最初ライブで戸惑うかもしれないと思ってました。正直、私たちも戸惑いましたし。ツアーファイナルで初披露したんですけど、BILLIE IDLEにとって新基軸になり得るというか、また1つ違うステップを踏めた感じがしました。ただ、これを最初に聴いたら、どういうグループかわからないかも。
──確かにこのシングルだけを見たら、これまでのBILLIE IDLEのイメージとは違う印象を受けそうですね。
プー・ルイ そういう意味もあって、この曲がシングルになったのが意外だと思ったんです。
ウイカ この曲でBILLIE IDLEを知った人には、ぜひグループの歴史を遡ってもらいたいし、過去から今までの曲聴いてもらうことで、初めて意味が見える感じがする。あと「そして、また、、」の「また」のあとに何か言葉を付けて大喜利をしてほしい(笑)。
プー・ルイ 発売日に流行らそうよ!
ウイカ 一番面白かった人に何かあげよう。
プー・ルイ 私たちがその人のTwitterアカウントをフォローするとか? お金もかからないし、みんなも喜ぶはず(笑)。
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付き合っていた人にふられてしまって