ぶっちゃけウイぽんのこと苦手でした
──6月6日の新体制お披露目ライブを終えて、メンバーは新しいBILLIE IDLEに対してどんな感情を持ちましたか?
ウイカ プー・ルイと一緒にやって、今までで一番メンバーが輝いて見えたし、何よりみんな楽しそうだったんです。まさにこの5人でやるためにBILLIE IDLEがあったと思ってしまうくらい、いいライブでした。
プー・ルイ 私は“大型新人”という名の客寄せパンダなので。私が入ることによって来てくれる人もいるだろうし、来てくれさえすれば絶対にBILLIE IDLEのことを好きになってくれる自信がありました。それは私が入るからということではなくて、私が入る前から本当にBILLIE IDLEのことをカッコいいなって思っていたので。私の人脈を駆使して、いろんな人をBILLIE IDLEにハメたいです。
ウイカ 私も結成した頃は自分の人脈を使ってもっと布教活動をしたかったけど、そもそもライブをする機会が少なかったからそういうこともあまりできなくて。その2年って私たちにとってとても大きかったんですけど、ライブができないままただ歳を重ねていった、みたいな。フラストレーションもあったので、その2年を取り返したいという気持ちはあります。それに今はNIGOさんの気持ちも変わったし、プー・ルイも入ったしで、耕してた畑で遠慮なく苗を急成長させまくりたいです。
プー・ルイ 初見の人は絶対にモモセの歌に魅了されるはず。界隈では一番のボーカリストだと思いますよ。自分と言うよりはほかのメンバーのすごさに気付いてほしいですね。アキラもいい歌詞を書きますし。あまり人を褒めない私がそう言ってるので間違いないです。尊敬してるからこそ私も追い付きたいという気持ちになってる。
ウイカ 元BiSの3人という汚れ切った色物にも見える中に、実力のある姉妹という組み合わせ。このバランスはいいし、ほかには出せない味がある。絶対に強い城を築けると思いますよ。姉妹は今「先輩たち、しゃべりすぎ!」って思ってるかもしれないけど!(笑)
アキラ いやいや、真剣に聞いてましたよ!
──初めての後輩がプー・ルイという状況、普通は考えられないですよね。
アキラ びっくりしましたよ。尊敬するところが多すぎて……。
ウイカ ごめんね、もっと先輩面できるようなメンバーを入れなくて。
プー・ルイ 後輩としては一番ダメなヤツが入ってきちゃったからね。
アキラ そんなそんな!
プー・ルイ タメ口で全然いいからって言ったんですけど「今さら無理です!」って言われました(笑)。
モモセ 敬う気持ちがあるので(笑)。
プー・ルイ でもBiSのときはだいぶ年下の子からタメ口でしたからね。
──やりにくそうな感じも若干しますが(笑)。
アキラ いや、全然ないです! ベテランなので……。
──ちょっと言葉に壁がありますね(笑)。BiSを好きな人にとって、もはやプー・ルイさんは生きる伝説みたいなもんですから。
アキラ ステージの上でのことはたくさん勉強になってますし、もっとプー・ルイさんから吸収したいです。
ウイカ 後輩ができると人間って成長するじゃないですか。ベテランのプー・ルイが後輩だけど、ダンスとか教えなきゃいけないことがたくさんあるので。私がアキラを新人教育係に任命したんですけど、一生懸命、丁寧にプー・ルイに教えてくれてて助かってますよ。そうやって新しい人間関係を築いていってほしいです。
プー・ルイ そう言ってますけど2014年の旧BiS時代、ウイぽんとはうまく話せなかったんですよ。冷戦状態のときもあったくらいで。
ヒラノ 静かに火花が散ってました。
ウイカ 私はものすごくプー・ルイに対して気を遣っていたし、プー・ルイがそれに気付くと「言ってよ」ってなるけど、それは言えないじゃないですか。
プー・ルイ 若さゆえじゃないですけど、自分よりすごい人って脅威だし認めなくないものですよね。だから「ダンスどうやるの?」とか聞けなかったんです。だけどBILLIE IDLEに入るって決まったあとに初めてウイぽんと4時間くらい話したんです。ぶっちゃけ、ウイぽんのことが最初は苦手だったので。
ウイカ 2人でじっくり話すとかはそれまでなかったよね。
プー・ルイ そこでがっつりと2人で話したことで、私も彼女のことを間違って捉えてたなって。
ウイカ すげえいい人なんですよ、私(笑)。
プー・ルイ わかりづらいところがあるんですよね。本音を言ってるのかわからなかったから。でもそれは自分がひん曲がって彼女の言動を捉えてしまっていたからだということに気付いたんです。
ウイカ 旧BiSのときに1年半くらい一緒に過ごして、それから別々のことを3年くらいやってまた一緒になるという。ほかでは決して得られない絆みたいなものが新しく生まれたような。元サヤじゃないけど、昔のダンナとひさしぶりに飲んだときの心地よさ、みたいな感じですかね。プー・ルイとは同い年で芸能の仕事を始めたのも同じ年だし。すごく近い人生を歩んでたんですよね。そんな2人が同じ気持ちで同じところを目指したら、思いは2人分になるじゃんって話をして。それにすごく感動しました。
プー・ルイ 私も感動しました。
──あの頃とはそれぞれがまったく違う見方をできるようになったと。
プー・ルイ 全然違いますね。
ウイカ もうお互い全然気を遣わないですね。言いたいことは言いますし。メンバーのことに対しても同じ思いがありますね。
プー・ルイ 「のんちゃん、今おとなしいよね」とか。
ウイカ メンバーとして正式加入する前から私が思ってるメンバーに対する気持ちと一緒だったし。それにこうやってインタビューでもしゃべる人がもう1人増えて、私の仕事が少しラクになるのもいいことですね(笑)。
来た人を全員ぶっ殺す気持ちでいます
──今回リリースされる「BILLIed IDLE 2.0」は、プー・ルイ加入ということで全曲を再録したんですね。
ウイカ そうです。私たちも全部録り直しました。最新のシングル曲も録り直しましたから。
──そこはプー・ルイさんも加入して気持ちも新たになったので、やっぱり全部録り直したいというNIGOさんのこだわりなんじゃないですかね。
ウイカ そういうことだと思います。同じ歌詞を歌っても違うニュアンスになってるかもしれないですし、歌割りも変わりますしね。それにプー・ルイがこの4人となじんでいっているのもレコーディングを通して感じました。
──ちょっと心配だったのがプー・ルイさんの声が入ると途端にBiSっぽくなっちゃうんじゃないかという先入観があって。でもできあがった音源を聴いて、まったくそんなことはなかったですね。むしろBILLIE IDLEにすごくなじんでいました。
プー・ルイ レコーディングはすごく難しかったんですよ。曲のタイプが今まで歌ってたBiSとは違いすぎるので。簡単に説明するとBiSは私のそのままを出す。でもBILLIE IDLEは全部演劇と言うか、世界観に寄せていく必要があるので。今までやってきてないことだったので難しいなって。あと歌い方も1つ上のことを要求されます。やっぱりBILLIE IDLEはみんな歌がうまいんですよ。レコーディング1日目でヤベえなって思ったので、個人的にお世話になってるボイトレの先生に相談して調整しました。
ウイカ とは言えプー・ルイの声はビリーに合うと思います。ちょうど4人にはいないタイプのボーカリストなので。ポジション的には高めな声なのでモモセとは近いものがあるんですけど、声質が違いますし。あとプー・ルイの歌声ってシャープで抜けていくんですよね。かつ、嫌な感じではなくてエモさも自然に出てくる。今までにいない役者が入ってくるのはサウンド的にも厚みが出ますし、振り付けを作るときにも新しいストーリーを考えられます。グループとしてのパフォーマンスの難易度も上がりますけど、私としては面白いなって思ってます。
──ボーカリストとしてのプー・ルイについて、モモセさんはどう思いますか?
モモセ プー・ルイさんは歌がすごく好きな人だと感じているし、そんな人と一緒に歌えるのは刺激になります。学ばなきゃいけないことが多いですね。私も「LAST ALBUM」のときに歌に対するモチベーションが下がってしまったタイミングがあったんですけど、プー・ルイさんが入ってきたことによって歌に対する新しい目標も見えてきました。
──ヒラノさんはひさしぶりにプー・ルイさんの歌声をそばで聴いてどんな思いがありますか?
ヒラノ ルイちゃんの歌声にあわせて、私がまたハモれる日が来るとは。旧BiSが解散してまた一緒に歌えることに意味を感じてます。
──「どうせ消えてしまう命なら…(BI$ Edition)」は旧BiS3人での歌唱となってます。聴いていてなんだか感慨深かったです。一瞬だけですけどBiSが頭をよぎりました。
ウイカ 松隈(ケンタ)さんの楽曲ですしね。後ろのほうで残像のようにBiSが見えるかもしれないです。でもあの頃よりもみんな歌がうまくなってるんです。
──成長した3人が別のグループで再会して同じステージに立つという状況もまたエモいです。
ウイカ これをほかでやったらうまくいかないと思うんですよ。NIGOさんだからこそ生み出せた3人のバランスと雰囲気だろうなって。お互いが刺激しあっていい作品を作っていけると感じたし、姉妹は姉妹で「エンドロール ($I$ Edition)」がすごくよくてグッときちゃった。
──今回のアルバムはこれからのBILLIE IDLEの可能性が凝縮されてますよね。だからこそ、あえてこの5人の新曲はないということでしょうか。
ウイカ そういうことでしょうね。「FIRE AFTER FIRE」のカバーなんて最初びっくりしたんですが、きっとこれはNIGOさんが歌詞に惹かれて選曲したんだろうなって思います。
──アルバムを引っ提げて、5人で初めてのツアーが始まります。
ヒラノ すごく楽しみです。どんなことが起きるのか。
プー・ルイ 「どんなもんだ!」って、来た人を全員ぶっ殺す気持ちでいます(笑)。
──さっき「ぶっ壊すつもりはない」って言ってたのに、お客さんに対してはSなんですね(笑)。
ウイカ 6月6日のライブではプー・ルイ目当てで来てくれた新しい人がすごくビリーにハマってくれたんですよね。ビリーのことを知らない人はまだたくさんいるので、このツアーは一気に認知度を広めるチャンスでもあるはず。今までのファンは複雑な思いがあると思いますけど、私たちも一緒に乗り越えていくのでもうちょっと見届けてほしい。そうしたらこの5人のよさをわかってもらえると思うので。みんなを見捨てるつもりはもちろんないけど、置いていくくらいの勢いで私たちは勝負をかけていきます。ファンのみんなはどうか気持ちを強く持って、私たちと一緒に歩んでいってください。
- BILLIE IDLE「BILLIed IDLE 2.0」
- 2018年7月4日発売 / オツモレコード
-
[CD2枚組] 3000円
DDCZ-2209(OTSUMO-013)
- 収録曲
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DISC 1「BILLIed IDLE 2.0(BEST ALBUM)」
- anarchy in the music scene
- MY WAY
- さよならロマンティック
- どうせ消えてしまう命なら... (BI$ Edition)
- by
- 当の夢を
- STAY
- be-bop tu-tu
- 泣きそうサンデー
- pet
- 愛 SUNSUN
- ラストソング
- be my boy
- HUMANOID
- ジャッキーの大冒険 ~地獄よりの使者~
- エンドロール ($I$ Edition)
- メモリーズ
- 彼方に...。
- P.S.R.I.P.
- 時の旅人
DISC 2「IDLE FELLAS 2.0(COVER ALBUM)」
- FIRE AFTER FIRE(聖飢魔IIカバー)
- フレンズ(REBECCAカバー)
- バージンブルー(SALLYカバー)
- Forever(少女隊カバー)
- ふられ気分で Rock'n' Roll(TOM CATカバー)
- 神様ヘルプ! (チェッカーズカバー)
- 想い出がいっぱい(H2Oカバー)
- BYE-BYE(有頂天カバー)
- ツアー情報
BILLIE IDLE BILLIed IDLE TOUR 2.0 -
- 2018年7月15日(日) 埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2018年7月21日(土) 北海道 COLONY
- 2018年7月28日(土) 大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
- 2018年7月29日(日) 愛知県 ell.SIZE
- 2018年8月4日(土) 福岡県 DRUM SON
- 2018年8月12日(日) 宮城県 enn 2nd
- 2018年8月18日(土) 東京都 UNIT
- BILLIE IDLE(ビリーアイドル)
- ファーストサマーウイカ、ヒラノノゾミ、モモセモモ、アキラ、プー・ルイの5人からなるガールズユニット。NIGOと、BiSHやBiSを擁する音楽プロダクション・WACK代表の渡辺淳之介の共同プロデュースにより「ネオ80's」をテーマにしたサウンドとビジュアルイメージで、2015年4月に1stアルバム「IDLE GOSSIP」でCDデビューを果たした。9月に2ndアルバム「ROCK"N"ROLL IDLE」を発表し、12月には主催ライブイベント「BILLIE IDLE presents Brand-new Idle Society」でかつての盟友と競演。2017年4月にベストアルバム「BILLIed IDLE」とライブアルバム「LAUNCHING OUT」、8月にシングル「MY WAY」を発表した。11月にニューアルバム「LAST ALBUM」を発売し、11月末から全国ツアー「LAST TOUR」を開催。2018年2月にNIGOと渡辺による共同プロデュース最後となるシングル「P.S.R.I.P.」をリリースし、このシングルのリリースツアーのファイナルとなる5月の東京・UNIT公演で元BiSのプー・ルイの電撃加入が発表された。6月に東京・マイナビBLITZ赤坂で新体制お披露目ライブ「WELCOME TO BILLIE IDLE」を行った。7月にNIGO単独プロデュースの新体制第1弾となるニューアルバム「BILLIed IDLE 2.0」をリリース。新作を携えたツアー「BILLIE IDLE BILLIed IDLE TOUR 2.0」で全国7カ所を回る。