売れちゃうと言われて逆にゾッとした

──そして4月に1stアルバム「IDLE GOSSIP」がリリースされました。楽曲自体は1月のライブで披露したものがすべて収録されて、ここで世の中にBILLIE IDLEの楽曲の方向性が広まったと思うのですが、手応えみたいなものは感じましたか？

ヒラノ　ライブではみんな面白がってくれてましたね。おそらく最初は様子見って感じの人も多かったと思うんですけど、「be my boy」とかノリのいい楽曲がかかると楽しそうにノッてくれましたし。そのときに手応えを感じた記憶があります。

ヤスイ　最初のライブでは頭が真っ白だったんですけど、私もみんなの反応がよかったのは覚えてます。自分自身の力を発揮できたという意味でも手応えは感じましたね。ただ、まだ満足はしてないです。

モモセ　私もアルバムを出してCDデビューはしたけど、自分としてはまだ満足はしてなくて。人前で見せられるレベルっていうか、お金を払って来ていただいてるのでもっとがんばらないととは思ってます。

──プロ意識が高いですね。

モモセ　そうなんでしょうかね。お金を払ってもらっている以上はもっといいものを見せていきたい。

──常に自分に満足できない？

モモセ　そうですね。この程度ならいいかって思うのもわかるけど、もっとできるでしょ、みたいな。もちろん一生懸命やってはいるんですけど、そこが終わりじゃないですよって思っちゃう。

──ウイカさんは4月の時点でBILLIE IDLEをどう見てましたか？

ウイカ　毎回、あまり満足度というのは基本的にはそんなに高くなくて。1月のお披露目ライブも4月のワンマンライブも終わった直後から反省会を脳内でやってるんですけど、私の予想に反して周りの方はすごく褒めてくださって。BiSのときに褒められたことなんて数えるほどしかなかったのに（笑）。

一同　あはははは（笑）。

ウイカ　実際、お披露目ライブが終わったあとに渡辺さんからも「最高だったよー、売れちゃうねー」とか言われて。逆にゾッとしました（笑）。

──BiSを経験してる2人からすると、最初からそんなに順風満帆だと違和感を感じてしまうと？

ウイカ　ありがたいお言葉ですし素直に受け止めますけど、これだけ「満足した」みたいな感想ばかりだと、向上するためのモチベーションをどこに持っていこうかっていう話になるわけですよ。NIGOさんからも「完成形を見た気がします」とすごくうれしい言葉をいただいたんですけど、さて、ここからどうクオリティを上げていこうかと。難しいですけど、結局満足度が今回100点だったら次は200点、次は300点っていう感じで自分たちでハードルをどんどん上げていくしかないのかなって。あと私たちはラフォーレミュージアム原宿でライブをやることが多くて、今はあの場所がホームみたいになってるんですけど、まずはあの会場をいっぱいにしていきたいと思ってます。そういう意味では4月のワンマンをやったときは、BILLIE IDLEの今後の基盤になるようなライブが作れたと思います。

──ウイカさんとしても納得いくものができたと。

ウイカ　そうですね。私から見ても3人はすごいと思いますよ。この間まで素人だった2人がライブで多くのお客さんを満足させてるんですから。だからやればできる子なんですよ（笑）。

ヒラノ　もともとBiSを好きでいてくれたファンの人たちは音楽好きな人が多くて、BILLIE IDLEの楽曲もすごく気に入ってくれているみたいです。「この曲、面白いね」って言ってくれたのはありがたいなって思いました。

ウイカ　今、現場に通ってくれている世代の人たちに響くものは作れていると思います。皆さん、聴くジャンルが多岐にわたってますよね。そういう人たちのアンテナにちゃんと引っかかってるとは思ってます。私自身、アイドルソングとかまったく興味がないし昭和歌謡とか90年代ロックとかそういうほうが好きなんですけど、BILLIE IDLEの楽曲は単純に音楽として好きで普段から聴いてます。たまにBiSみたいな激しい楽曲がいいっていう人もいるんですけど、それはそれで今後出すかもしれないし、私たちのいろんな変化を楽しんでほしいです。