音楽ナタリー Power Push - BIGMAMA×UNISON SQUARE GARDEN

10年選手の2バンドが“5年ぶり”の再会

バーベキューで例えるなら

──どちらかの企画に出演するという形での競演は、ユニゾンが2011年に開催した自主企画「fun time holiday 3」の北海道公演以来ですね。

UNISON SQUARE GARDEN

田淵 そうですね。そのライブから5年も経っちゃったけど、その間もずっとBIGMAMAを誘って一緒にやりたいっていう気持ちがあって。でも、時期を見計らい続けていたというか。

柿沼 俺らもユニゾンとやりたいという思いはありつつ、ただ仲がいいっていうだけを理由にしたくなかった。お互い第一線でやってるからこそ、ベストなタイミングで呼びたかったんですよね。だから今回この10周年というスペシャルなタイミングで実現できてよかったなと思ってるし、いずれはZeppツアーとかを一緒にやれたらいいなという思いもあって。

田淵 極論だけど、ジャパンツアー、ワールドツアーみたいなことも考えたいよね。

斎藤 わー、いいねえ。台湾に連れて行ってほしい!

金井 ふふふ(笑)。台湾はおいしいものもたくさんあるし、すごくいい場所だよ。

柿沼広也(BIGMAMA / G, Vo)

柿沼 この前さ、金井は来れなかったけど、それ以外のメンバーでユニゾンのワンマン(参照:ライブレポート「最高でした!」UNISON SQUARE GARDENツアー、NHKホールで終了)を観に行って。年々MCが面白くなっていて、ストイックな演奏とのギャップがすごいなと感じました。あと僕はいつもユニゾンのライブを観ると、どこかにパンク精神を感じるんですよ。すごくポップなものをやってるにも関わらず。僕らもそうですけど、バンドをずっと続けているとすごく仲がいいときと、ちょっと仲が悪いときとかがあるんです。そういう仲が悪かったであろうときの、音同士で戦ってる感じってやっぱりわかるんですよね。で、そういうのを経て築き上げた信頼感がこの前観たワンマンライブですごく感じられて、僕が知らない完成形を作り上げたんだなって、ジェラシーを抱きました。もうね、純粋にめちゃくちゃよかったです。

東出 本当にあの日のライブはよかったよね。ユニゾンの3人は個々が確立されてるなって改めて思った。3人それぞれの存在が濃厚というか、5人でやってるうちらとは責任感の比重が少し違うのかなとも思ったりして。カッキーが言うパンク精神ももちろん感じましたし。ポップの中に潜んだパンクな部分が聴いてる側としてはクセになって、あの感じを体感したくてお客さんがライブに何度も足を運ぶんだなって思いましたね。

柿沼 ライブを自分たちの庭でやるバーベキューに例えたら、僕らの場合は「みんなで花火やろうぜ!」って感じで、ユニゾンの場合は田淵がしれっと肉を焼いて1人ひとりに渡してるみたいな感じがするんだよね。

リアド偉武(BIGMAMA / Dr)

リアド あはは(笑)。わかる気がする。

安井 しかもその田淵が焼いた肉、めっちゃうまいんでしょ? 花火をやってワーキャーしなくても、本質でしっかり勝負してるというか。

金井 肉質でね。A5ランクには言葉がいらないんだよ。

柿沼 ははは(笑)。そういうこと!

安井 うちらの場合は花火をちゃんとしたところで買って……。

東出 その話まだ続くんかい! もうええって!(笑)

ものすごく特別なものを観ちゃった夜になる

斎藤 僕ら3人は好みの音楽の違いもあって、好きなバンドもバラバラ。それでも3人が口をそろえて好きだって言えて、人間としても好きだと言えるバンドってBIGMAMA以外あんまりいなくて。イベントに呼ぶにしても、3人のうち誰かが呼びたいって思うバンドを挙げて、みんなで話し合ってからそのバンドに出てもらうっていうパターンが多いんですよ。本当にBIGMAMAは僕らにとって、貴重で大事なバンドだよね。

田淵 そうだね。だから5年くらい一緒にライブをやってなくても、そんなに離れている気がしなかったし、次一緒にやるときも価値があるものとして実現できるだろうなっていう感じがしていました。

斎藤 だからBIGMAMAから誘いが来たって聞いたときには、どんな形であれ彼らのアニバーサリーを一緒にお祝いしたかった。ちょっと無理してでも出るってスタッフに伝えて。それこそNHKホールにみんなが観に来てくれたときに、スケジュールの調整もしてない段階で「誘ってくれてありがとう! 出るよ!」って伝えたもんね。

東出真緒(BIGMAMA / Violin)

東出 すごいライブを観たあとに、そのすごいライブをしてた人たちにそんなこと言われたからうれしくてたまらなかったですね。

──対バンライブの内容は決まってきてるんですか?

金井 このライブでやりたいことはシンプルにユニゾンと対バンするということだけなんですよ。

田淵 2日間、セットリストは変える?

金井 変えるかな。きっと。

田淵 会場が違うからやり方も変わるよね。初日をやってみて、決めてたものを変更する可能性もあるっていうのもあるよ。

金井 あー、そう来るか(笑)。

田淵 ふふふ(笑)。あと会場の規模感がいいよね。両方1000人以下。

──この規模でこの組み合わせとなると、チケットの競争率が高そうですよね。

金井 来れた人はラッキーだと思いますよ。

田淵 いやー、本当に楽しみだね。僕、2つのバンドがライブをやるだけで価値があるイベントってすごくいいなと思っていて。2組のライブを観て、「すげえいいもん2つも観ちゃった!」と思って帰ってもらえるのがすごく好き。BIGMAMAは絶対いいライブをするのをわかってるから、それだけでセットリストの組み方がいつもとは変わってくると思います。ただ2バンドがやってるだけですごいことになるっていうことを確信しているので、僕はとてもワクワクしています。その日のライブに来た人は、観た人にしかわからない「ものすごく特別なものを観ちゃった」っていう感覚を抱いてもらえると思いますよ。

鈴木貴雄(UNISON SQUARE GARDEN / Dr)

鈴木 BIGMAMAと一緒にやるとなったらいつも通りハッピーにやるぞっていうのに加えて、パンク魂に火がつきますね。心のどこかでいい意味の「ぶっ潰すぞ」っていう回路が出てくると思うので、全力でぶっ潰しに行って、かつどんなふうにぶっ潰されるのかっていうのを考えるだけでワクワクする。当日はドラムにダイブしないように気を付けないと……。

田淵 ぶっ潰すってそういう意味なの? 物理的だね(笑)。

鈴木 気持ちがアガってくるとやりたくなっちゃうんだよね。で、やっちゃうと後悔する。「絶対リアドよりいいドラム叩くぞ」とか、そういう気持ちでドラム叩けるのは幸せですね。ツーマンだと負けたくないぞっていう気持ちがより強くなる。絶対いい夜にしてやるっていうポジティブな気持ちが湧いてきます。

斎藤 絶対にいい演奏をして、いい歌を歌って、いいライブにしないとめっちゃ後悔すると思うんだよね。だから当日はちゃんといいライブを叩きつけて、次のBIGMAMAにたすきを渡したいな。

──今斎藤さんが「次のBIGMAMAに」とおっしゃいましたが、当日の出演順はまだ決まってないんですよね?

斎藤 え、BIGMAMAがトリじゃないの!?

柿沼 わかんないですよ(笑)。

田淵 でも先に出て、ケツに火つけたいよね。

斎藤 それでさ、金井くんの第一声を裏返らせたいな(笑)。

左からBIGMAMA、UNISON SQUARE GARDEN。

金井 第一声が裏返ることはよくあるから(笑)。僕はユニゾンが好きでライブに通ってる人のことをセンスがいいなと思うし、同時にBIGMAMAのライブに通ってくれてるファンもセンスがいいと思う。で、ユニゾンもBIGMAMAも好きな人に出会ったとしたら、「お前超わかってるな!」って言いたいし、その上でユニゾンも大好きだけどBIGMAMAのほうがあと1mm多く好きだっていう人が現れたらもう抱きしめますね(笑)。今回のライブは両バンドのステージが終わったときに、そういう人が集まった場所になったらいいなと思います。それはこのライブだけの話じゃなくて、10年後にこの日を振り返ったときに「あんな楽しい日があったね」って思い出せる日になったらいい。そういうバンドだと自分を信じているし、ユニゾンに対してもそう思う。ライブに来てくれる人はなんの準備もいらないのでただただ楽しんでいってほしいですね。

BIGMAMAライブ情報「BIGMAMAnniversary 2016~2017」

MAMonthly Special「The BestMAMA's Day 2016」
2016年5月8日(日)東京都 Zepp Tokyo
<出演者>
BIGMAMA
MAMonthly Special「You Are The SPECIALS」
2016年6月2日(木)大阪府 BIGCAT
<出演者>
BIGMAMA / UNISON SQUARE GARDEN
2016年6月3日(金)大阪府 umeda AKASO
<出演者>
BIGMAMA / UNISON SQUARE GARDEN
2016年7月7日(木)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
<出演者>
BIGMAMA / THE ORAL CIGARETTES
2016年7月8日(金)愛知県 THE BOTTOM LINE
<出演者>
BIGMAMA / THE ORAL CIGARETTES

UNISON SQUARE GARDENライブ情報
UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2016 「Dr.Izzy」

  • 2016年7月15日(金)東京都 オリンパスホール八王子
  • 2016年7月18日(月・祝)岡山県 岡山市民会館
  • 2016年7月20日(水)広島県 JMSアステールプラザ大ホール
  • 2016年7月22日(金)静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)
  • 2016年7月23日(土)岐阜県 岐阜市民会館
  • 2016年7月29日(金)石川県 金沢市文化ホール
  • 2016年7月31日(日)東京都 昭和女子大学人見記念講堂
  • 2016年8月2日(火)大阪府 オリックス劇場
  • 2016年8月3日(水)大阪府 オリックス劇場
  • 2016年8月5日(金)奈良県 奈良県文化会館国際ホール
  • 2016年8月8日(月)神奈川県 神奈川県民ホール
  • 2016年8月15日(月)東京都 中野サンプラザホール
  • 2016年8月16日(火)東京都 中野サンプラザホール
  • 2016年9月10日(土)新潟県 新潟LOTS
  • 2016年9月11日(日)福井県 福井まちなか文化施設 響のホール
  • 2016年9月16日(金)鹿児島県 CAPARVO HALL
  • 2016年9月18日(日)長崎県 DRUM Be-7
  • 2016年9月19日(月・祝)熊本県 熊本B.9 V1
  • 2016年9月22日(木・祝)秋田県 Club SWINDLE
  • 2016年9月23日(金)岩手県 Club Change WAVE
  • 2016年9月25日(日)青森県 青森Quarter
  • 2016年10月1日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2016年10月5日(水)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2016年10月7日(金)高知県 X-pt.
  • 2016年10月8日(土)愛媛県 niihama Jeandore
  • 2016年10月10日(月・祝)鳥取県 米子 AZTiC laughs
  • 2016年10月18日(火)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2016年10月20日(木)大阪府 なんばHatch
  • 2016年10月21日(金)大阪府 なんばHatch
  • 2016年10月27日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2016年10月28日(金)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2016年10月30日(日)山梨県 甲府Conviction
  • 2016年11月2日(水)北海道 帯広MEGA STONE
  • 2016年11月3日(木・祝)北海道 Zepp Sapporo
  • 2016年11月18日(金)福島県 郡山市民文化センター 中ホール
  • 2016年11月23日(水・祝)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2016年11月25日(金)長野県 ホクト文化ホール 中ホール
  • 2016年11月28日(月)福岡県 福岡国際会議場
  • 2016年11月30日(水)香川県 サンポートホール高松
  • 2016年12月1日(木)愛知県 日本特殊陶業市民会館
  • 2016年12月6日(火)京都府 ロームシアター京都メインホール
  • 2016年12月9日(金)埼玉県 大宮ソニックシティ
  • 2016年12月11日(日)栃木県 栃木県総合文化センター
  • 2016年12月16日(金)千葉県 市川市文化会館
BIGMAMA(ビッグママ)
BIGMAMA

金井政人(Vo, G)、リアド偉武(Dr)、柿沼広也(G, Vo)、安井英人(B)、東出真緒(Violin)からなる5人組バンド。2002年に東京・八王子で結成され、メンバーチェンジを経て現在の編成に。2006年7月にミニアルバム「short films」をUKプロジェクト傘下のレーベル・RX-RECORDSから発表し、2010年10月には“ロック×クラシック”をテーマにしたコンセプトアルバム「Roclassick」を発売した。その後も彼らはコンスタントにリリースやライブツアーを重ね、2015年2月に6枚目のオリジナルアルバム「The Vanishing Bride」を発表。同年4月から10月にかけてキャリア最長のワンマンツアー「The Vanishing Bride Tour 2015 ~消えた花嫁を探せ!~」を開催した。デビュー10周年の2016年、現体制になって10周年の2017年は「BIGMAMAnniversary 2016~2017」と題したアニバーサリー期間とし、これまで以上に精力的に活動を行っていくことを発表。その幕開けを飾るシングル「SPECIALS」を2016年3月にリリースした。

UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾンスクエアガーデン)
UNISON SQUARE GARDEN

斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)からなる3ピースロックバンド。2004年7月に結成され、都内を中心に活動を開始する。2006年8月に1stミニアルバム「新世界ノート」をリリースし、ライブハウスおよび下北沢ハイラインレコーズのみの販売で1000枚を完売。2007年にはメンバー主催のイベントをスタートさせ、同年12月には初の単独ライブを成功させる。2008年7月にシングル「センチメンタルピリオド」でメジャーデビュー。アニメ「TIGER & BUNNY」のオープニングテーマとして制作した2011年5月リリースのシングル「オリオンをなぞる」で広く注目を集める。全国各地の音楽フェスやライブイベントにも精力的に出演し、NHKホールなどでの単独公演にも注力。2015年5月にアニメ「血界戦線」のエンディングテーマ「シュガーソングとビターステップ」をシングルリリースし、同年7月にはバンド結成10周年を記念したアルバム「DUGOUT ACCIDENT」を発表した。2016年1月、バンド史上初の東京・日本武道館でのワンマンライブの模様を収めたライブDVD「UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL "fun time 724" at Nippon Budokan 2015.7.24」をリリース。7月に約2年ぶりとなるフルアルバム「Dr.Izzy」を発表し、本作を携えて40カ所44本というバンド史上最多公演数となる全国ツアーを行う。