ナタリー PowerPush - BENNIE BECCA
革命的新ユニット誕生 BENNIE K+BECCA=無限大!?
BENNIE Kが、YUKI(トラックメイキング)、CICO(ラップ)を主体としたBK Projectとして再始動。2人が惚れこんだ米国在住のロックアーティストBECCAをボーカルに迎え、国際的ユニット「BENNIE BECCA」での活動をスタートさせた。
多忙な時間を縫ってお互いの国を行き来しつつ、ついに念願のアルバム「BENNIE BECCA」を完成させた彼女たちの胸の内とは? 新たな一歩を踏み出した3人に話を訊いた。
取材・文/伊藤なつみ
BECCAがLAから歌詞を送ってくれたとき大興奮した
──BENNIE BECCAとして初めてのアルバムがついに完成しましたね。今回のアルバムはどのように制作していったんですか?
YUKI まず全員がやってみたいトラックを並べて、いろいろトライしていきました。
CICO 今までのBENNIE Kのアルバムの作り方もそう。それぞれが自分自身に挑戦する。それによって自分がトライできていなかった部分が引き出されたりするんです。
BECCA 中でも今回チャレンジだったのは「The Beginning」。ラップみたいに早口で歌わなくてはならなかったし、この曲じゃないと言えないようなメッセージもあったし、ボーカリストとしてこれまでと違う面が出せたと思います。
CICO この曲は、みんなが面白いと思うことをどんどん注入して曲を固めていったんですよね。
──そういうアイデア満載の勢いが、どの曲にも息づいていますよね。それが面白い。
YUKI BECCAがLAから歌詞を送ってくれたとき大興奮したんですよ。私たち3人がやることで「何か変えることができるかもしれない」と大志を抱き始めた頃のことを表現しようとしていて。3人が一番最初に抱いた大志、自分たちにとって音楽とは何なのか、といったことを歌っていて。
BECCA 「自分の人生には音楽しかない」という思い、“魂の叫び”を書いたんですよね。ミュージシャンはリスナーを手助けするような、インスパイアする歌詞を書くべきだと思う。自分もそのロールモデルのようないい例として表現していきたいと思っているし。
──完成した楽曲からは強い意志を感じますね。
YUKI 自然とそうなっていったんだと思う。もう1度自分たちにフォーカスして、BENNIE BECCAとは何なのかと考えてできたのが「The Beginning」や「KAMINARI GIRL」。それぞれの人間性だったり、思っていることや意志だったりを確認し合って、わかり合えて、より一体化できた。この世の中にメッセージを伝えられるという心境になって、この曲が生まれたんだと思う。
MAXまで振り切って、やりすぎたら戻せばいいと思って
──「KAMINARI GIRL」という楽曲はタイトルからしていいですよね。
YUKI アメリカ人が聴いてもわかるような日本語のフレーズが入って、日本人が聴いてもアメリカンに聞こえるような言葉を入れたいなと思って。日米で通用する共通言語を探したんです。
CICO YUKIの作ったトラックが面白かったから、すごい勢いでアイデアを投げ合いながらレコーディングしていったんです。BECCAが最初にレコーディングして、その後、私が入れたけど、お互いが出してきたアイデアに刺激を受けて、どんどん曲がカラフルになっていって。とりあえずMAXまで振り切って、やりすぎたら戻せばいいと思って(笑)。
──一方で、これまでのBENNIE Kにはなかったようなラブソング「You & Me」や「明日 / with Blaise Plant(MONKEY MAJIK) 」もありますね。
CICO BECCAの表現には今までのBENNIE Kとは全く違うパワーがあって、それに触れると違う自分がムクムクと出てくる(笑)。BECCAの歌の中で表現させてもらった部分で、自分が自由になったところはたくさんある。
YUKI 「You & Me」の「離れているけど、その存在があるから強く生きていける」といったフレーズはデモの段階からトラックに入れていたんだけど、それはBENNIE BECCAの状況にも当てはまると思ったし、ラブソングとして捉えてもらっても少しアルバムの色が変わるから素敵だなと思ったんですよね。
──「明日 / with Blaise Plant(MONKEY MAJIK)」は、MONKEY MAJIKのブレイズとのコラボですが、一緒にやろうと思ったのは?
YUKI 日本で活躍している海外出身のアーティストをBECCAに紹介したいと思って。ブレイズは以前コラボしててナイスガイだし、彼も海外から日本へ来て今の地位を築いている。お互いインスパイアでき、助け合えるのでは? と思ったから。そして、みんなで話し合った中で、ブレイズがこの曲の土台を作ってきて。
BECCA すごくきれいな曲。私はいつもアグレッシブに歌っているけど、いつもと違うボーカルスタイルを披露することができたと思う。それがうれしかったし、シンガーとして新たな発見もあった。歌詞の世界は、ある人にあることを伝えたかったのになかなか勇気が持てなくて、でも後悔したくはないから、明日伝えようという前向きな歌。
CICO 歌の世界に関して言えば、私はちょうど父親とすごいケンカをした後だったので思っていることと近い部分もあって。ラップよりも歌のほうが父に伝えやすいと思って歌った部分もありますね。
CD収録曲
- The Letter ~ Opening ~
- Dreamer
- KAMINARI GIRL
- Narita Express
- You & Me
- 明日 / with Blaise Plant (MONKEY MAJIK)
- Sound Surfing ~ Interlude ~
- Japaneedle
- Dilemmas
- Don't Save Me
- So Bad
- Cinderella Syndrome
- 2012
- The Beginning
- 2013 ~ こちら生存者あり ~
BENNIE BECCA(べにーべっか)
YUKI(シンガー)とCICO(ラッパー)の2人によるフィーメールユニット・BENNIE Kがアメリカ人ボーカリストBECCAを迎えてスタートさせた新プロジェクト。YUKIは歌を封印しプロデュースに専念。2009年11月に1stシングル「Dreamer」、2010年4月にアルバム「BENNIE BECCA」をリリース。