モーニング娘’14から道重さゆみさんが抜けるようなもの

──仲野さんと美月さんが昨日卒業発表しましたけど、皆さんの今の率直な思いを聞かせてもらえますか。

柳沢あやの　珠梨のはドッキリだと思った。

宇佐美萌　最初は信じられなかったよね。

カイ　ゆうゆは、でもそうかなって思った。

宇佐美　私もベルハーもう嫌だなって思ってたことがあったんですけど、そのときにゆうゆが「私も高校卒業までがんばるから一緒にがんばろう！」って言ってたのに（笑）。

──え、皆さんも辞めたいんですか？（笑）

宇佐美　そういう瞬間ってやっぱあるじゃないですか。田中さんの考え方とかもあって。気持ちの面で「あーもう無理」ってときはたまにある。

柳沢　私はゆうゆの卒業については普通に「ああ、今なんだ」って思って。あまり深くは考えなかったです。珠梨の発表は本人もヘラヘラしてたから嘘だって思ったんですけどね。

宇佐美　泣いたら2人の卒業を認めちゃうみたいで信じたくなかったんですけど、本当なのかって思ったらじわじわ涙が出てきました。

──実際にファンの前で2人が卒業を発表したときの心境は？

宇佐美　あのときも「言わないで」って思った。言わなければまだ戻れる、言ったらもう戻れないからって。

カイ　私は本当に悲しくて、これ、胃がもたれそうだなって思った。

一同　あはははは（笑）。

カイ　そしたら次の日、おなかを下したんですよ。

──初期メンバー2人が抜けるというのはグループにとってかなり大きな出来事だと思うんですけど、不安はあります？

カイ　それは……モーニング娘。'14から道重さゆみさんが抜けるようなもの。で、BELLRING少女ハート'15になるようなもの。……違うかな（笑）。

──それぐらいの変化ってことですか（笑）。

宇佐美　でも初期メンバーだからってセンターが多いとか歌割りが多いとかではないから、大きな変化っていうほどのことではないのかもしれない。ライブの不安はないです。

──現状のメンバーでもベルハーとしてはやっていけると？

カイ　楽屋とかで遊ぶ人が……話し相手は少なくなってしまう。

柳沢　私は歌唱面が心配。

──美月さんは歌唱面で大きな存在でしたからね。

宇佐美　でもゆうゆの穴を埋めようとは思わない。彼女がいなかったらそういうベルハーを作っていかないとダメだと思うし。ゆうゆのしなやかさがないんだったら、ちょっとゴツくなった新しいベルハーになればいいと思う。珠梨の汗がないなら汗がないベルハーでも全然いいと思う。

──個々としてはどんなところをがんばっていきたいですか？

宇佐美　歌をがんばっていきたい。田中さんには「もっと低い声をがんばって」って言われたから、そこを練習して私も歌えるぞってところを押し出していきたいです。

カイ　私はあんまり考えてない……。今も楽しいからやってるので。2人が卒業したあともそこは大事だと思う。

ベルハーは普通のアイドルではない

──3人はそもそもなぜベルハーに入ろうと思ったんですか？

宇佐美　もともとほかの事務所に入ってたんですけど、そこでの活動はけっこう中途半端に終わってしまって。で、ほかで何かやろうって思ってオーディション受けてみた感じです。

──実際に入ってみてどうでしたか？

宇佐美　なんか宗教っぽかったからヤバいと思って（笑）。

──でもがんばってやってみようと思えるようなことがあったから続けてこられたと。

宇佐美　私、ベルハーに入って初めて挫折したんですよ。それまでの人生は本当にイージーモードでトントン拍子にうまく進んでいたのに。ベルハーに入って初めてうまくいかないっていう経験をしたので、これは私の人生で大事なことだと思ったから続けようと思いました。

──これまで経験してきた人生とは明らかに違った？

宇佐美　反抗していいんだっていうのをベルハーで知って。今までは言われるままにやってきたんですけど、反抗して違うようなことをしてもそれが正解になるってこともあるんだって知って。だからすごいグループなんだって思った。普通のアイドルじゃたぶん経験できないんじゃないですかね。

──ではカイさんは？

カイ　あの、YouTubeでベルハーの動画を観てました。動画を流しながらYシャツにアイロンをかけたりしてました（笑）。

──ずっとファンとして観てたんですね。

カイ　その頃も漠然と何かしたいって思ってて。バイトしてても狭いところでやってるだけだし、つまらないなって思って。

──バイトって何をやってたんですか？

カイ　肉屋（笑）。つまんないし「いらっしゃいませ」も言えないし、怒られるし……。それで怒られ過ぎてつまんないから辞めて応募しました。

──肉屋はあわなかったんですね。

カイ　そう。なんで私、肉を……みたいな。

──そういう鬱屈としたものを発散したかったと。

カイ　もっと広いところへ出たかったです。

──柳沢さんは以前、ALLOVERでアイドル活動されてましたが、なぜベルハーに？

柳沢　前のグループでベルハーと対バンしたことがあって、今までのグループでは正統派のアイドルしかやったことがなかったからこういうグループに入ったらどうなるんだろうって思って受けてみました。

──自分が変われるかもしれないと思って？

柳沢　変わりたくて入ったっていう感じではないけど、ベルハーに私みたいな人がいたらどうかなって思って。

──実際に入ってみてどうでした？

柳沢　うーん……強くなったのかな。1人でいられるようになったんですよ。前のグループではメンバーみんな仲良しって感じで、いつも特定の子と一緒にいたんですけど、ベルハーに入ってからは1人でも大丈夫になって。ベルハーってあんまり群れを作らないんですよね。

宇佐美　あやのちゃんは最初めっちゃ女々しかった（笑）。「もう1人じゃ寂しい、嫌だ！」みたいな感じだったんですけど、最近は1人でも大丈夫になってね。

柳沢　うん、全然大丈夫になった（笑）。

──ベルハーってけっこう過酷な環境なんでしょうか？

柳沢　普通のアイドルではないと思う。私の経験上言えることは。

宇佐美　ライブでやらなきゃいけないことが決まってないから、自分たちで面白いことを考えなきゃいけないんですけど、私たちが面白いって思っても田中さん的につまらなかったらそれは違うし。逆にあんまり面白くなかったなって思っても田中さんが「面白かった」って言ってくれることもあって。とにかく難しい！

──その感覚が双方でバッチリ噛み合ったときは自分たち的にもうれしい？

宇佐美　うれしいですね。でもそれを狙ってるとつまらないって言われるんですよ。