音楽ナタリー PowerPush - BELLRING少女ハート
初期メンバー2名卒業インタビュー 現体制を締めくくる「UNDO THE UNION」
自分の口で卒業発表はしたかった
──昨日のライブで卒業を発表しましたけど今の気持ちは?
美月柚香 私は卒業するって決めてから本当はすぐに言いたかったんですよ。
──卒業を決めたのはいつくらいなんですか?
美月 今月の2日か3日です。ライブが7日にあったから本当はそこで発表するつもりだったんですけど、私たちのワンマンじゃなかったし、さすがに私たちのことを知らない人が多い中で発表するよりは翌週の主催ライブのほうがいいかなってことで昨日発表しました。私としては辞めるって決めてるのに言わないでライブを続けてると罪悪感があって……。
──辞める時期が早くわかっていれば「ライブに行っておけばよかった」なんて後悔もしなくてすみますからね。
美月 そういうことがあるから早く言いたかったんです。それにこういう発表をネットで知るのって嫌じゃないですか? だからちゃんと自分の口から言いたかった。
──じゃあ言えてスッキリはしてるんですね。
美月 そうですね。もとから活動は高校までって決めてたんですけど、先月くらいに田中さんからもパフォーマンスに対するダメ出しとかがあって、いろいろ考えて学校との両立が難しくなってきたからこのあたりが潮時なのかなって思って。
──活動も学業も集中できなくなってきたと?
美月 2つのことをいっぺんにできないんですよ。そんなに器用ではないので。だからどちらかに集中するって考えたときに私は大学に行きたかったので進学するなら早いほうがいいなって思って卒業を決めました。
本当は辞める当日に発表したかった
──美月さんの卒業理由に対して、仲野さんはかなり男らしいというか潔いというか「辞めたいから辞める」という理由で。
仲野珠梨 辞めたいから辞めますよ。でも、なんか辞めたくない、今。
──辞めると言ったものの……?
仲野 辞めたいんだけど辞めたくないっていう……わかりますか?
──じゃあ続けます?
仲野 続けたいかって言われたら続けないんですけど(笑)。
──昨日発表してみて「ああ、言っちゃったな」って感じ?
仲野 私はゆうゆ(美月)とは逆で、ギリギリまで言いたくなかった。言ったあとヲタさんたちに「あ、辞めるんだ」って感じでライブを観られたくなかったので。
──「あと2カ月したら辞めちゃうんだ」っていう感じのまま観られるのがつらかったと。
仲野 辞めることをわかった上でライブを観られたくなかったんですよ、私は。自分の気持ちが冷めちゃうんじゃないかなって思って。なんかみんなが切ない顔してるのを観るのも嫌だし。だから私はむしろ辞める前日とか当日とかに言いたかったんです。
──「明日辞めます」くらいの感じで。
仲野 もしくは「実は今日のライブで辞めます」って(笑)。
──でも美月さんと同じタイミングで発表することにしたのはなぜです?
仲野 田中さんには10月に辞めるって言ったんですよ。そのときは辞めるって言ったからにはもう次のライブも出ないって思ってたくらいで。でも話し合ってとりあえず11月までは考えてって言われて。
──一旦冷静に考え直してみたけれど、12月に入って「やっぱり辞める」っていう結論に至ったと。
仲野 そうですね。でも、そのときの“辞める”は冷静に考えての“辞める”でした。
──ベルハーとしての活動に対して、もう十分やりきったから辞めるっていう決断を下したんでしょうか?
仲野 やりきったとかでも悔いがないとかでもないです。これ以上続けてて自分の意味になる活動なのかって考えたらそうじゃないって思ったので。
──もう続けててもプラスになることはないと?
仲野 そうです。
私にはチャンスはもう来ない
──アイドルが卒業したり脱退する理由っていろいろありますけど「辞めたいから辞める」ってなかなか聞かないから逆に清々しいです。
仲野 だって私、まだ18歳だし、これから未来が待ってるんですよ? ベルハーを続けるからにはやっぱり何かプラスになるものが欲しいし、そういうのがないんだったら早く辞めて別のことを探したいと思って。そうじゃないとどんどん時間だけが過ぎていっちゃう。例えば20歳過ぎてからベルハーを辞めたとき、バイトの経験とかもほとんどないまま社会に出ちゃって、自分はどうなっちゃうんだろうって不安もあって。
──逆にアイドルは今しかできないことだっていうのも思うんですけど……。
仲野 いや、もう遅いんですよ。そのことに気付いちゃったから早く行動しようって思って。まだチャンスがあるかなって思ったら続けてたけど、チャンスは私にはもうないって思ったから続けないって決めました。
──仲野さんが言う“チャンス”ってなんでしょう?
仲野 田中さんの考えとかですね。そもそも私の考えと田中さんの考えが合ってないから。例えば私が「これをがんばったらもしかしたら何かチャンスが巡ってくるかも」って思っても、田中さんにはそういう考えがなくて。田中さんはまた全然違う考え方なんです。だから私がどんなにがんばったところで自分にはチャンスが来ないんだってわかってしまったので。
──具体例って挙げられます?
仲野 例えばですけど歌割りとか。立ち位置もそうだしソロの仕事のこととかもそうです。誰かが選ばれるときってあるじゃないですか。そういうときに私は選ばれない。言ったら私は干されなんですよ。
──そういう状況の中、このままいても意味があるのかという考え方に至って、結論を出したと。でも「もうちょっとがんばって田中を見返してやろう!」とかいう考え方もできたと思うんですけど。
仲野 そう思って今まで続けてきたけど、もう疲れちゃった。心が折れました。
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- Contents Index
- 朝倉みずほインタビュー
- 仲野珠梨、美月柚香インタビュー
- 柳沢あやの、カイ、宇佐美萌インタビュー
収録曲
- Starlight Sorrow
- プリティ・シャロウ
- クロノスの鎌
- rainy dance
- Orange Slumbers
- kUMA GOQLI
- c.a.n.d.y.
- get rid of the Chopper
- 月の真下でオオカミさんに尋ねました。
- ヒバリの空
- プラスチック21g
- 男の子、女の子
- Karma
- タンジェリン細胞
- Crimson Horizon
- UNDO
- Revelry!!!
BELLRING少女ハート(ベルリンショウジョハート)
朝倉みずほ、仲野珠梨、美月柚香、宇佐美萌、柳沢あやの、カイによるアイドルグループ。2012年4月にライブデビューし、サイケデリック、グランジロックなど多種多様なジャンルの音楽を披露する変幻自在ぶりが話題を呼ぶ。精力的にライブ活動を行い、2012年は3枚のシングルをリリース。2013年には1stアルバム「BedHead」を完成させ多くの音楽ファンから支持を集め始める。2014年12月に2ndアルバム「UNDO THE UNION」を発売。2015年2月には仲野、美月がグループを卒業する。