音楽ナタリー PowerPush - BELLRING少女ハート
初期メンバー2名卒業インタビュー 現体制を締めくくる「UNDO THE UNION」
メンバーに思ってることを言っていいのかわからない
──美月さんは学業をがんばっていきたいという明確な卒業理由がありました。
学校のことだから納得するしかなかったです。それにベルハーを辞めてもゆうちょすの夢はミュージカルに出ることだからがんばってほしいと思いました。珠梨の理由にも私は納得してますよ。
──納得して、もう2人が抜ける悲しさとかはない? 初期メンバーは朝倉さんだけになってしまいますが。
悲しいですよ。私、胃が痛くなっても田中(紘治)さんには言わないで珠梨に言うんですよ。だから言う人がいなくなっちゃうし、一緒に帰る人もいなくなってしまう。そういう面で珠梨は大きな存在でした。
──やっぱり仲野さんの代わりはいない?
いないです。大きな存在。いなくなってしまうことをまだ想像できてないです。わかってはいるけどわかってないです。
──今いるメンバーが頼もしくない、ということではないですよね。
そういうことではないです。ただ自分の思ってることを言っていいのかわからない。壁を感じてるわけではないけど……。
──新しいメンバーも入ってくるみたいですし。
もう募集してました。早いよって思った(笑)。
──まったく新しいベルハーになってしまうかもしれないですね。
どうなるかわからない。私がどうなるのかも……。でも楽しく過ごしたいです。全部楽しくなくてもいいけど、1つくらい楽しいことがあったらいい。
──ベルハーはコーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバルに出ることを目標にしていますが、オリコンで何位になりたいとか日本武道館でライブしたいとか、そういう近い目標は掲げていないですよね。
目標……ないんです(笑)。最初は私たちも武道館を目標にしたこともあったんですけど、田中さんが「武道館はお金があればいける」って言ってたのでもう目標じゃなくなりました。でも大きなところではライブしたいです。大きなところでいっぱいライブしたら好きじゃなくなりますか?
──そんなことはないと思いますけど。もしかすると3月以降、新しくなったベルハーはもっと明確な目標をもっていくのかなと思ったので。
そうかもしれないですけど、わからないです。お腹が痛いです。
──病院に行ったほうがいいです。
なんで病院をすすめるんですか!?
メンバーは友達ではなかった
──ベルハーって「みんな仲良く一緒にやっていこう!」みたいな感じがまったくしないですよね。田中さんがそういう感じを望んでないのかもしれないですけど、それは新メンバーが入ってきても変わらず?
仲良くしたかったら仲良くするので、大丈夫です。でも自分からは行けないかな。
──朝倉さんが「自分がベルハーを引っ張っていきます!」みたいな思いもなく?
そういうのはきっとメンバーから嫌われます。だから思ってること言えないんです。
──でも変わるならこのタイミングかもしれませんよ?
うーん……そうかもしれないですけど、どう動いたらいいかな……。
──それはまだ3月以降になってみないとわからない感じですかね。卒業する2人とは最後は笑ってさよならしたい?
うん。ゆうちょすは勉強がんばってね、みたいな。珠梨はもともと友達だったから会おうと思えば会えるし。でも会えるのに、なんでこんなに悲しいんですか?
──それはベルハーのメンバーではなくなってしまうからじゃないですかね。もう一緒にライブできなくなるっていう。
私、最初の頃はメンバーも友達も一緒だって思ってたんです。そうしたら誰かに「メンバーと友達は違う」って言われて。メンバーが増えたら友達も増えるって思ってたのに、それは違うって。
──自分でもそう思いますか?
思います。メンバーは友達ではなかったです。
「c.a.n.d.y.」はBlurさんのパクリ
──ニューアルバム「UNDO THE UNION」は現体制でのベルハーの集大成というか、ここまでのベルハーが築き上げてきたものと、これからのベルハーの可能性が凝縮された1枚になっていると感じました。
実はまだアルバムの形で聴いてないんです。今回は田中さんの曲のほかに福井シンリさんと松隈ケンタさんにも曲を作ってもらっているので、なんかこれまでのベルハーの曲とは違うかもです。インドっぽくはないです。
──朝倉さん的観点から収録曲のポイントを解説してもらえますか?
「Starlight Sorrow」がアルバムの最初の曲なんですね。明るくて踊ってて楽しい曲になってます。「プリティ・シャロウ」はレコーディングが私的に最悪でした。
──それはコンディションの問題?
お腹がすごい痛くて。あと終わるのが遅くなって焦ってしまって。そんな状態だったのであまり納得いってなくて。この曲、レコーディング前までは好きだったんですよ。私、最初から最後まで歌うパートがあるので。でもレコーディング以来、好きじゃなくなりました。
──自分的には消化不良で終わってしまったと。では「クロノスの鎌」はどうです?
田中さんがレコーディングする前に「この曲はみずほの声があう」って言ってくれたんですけど、田中さんはきっと同じことを全員に言ってて。チャラいなと思いました。
──曲自体、ちょっとトーンが低いから気持ちだけは上げていこうって配慮かもしれないですよ?
いや、チャラいなと思いました。「rainy dance」はタニヤマヒロアキさんの曲なんですけど、タニヤマさんは「the Edge of Goodbye」を録ってくれたときも私とゆうちょすをペアにしてくれて、今回もペアでレコーディングさせてくれたのでうれしかったです。「Orange Slumbers」はまだあまりライブではやってないですね。でも振り付けがかわいいのでライブでやることがあったときは見てほしいです。
──そして「kUMA GOQLI」。すごいタイトルですね。
熊が食べるんですよ。たぶん人間かな。人間を食べる恐ろしい曲です。歌詞も怖い。
──ベルハーが表現する世界観とはマッチする感じ?
でも直接的すぎるような。熊ってかわいいイメージがあるのに。熊のキャラクターってかわいいから好きなんですけど、本物の熊は凶暴だから好きじゃない。
──ファンタジーの部分からいきなりリアルを突き付けられるような?
そうですね。ダッフィーのぬいぐるみが欲しかったんですけど、お母さんが買ってくれませんでした。
──それは多分、この曲とは関係ないですね(笑)。
「c.a.n.d.y.」はBlurさんの「Song 2」のパクリです。これカバーなんじゃないかと思うくらいそっくりでした。
──でもしっかりベルハーテイストになってるという。まあ完全に「Song 2」ですけど(笑)。
「get rid of the Chopper」はカッコいい曲なんですけど、歌割りが最初から決まってて福井さんがしっかり録ってくれたからよかったです。以前の福井さんチームの頃だとちょっと失敗したなって思ってもOKにされちゃってたので。「あとで編集するから大丈夫」って言うんですよ。だからこの楽曲が福井さんと直接やり取りできてよかったです。
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- Contents Index
- 朝倉みずほインタビュー
- 仲野珠梨、美月柚香インタビュー
- 柳沢あやの、カイ、宇佐美萌インタビュー
収録曲
- Starlight Sorrow
- プリティ・シャロウ
- クロノスの鎌
- rainy dance
- Orange Slumbers
- kUMA GOQLI
- c.a.n.d.y.
- get rid of the Chopper
- 月の真下でオオカミさんに尋ねました。
- ヒバリの空
- プラスチック21g
- 男の子、女の子
- Karma
- タンジェリン細胞
- Crimson Horizon
- UNDO
- Revelry!!!
BELLRING少女ハート(ベルリンショウジョハート)
朝倉みずほ、仲野珠梨、美月柚香、宇佐美萌、柳沢あやの、カイによるアイドルグループ。2012年4月にライブデビューし、サイケデリック、グランジロックなど多種多様なジャンルの音楽を披露する変幻自在ぶりが話題を呼ぶ。精力的にライブ活動を行い、2012年は3枚のシングルをリリース。2013年には1stアルバム「BedHead」を完成させ多くの音楽ファンから支持を集め始める。2014年12月に2ndアルバム「UNDO THE UNION」を発売。2015年2月には仲野、美月がグループを卒業する。