BE:FIRST、ジャンルレスな自分たちを音楽で証明する1stアルバム完成|「BE:1」全曲解説インタビュー (3/3)

11. Brave Generation

作詞:Novel Core、SKY-HI
作曲:KM、Novel Core、SKY-HI
プロデュース:KM

──ストレートなロックナンバーで、同じBMSGの同世代アーティスト・Novel Coreさんが作詞作曲に携わっていますね。若い世代の背中を押してあげるような、併走してあげるようなメッセージが詰まっています。

LEO KMさんがハードロックな曲をやりたいと言ってくださったみたいで、そこから始まったみたいです。

SOTA 一番等身大な曲なので、僕たちも歌いながら聴く人に思いを届けられているなという気はしていますね。Coreは僕と同い年で、同じ時代を生きていて感じる悩みとかが一緒なんですよね。ちょうど成人を迎えるときにコロナ禍になったり、時代の変化に逆らえないような不満を同じ時期に同じように味わっているからこそ、そんなCoreが書いてくれた歌詞は自分たちにもとても響くんです。ライブでも、やっててすごく気持ちいいよね。メンバーを見ていてもすごく気持ちよさそうだなと思う。

JUNON うんうん。

12. Grateful Pain

作詞:SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEO、SKY-HI
作曲:SOURCEKEY、SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEO
プロデュース:SOURCEKEY

──これは「BE:FIRST TV」の中でSHUNTOさんが「番組の中で1曲作りたい」と提案したことを発端に制作された曲で、番組の中でも制作風景が映し出されていました。トラックに乗せて、自分の中から湧き上がってくるメロディを皆さんが即興で歌ってどんどん残していく様が印象的だったのですが、いつもメロディを作るときはあんな感じなんですか?

MANATO 基本そうですね。頭に浮かんだらすぐにブースに入って録っちゃう。

RYUHEI メモ帳みたいな感じですね。

BE:FIRST

BE:FIRST

──皆さんどんどんアイデアを出していましたよね。全然メロディが思い浮かばないということはないですか?

LEO SKY-HIさんが言ってたんですけど、メロディって自分が聴いてきた音楽から生まれるらしいんですよ。ここまでいろんな音楽を聴いてきたから、いろいろ手札が増えて、思い浮かびやすくなってるんじゃないかと思いますね。

──「Gifted.」のカップリング曲「Kick Start」は、「THE FIRST」のクリエイティブ審査で使用されたトラックに皆さんが新たなメロディを乗せて完成した1曲ですが、この「Grateful Pain」はそのアンサーソングなんですよね?

LEO そうですね。その要素も入れつつ、自分は制作のときの心情に近いものをリリックやメロディに乗せました。この曲を作っている頃はちょっと悩むこともあったんですけど、そのとき解決に向かわせてくれた言葉や、過去を振り返ってみて救ってもらった言葉を盛り込んだり。わりと等身大というか、リアルな気持ちを歌った曲だと思います。

RYOKI リアルですね。自分のことを歌ってる。

──ライブでこの曲が歌われたら、涙を誘いそうです。

LEO 自分たちもすでにヤバかったですね。「BE:FIRST TV」のときは、スタジオで歌いながら泣きそうになっていました。

13. Shining One (Re-recorded)

作詞:Satoru Kurihara -Jazzin’park-、SKY-HI
作曲:☆Taku Takahashi(m-flo、block.fm)、Satoru Kurihara -Jazzin’park-、SKY-HI
プロデュース:Taku Takahashi(m-flo、block.fm)

──「Shining One」は「THE FIRST」最後の課題曲であり、スマッシュヒットを飛ばしたBE:FIRSTのプレデビュー曲であり、「BE:FIRSTといえばこの曲」と位置付けられていたと思うんです。でも1年かけて、皆さんが「BE:FIRSTは『Shining One』にとどまらない」ということを証明してきたのかなと思っていて。いろいろな経験をしてきた中で、改めて「Shining One」は皆さんにとってどんな曲ですか?

SHUNTO 原点にして頂点ですね。再レコーディングして思ったのは、本当に難しい(笑)。

RYUHEI 結局「Shining One」が一番ムズかったよね。振付も、何もかもが難しい。

SOTA オーディションでこの難易度の曲やらすの、おかしいよ(笑)。

LEO 自分たちが夢を追いかけて、オーディション中にこれを歌ってデビューしたからこそ、伝えられるメッセージ性があるなと改めて感じます。説得力がある歌だなと思いました。

14. Message

作詞・作曲:eill、Matt Cab、MATZ、SKY-HI
プロデュース:Matt Cab、MATZ

──「Softly」よりさらに直球のラブソングです。「あいしてる」という直接的なワードも盛り込まれていますね。

RYOKI 恥ずかしさとかは全然なかったですね。ラブソングはちゃんとやってみたかったので、うれしかったです。

──聴いていると、ライブでお客さんが両手を左右に振ってリズムに乗る姿が想像できます。

RYUHEI ああ、いいですね。そんな光景見たいです。

──プロデュースは「Kick Start」と同じMatt Cabさん、MATZさんのコンビですが、レコーディングもお二人が?

RYOKI そうです。別々の作家さんだけど、なんか2人セットなイメージがある。「なんでいつもBE:FIRSTのときは一緒なんだろう」という素朴な疑問があります(笑)

LEO MATZさんは自分と歳がすごく近いので、同世代のフィーリングでご一緒できてうれしかったです。

RYOKI 背が高いし貫禄がめっちゃあるよね。同年代には思えない。

15. Bye-Good-Bye

作詞:sty、SKY-HI
作曲:Chaki Zulu、SKY-HI
プロデュース:Chaki Zulu

──アルバムの最後に“前向きな別れ”を歌うこの曲が置かれているのがとても素敵だと思いました。この曲は先日リリースから4カ月半で1億ストリーミング再生を達成して、現時点でのBE:FIRSTの楽曲の中で一番のヒット曲となっています。リリースしたときから、ここまで多くの方に聴いてもらえるだろうという手応えはありましたか?

LEO 「Bye-Good-Bye」を出してからファンが増えた感覚は正直ありますね。

RYUHEI 自分たちの曲なんですけど、どこかそんな気がしないというか。街中で「Bye-Good-Bye」が聞こえてくると「あっ、この曲!」って感じのリアクションになっちゃうんですよ。日常生活の中で、何も音楽のことを考えていないときに耳に入ってきたりするということはこれまでの曲ではあまりなかったので、これが自分たちの曲なんだな、と誇りを持てたことがうれしかったですね。

LEO 曲だけ先行して走っていってくれて。僕たちの存在もBE:FIRSTの曲であることも知らない方にも「いい曲だね」と評価していただいたことがすごくうれしかったですね。音楽の本質を評価してもらえた気がして。

BE:FIRST

BE:FIRST

──初披露は1月末の「THE FIRST FINAL」でしたが、パフォーマンスをたったの3日で覚えて仕上げたというエピソードを「BE:FIRST TV」でお話しされていて驚きました。

MANATO ああ~(思い出したように)。懐かしいですね。

RYUHEI あれは過去イチ不安だった。歌いながら踊るのが本当に難しい曲なんですよ。サビの最初、JUNONくんめっちゃ苦戦してたよね。

JUNON 苦戦してたね。ダンスを覚えても、歌いながら踊るとなったらまったく別物だから。振り入れのときはマイクを持って練習してなくて、リハーサルのときに初めてマイクを持って踊ったので、時間が足りなくてすごく大変でした。

LEO 鏡なしで合わせて踊った1発目がお客さんの前、みたいな状況だったんですよ。本当にドキドキでしたね。初めて聴く楽曲の印象って、ファーストインプレッションでだいたい決まるじゃないですか。不安のほうが大きくて、あの日は正直楽しめなかったです。今はもう慣れて、しっかり楽しみながらパフォーマンスできてますけど。

SOTA LEOくんは歌い出しと最後のフレーズをどっちも担当してるから、特にプレッシャーが大きいよね。

LEO そう、僕がコケたら全員の努力が無駄になるので……。

MANATO めちゃくちゃ背負ってるね。

LEO めっちゃ背負ってたよ。

RYUHEI 今は背負ってない?

LEO 今は、生放送のときはちゃんと背負ってる。

一同 (笑)。

グループを言葉ではなく音楽で証明できる1枚

──今はサブスクの普及で、世界的に見てもアルバムという形態にこだわらないアーティストも増えています。皆さんも配信シングルを短いスパンで発表して高い評価を得てきましたけど、やっぱりアルバムという形式は特別なものでしょうか?

RYOKI はい、本当にうれしいですね。

SOTA 散らばっていたものをまとめられたというか、何年かあとに振り返ったとき、デビューからの1年を鮮明に思い出せる1枚になったと思います。アルバムを振り返ることで音楽以外の記憶もよみがえってきそうな。シングルでポンポン出していくと、「これっていつだったっけ」ってわからなくなっていくんですけど、アルバムが並んでいくことでしっかりと道を進めている感じがするので、その1歩目を今回しっかり作れてうれしく思います。

──最初におっしゃっていたように、「BE:1」は本当にジャンルレスで振り幅の広いアルバムだと思うのですが、BE:FIRSTは、聴く側の音楽の世界を広げてくれるグループなのではと感じていて。先日も「FUJI ROCK FESTIVAL '22」でジョナス・ブルーさんのステージにゲスト出演していましたけど、そのときもBE:FIRSTのファンの方が配信で「FUJI ROCK FESTIVAL '22」を観て新たな音楽に出会ったというような書き込みをSNSでたくさん見かけました。このアルバムを聴いて、自分の音楽の世界を拡張できる人がまた増えそうな気がします。

RYOKI もう、以下同文と言いたいです(笑)。そういうグループになりたいと思っているので、このアルバムも聴いた人にとってそんな作品になればうれしいです。

LEO ジャンルレスなアルバムですが、「BE:FIRSTってどういうチーム?」と聞かれたときに、言葉にしなくても音楽で証明できるような1枚になったと思います。

──9月からはこのアルバムを引っさげての全国ホールツアーが始まりますね。どんなところに注目してほしいですか?

SOTA こんなにジャンルレスでいろんな方向に振っている音楽を、1つのグループがライブで表現しきることで起こる化学反応が楽しみです。BE:FIRSTのカラーでどんなふうに染め上げるのか、というところを楽しみにしてほしいし、僕たちもすごく楽しみにしています。

BE:FIRST

BE:FIRST

「BE:1」参加プロデューサーコメント

Chaki Zulu

Chaki Zulu

プロデュースを務めた楽曲

「Be Free」「Bye-Good-Bye」

楽曲の注目ポイント、制作時に印象的だったこと

今回は完全に遠隔で制作してメンバーには会えなかったので、是非次回には会いたいと思っています。

BE:FIRSTメンバーへのメッセージ

これからもメンバー同士仲良く楽しくやってください! 応援してます。

Ryosuke "Dr.R" Sakai

Ryosuke "Dr.R" Sakai

プロデュースを務めた楽曲

「BF is...」「Gifted.」

楽曲の注目ポイント、制作時に印象的だったこと

「BF is...」

アルバムの冒頭を飾る、ソリッドでありながらも大きなスケール感を感じさせる楽曲です。各メンバーの歌と声の魅力が存分に詰まった楽曲で、こういうスタイルの楽曲を日本のボーイズグループが今のタイミングでやることに、大きな意義を感じています。デビュー曲「Gifted.」以来のレコーディングとなりましたが、メンバーのスキルアップも大きく感じられ、全体的にとてもスムーズに制作しました。

「Gifted.」

日本のボーイズグループ新時代の幕開けを担うべく制作されたBE:FIRSTのデビュー曲です。今から振り返ると、アーティストとしても、またプロデュースサイドとしても、関わる方々全員の決意と覚悟が滲み出るような楽曲になったと思います。侘び寂びを感じさせる様な「間」を大事にした極めてシンプルなトラックと、彼らの徐々に熱を帯びていく声が織りなす対極の美が特徴的です。この曲のレコーディングで初めてメンバー達とお会いしましたが、今ではとても懐かしい思いです。その位、この1年での彼らの成長は著しいと思います。

BE:FIRSTメンバーへのメッセージ

レコーディングの度に、全員が目を見張るほどの成長っぷりを感じさせてくれるので、毎回とても楽しみにしています。僕もまだまだスキルアップしていくので、誰も見ることのなかった景色を目指して共に音楽を楽しんでいきましょう。

SUNNY BOY

SUNNY BOY

プロデュースを務めた楽曲

「Scream」

楽曲の注目ポイント、制作時に印象的だったこと

今回は「Scream」をMaxx Songと一緒にプロデュースさせていただきました。
BE:FIRSTにとって新たな面を引き出したい思いで
Rock hip hopでダンスが映える楽曲を提供しました。
レコーディングも
「Move On」の時より遥かにレベルが一人一人上がっていて
すごくスムーズに楽しいレコーディングが出来ました。成長にびっくりしました。

BE:FIRSTメンバーへのメッセージ

BE:FIRSTの皆様にはこれからも
色んな音の姿をファンの皆様に表現してほしいと思います。
今度は一から制作もしてみたいです!
今後の活躍も応援してます!

UTA

UTA

プロデュースを務めた楽曲

「Moment」

楽曲の注目ポイント、制作時に印象的だったこと

曲で言うとBPM的にはアップなんですけど、歌のニュアンスがとても繊細なので声の出し方や声色の表情、差し引きにおいてメンバーたちは大変だったんじゃないかなと思いました。レコーディングの時に話しながら色々なアイデアを逆に頂いて、とても良い作品になったんじゃないかなと思います。
メンバーの中でJUNONくんとはゲームの話になり、普段遊んでいるゲームが一緒だったので今度オンラインでプレイしたいと思っています。笑

BE:FIRSTメンバーへのメッセージ

記念すべき1stアルバムに参加できた事嬉しく思います。メンバー皆さんのフレッシュで前向きなパワーを感じながら楽しく制作させて頂きました。次回はガンガン踊る曲や歌い上げるバラードも是非作ってみたいです。この作品が多くの人たちへ届きますように。

ライブ情報

BE:FIRST 1st One Man Tour "BE:1" 2022-2023

  • 2022年9月23日(金・祝)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2022年9月25日(日)岡山県 倉敷市民会館
  • 2022年10月2日(日)千葉県 市川市文化会館 大ホール
  • 2022年10月5日(水)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2022年10月6日(木)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2022年10月9日(日)福岡県 福岡サンパレス
  • 2022年10月10日(月・祝)熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
  • 2022年10月18日(火)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
  • 2022年10月19日(水)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
  • 2022年11月1日(火)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2022年11月7日(月)群馬県 ベイシア文化ホール 大ホール
  • 2022年11月13日(日)長野県 ホクト文化ホール
  • 2022年11月19日(土)新潟県 新潟県民会館
  • 2022年11月20日(日)新潟県 新潟県民会館
  • 2022年11月24日(木)石川県 本多の森ホール
  • 2022年11月28日(月)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
  • 2022年11月30日(水)兵庫県 アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)大ホール
  • 2022年12月5日(月)東京都 東京ガーデンシアター
  • 2022年12月6日(火)東京都 東京ガーデンシアター
  • 2022年12月19日(月)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
  • 2022年12月20日(火)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
  • 2022年12月26日(月)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
  • 2022年12月27日(火)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
  • 2023年1月7日(土)東京都 東京ガーデンシアター
  • 2023年1月8日(日)東京都 東京ガーデンシアター

プロフィール

BE:FIRST(ビーファースト)

SKY-HIが率いるレーベル・BMSGに所属する7人組ダンス&ボーカルグループ。メンバーはSOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEOの7人。メンバーそれぞれが歌、ダンス、ラップの高いスキルとポテンシャルを持ちながら、作詞作曲や振付にも携わる。プレデビュー曲「Shining One」を2021年8月に配信すると、オリコンのデジタルシングル週間ランキングをはじめ、主要チャートの1位を総なめに。11月3日にデビューシングル「Gifted.」をリリースし、直後の11月5日に初のワンマンライブ「"FIRST" One Man Show -We All Gifted.-」を東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで開催した。2022年5月に2ndシングル「Bye-Good-Bye」をリリース。表題曲はストリーミング全世界累計再生回数がわずか4カ月半で1億回を突破するヒットを記録した。8月31日に15曲を収めた1stアルバム「BE:1」をリリースする。

※記事初出時、本文に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

2022年8月29日更新