Beck×DAOKO|名曲に新たな彩りを加える、世代と国境超えた貴重コラボ

「Up All Night」は“1曲でグレイテストヒッツ状態”

──DAOKOさんは「Up All Night」に日本語のラップを乗せていますが、制作はどうでした?

DAOKO すごくいい経験になりました。DAOKOというキャラクターを出しつつ、「Up All Night」の世界観にマッチするヴァースが書けたかなと思いますね。

Beck

Beck そう、自分のスタイルを貫いてくれたことがうれしくて。僕もよくわかるんだよね、ほかのアーティストと一緒にやるときの気持ちは。「こっちが合わせたほうがいいのかな」ということもあるけど、自分のスペシャルな部分を出すことが一番大事なんだ。DAOKOのヴァースは素晴らしかった。「Up All Night」に深みと広がりが出たし、新しい生命感が宿ったなって。曲に女性の声を入れたいという気持ちはいつもあるんだよね。よくハイトーンの声で歌うことがあるんだけど、それも女性みたいな声を自分でやろうとしているので。だからDAOKOの声が入ったことはとてもうれしかったし、新鮮だった。

DAOKO うれしいです。まさかこんなことが起きるなんて思ってなかったし、生きてるといいこともあるんだなって。

──「Up All Night」という楽曲の成り立ちについても聞かせてください。3分間の中に素晴らしいメロディが次々と繰り出される楽曲だし、ダンスミュージックとしてもすごく質が高くて。新しいポップソングのフォーマットだなと感じました。

Beck ありがとう。「Up All Night」にはかなり時間がかかってるんだよね。最初は全然違う形だったんだけど、そこからどんどんアイデアを加えて。普段僕はそういうことをしないんだよ。アルバムに入っている「Square One」とか「No Distraction」は1日くらいでパッと作ったし、いつもはだいたいそういう感じだから。

DAOKO そうなんですね。

Beck 「Up All Night」に関しては、自分の中に求めるものがあったんだ。聴いた瞬間に踊りたくなったり、一緒に歌いたくなるような曲にしたくて。あの曲の中にはいろいろなアイデアが詰まっているし、“1曲でグレイテストヒッツ状態”だね(笑)。

──アルバム自体も当初のリリース予定から、さらに1年くらいかかってますよね。

Beck そうだね。リリースの1年半から2年前くらいにはできあがっていたんだけど、そこからさらに細かい部分にこだわって。きちんとした芸術作品にしたかったんだよね。すべて生楽器なんだよ、「Colors」は。1950年代のビンテージの機材も使っているんだけど、それをモダンな音に仕上げるのに時間がかかったんだ。

左からBeck、DAOKO。

DAOKO 昔の音楽をリサイクルして、新しい音に昇華していて。音楽的にもすごく好きです。Beckさんはそのときの旬を取り入れて、いつもエキサイティングなことをやっている印象があって。「Colors」はすごく開けている印象があったし、新しい!と思いました。いろいろなトライもあって、冒険しているなって。

Beck まさにそうなんだ。普段は締め切りがあるけど、今回はそれもなかったから(笑)、ずっとトライを続けられたんだよね。アルバムは僕にとって本のようなものなんだ。以前は「早く最後までたどり着きたい」という感じで作っていたけど、今はしっかり時間をかけたいと思っていて。そのほうがより豊かなものになるってわかったからね。

Beck「Up All Night × DAOKO」
2017年11月24日発売
Beck DAOKO「Up All Night × DAOKO」

250円

iTunes

Beck(ベック)
Beck
1970年生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身の男性アーティスト。1994年発表のデビューアルバム「Mellow Gold」がロングセラーとなり、1996年リリースのアルバム「Odelay」でグラミー賞2部門を受賞。フォークやヒップホップ、ソウル、ブルース、カントリー、ノイズミュージックなど多様なジャンルを独自の感性で融合させた実験的ながらポップでキャッチーなサウンドは、世界中に多くのフォロワーを生み、同作は1990年代のロックを代表する1枚に数えられるようになった。その後、同じ路線を踏襲せずに「Mutations」「Midnite Vultures」「Sea Change」「Guero」などアルバムごとに異なるアプローチの作品を発表。2014年発売の「Morning Phase」はグラミー賞において「最優秀アルバム」「最優秀ロックアルバム」「最優秀エンジニアドアルバム」の3部門を獲得した。2016年7月の「FUJI ROCK FESTIVAL '16」で約7年ぶりの来日を果たし、翌2017年10月にはアルバム「Colors」をリリース。同月に東京・日本武道館と新木場STUDIO COASTでのライブを成功させた。
DAOKO(ダヲコ)
DAOKO
1997年生まれ、東京出身の女性ラップシンガー。ニコニコ動画のニコラップに投稿した楽曲で注目を集め、2012年に1stアルバム「HYPER GIRL-向こう側の女の子-」を発表。ポエトリーリーディング、美しいコーラスワーク、ラップを絶妙なバランスで織り交ぜたドリーミーな世界観で話題を呼ぶ。2015年3月にはTOY'S FACTORYよりアルバム「DAOKO」にて高校生にしてメジャデビュー。2016年4月にTeddyLoidとのタッグで学校法人・専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)の2016年度テレビCMソングを担当。同曲も収めたトリプルA面シングル「もしも僕らがGAMEの主役で / ダイスキ with TeddyLoid / BANG!」を9月にリリースした。2017年8月には映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌を含むニューシングル「打上花火」を発売。10月に岡村靖幸とのコラボレーションによるシングル「ステップアップLOVE」を発表し、11月24日に配信限定リリースされたBeckの楽曲「Up All Night × DAOKO」にも参加した。
Cygames presents DAOKO TOUR 2017-2018 "THANK YOU BLUE"
  • 2017年11月26日(日)大阪府 BIGCAT
  • 2017年11月29日(水)愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2017年12月2日(土)福岡県 DRUM Be-1
  • 2017年12月8日(金)宮城県 darwin
  • 2017年12月10日(日)北海道 Sound Lab mole
  • 2018年1月11日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO