音楽ナタリー PowerPush - SUPER BEAVER×テスラは泣かない。
ビーバー×テスラ それぞれの愛
3月に最新ミニアルバム「ONE」を発表したテスラは泣かない。と、4月1日にニューアルバム「愛する」のリリースを控えるSUPER BEAVER。今回ナタリーではmurffin discsのレーベルメイトである2組の新作発売を記念し、テスラは泣かない。の村上学(G, Vo)、吉牟田直和(B)と、SUPER BEAVERの渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)による座談会を実施した。両者が互いの新作を聴いて感じたことや、両作品の共通テーマである“愛”についてなど、思い思いに語り合ってもらった。
取材・文 / 田中和宏 撮影 / 西槇太一
アルバムが完成して
──まずそれぞれの作品について聞かせてください。テスラは泣かない。の「ONE」はどういった作品になりましたか。
村上学(Vo, G / テスラは泣かない。) 去年は名刺代わりのメジャー1stアルバム「TESLA doesn't know how to cry.」(2014年6月発売)を発表して、テスラは泣かない。をより多くの人に知ってもらいました。前作はミトさん(クラムボン)にプロデュースしていただきましたけど、今回は前作と同じことに挑戦するのではなく、自分たちだけの“純テスラは泣かない。”の作品にするためにセルフプロデュースで制作しました。メンバー4人の才能がパズルみたいにハマって、いい作品が完成したと思います。
──発売日にはShibuya eggmanでライブを行って、「ONE」の収録曲を早速披露していました。お客さんの反応はいかがでしたか?
村上 どういう反応になるのか、少し不安でした。でもみんな体で音を感じてくれている雰囲気だったので、すごくうれしかったし、僕らも楽しめました。
──メジャー1stアルバムのアグレッシブな雰囲気から、今回はグッとエモさが増した印象を受けました。
村上 これまでの作品はやりたいことをどんどん足して詰め込んでいく感じだったんです。今回は歌詞とメロディを際立たせたいっていう意識が自然と4人の中に芽生えていたので、歌を立たせるための引き算もして、歌詞を伝えることにはこだわりました。
──一方、SUPER BEAVERは結成10周年の節目に「愛する」をリリースします。
渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER) 今作は10周年ということを意識して作ったわけではないんです。この10年、順風満帆とはいかなかったし、間違ったことや実は必要なかったようなこともたくさんあった。だけどこれまで歩き続けてきた10年の片鱗が図らずも出ていて、バンドの歴史を感じさせる作品になりました。
学くんはイカれてる
──2組は昨年9月に行われたSUPER BEAVERの自主企画がきっかけで仲良くなったそうですね。
渋谷 ヤナギが入院したタイミングだったんで、最初はヤナギ抜きで仲良くなりました。
柳沢亮太(G / SUPER BEAVER) テスラのメンバーとは僕だけ対面するのが遅かったんだけど、そのあとのイベントで一緒になってやっと打ち解けた感じ。
吉牟田直和(B / テスラは泣かない。) 2月に沖縄であったレーベル主催のイベントでもけっこう一緒にいたよね。
渋谷 うん。打ち上げでいろいろ話したり、ホテルでトランプやったりね。一緒にいてわかったことがあるんですけど、学くんはイカれてるんですよ(笑)。
──どういうことでしょう?
渋谷 いろいろあるんですけど、みんなでコンビニ行こうってなったのに、1人だけしれっとホテルに帰っちゃったり、せっかく沖縄に来てるのに1人でコンビニの前で飯食ってたり(笑)。
村上 ちょっと変わってるくらいでしょ。沖縄以降、「イカれてる」って言われ続けてるうちにだんだん自分でも気に入ってきた(笑)。
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- SUPER BEAVER ニューアルバム「愛する」 / 2015年4月1日発売 / 2700円 / [NOiD] / murffin discs / NOID-0004
- SUPER BEAVER ニューアルバム「愛する」
収録曲
- 誰か
- らしさ
- 証明
- 結果論
- わたし
- Q&A
- おかげさま
- 言えって
- 生活
- 愛する
- ILP
収録曲
- 国境はなかった
- MOTHER
- サイドセクション
- Imagination Gap Ground
- Tuesday
- メロル
- one
SUPER BEAVER(スーパービーバー)
2005年に東京で結成されたロックバンド。メンバーは渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“26歳”広明(Dr)の4人。ギターロックを基調としたエモーショナルなサウンドと、メッセージ性あふれるまっすぐな歌詞を特徴とする。2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。2010年10月にリリースされたミニアルバム「SUPER BEAVER」の収録曲「ささやかな」が、映画「ソラニン」のラストシーンで使用され話題を呼んだ。2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを敢行。2012年に自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げ、シングル「歓びの明日に」を発表した。2013年、東京・Shibuya eggmanのスタッフ・YUMAが「mini muff records」内に発足させたロックレーベル[NOiD]とタッグを組み、翌2014年2月にフルアルバム「361°」をリリースした。その後精力的にツアーや自主企画を開催し、9月にはテレビアニメ「ばらかもん」の主題歌「らしさ」を含むシングル「らしさ / わたくしごと」を発表した。同月に柳沢が緊急入院するという事態に見舞われたが、バンドはサポートメンバーを迎えライブ出演をキャンセルすることなく敢行。柳沢の退院後にアルバムの制作に入り、バンド結成10周年の節目に当たる2015年4月1日、ニューアルバム「愛する」をリリース。同月より全国ツアー「『愛する』Release Tour 2015 ~愛とラクダ、10周年ふりかけ~」を実施する。
テスラは泣かない。(テスラハナカナイ)
2008年5月に村上学(G, Vo)、吉牟田直和(B)を中心に結成。鹿児島を拠点に活動を続け、2010年4月に實吉祐一(Dr)、2011年10月に飯野桃子(Piano, Cho)が加入し、現在の編成に。同年11月にオーディション「RO69JACK 11/12」で入賞。ギターロックサウンドをベースに、エモーショナルなピアノリフと女性コーラスが加わった楽曲群と、叫びにも似た歌声や激しいライブパフォーマンスで着実に知名度を上げていく。2013年9月に1stミニアルバム「Anderson」を発表し、11月には初の全国ツアーを開催。このツアーの最終公演で、EMI Records(現Virgin Music)よりメジャーデビューすることを発表した。翌2014年2月に東京で初の自主企画を行い、4月にメジャーデビューシングル「Lie to myself」をリリース。同月に鹿児島・SR HALLで行ったレコ発ライブは満員御礼となった。6月にメジャー1stアルバム「TESLA doesn't know how to cry.」を発表。2015年2、3月に東京・Shibuya eggmanで自主企画「High noble MATCH! in TOKYO」を行い、3月4日に最新ミニアルバム「ONE」をリリース。4月よりリリースツアー「『ONE』release tour “国境線上で唄う”」を開催する。