音楽ナタリー Power Push - BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2016
田島貴男&Shiggy Jr.が語る「BEATRAM」池田智子の通なスポット紹介も!
シャイだけど温かい人柄
──田島さんは前回のインタビューで、「富山は昔の建築物を残しながらも新しいところもある」とお話しされていました。
田島 そうそう。古い建物がいっぱい残ってていいよね。
──「BEATRAM」はライブを楽しみつつ街中を観光できるところも魅力です。池田さんは富山の街には、どんな特徴があると思いますか?
池田 私は商店街に住んでいたので、近所に小っちゃいお店がいっぱいあったんです。意外なところにお店があったりして、探す楽しみはありましたね。いまだに仲のいい商店のおじちゃんもいるし、実家に帰ったりすると会いに行ったりします。街に守ってもらっている感じがあって、すごく温かい土地柄だと思います。
──人同士に密接な関係が生まれているんですね。
池田 そうですね。
──去年のインタビューでは南壽さんも同じことをお話ししていました。
田島 人柄はどう思う?
池田 富山の人はシャイですよね。
田島 新潟の人もそんな感じだったよ。日本海側はそういう人が多いのかも。
池田 でも1回心を開いてくれると、すごいあったかい人が多くて。もしかしたら「BEATRAM」でライブをやるときも、最初お客さんは緊張しているかもしれないけど、1回火が点いたら一緒に盛り上げてくれると思います。
田島 あと、ロカビリーもすごい盛んなんだよね。
池田 そう! いろんなところで言われて! 上京してから知りました。思い返したら、よくゴールデンレトリバーを連れて散歩してたおっちゃんがすごいリーゼントだった(笑)。
田島 そうなんだ! 富山出身のバンドマンって誰かいたっけ?
梶原 中村達也さんとか。
池田 あとはつしまみれのやよいさんとか。SuchmosのTAIHEIくんは氷見市出身だし。
田島 Suchmosってシギーと同じくらいの年代だよね? こないだ初めて会ったよ。
諸石 そうですね。ほぼ同い年。
田島 この世代の人たちって、曲をちゃんと作る人が多いよね。もちろん俺らの世代の人たちがちゃんと曲を作ってなかったってことじゃないんだけど。もうちょっと上の世代の人たちって、ライブ演奏でどれだけ盛り上がれるかを前提にして曲を作っている感じがあるんだけど、シギーやSuchmosは一曲の完成度をどれだけ高めるかに純粋にこだわっている感じがして、そこが素晴らしいと思う。
──田島さんは若手のアーティストとの交流も多いですよね。刺激を受けることは?
田島 ありますね。シギーもSuchmosもそうなんですけど、若手のバンドが楽曲のクオリティを追及していく姿を見るとうれしいですよね。でもなんでそういうこだわりがあるのか聞いても、なんとなくそうしたい気分でやっているみたいでさ、無意識的にそういうふうになっているみたいなんです。
池田 私たちも先輩バンドの皆さんから、たくさん影響を受けてるよね。
諸石 ライブなんかは特にそうだし。
田島 シギーもどんどんうまくなってるよね。
池田 ほんとですか!
諸石 田島さんが僕らのライブを観に来てくださったことがあったんですけど、Twitterで「ファンキーになったね!」って言ってくれて。すごいうれしかった。
田島 初めて観たときはもうちょっとバラバラでつんのめり感があったけど、それがどっしりリズムをキープできるようになってて。まだまだ成長できる余地もあるし。
諸石 ありがとうございます。
原田 憧れの田島さんに……。
田島 何言ってんの!(笑)
原田 親がめっちゃORIGINAL LOVEの楽曲を聴いてたし、自分も影響を受けたから。
田島 最近「親が聴いてました!」って言われることたまにあるんだよ! こないだシンリズムくんに会ったら、親が俺よりも年下で。
Shiggy Jr.一同 えー!
田島 そういうこと初めてだったから、びっくりしちゃったよね。
自分たちと富山を伝えられるライブに
──当日に向けての意気込みは?
田島 今年も爆発しますよ。骨を折らない程度に(笑)。そういえば、シギーと出演日が同じだよね? 時間があったら観に行きますからね。
Shiggy Jr.一同 おー!
森 ありがとうございます!
──田島さんは今年メジャーデビュー25周年ですが、ライブでの心情も年々変わっていますか?
田島 いやいや! 同じ感覚だよ。むしろキャリアを重ねると、時々そういったキャリアとか無自覚についた貫禄みたいなものがめんどくさく感じるんですよ。新人の気持ちで曲を作っていたいですね。曲作りって、今まで作ってきたキャリアとか通じないもんね。
森 そうなのかもしれないですね。
田島 逆にライブっていうのは経験が効いてきて、「ああやってこうだったな」「ああやって失敗したな」とかあるんだけど。曲作りはずーっと初心者状態が続くっていうか。
原田 あとは時代感っていうのもありますもんね。
田島 そうだね。曲作りでもトレンドというか、流行っていうのは変わっていくんだけど、歌とか人間の裸の感情表現の部分はそんなに変わんないんです。
原田 昔の曲を聴いてても、いいものはいいですもんね。
田島 そうそう! 古典とか神話を読んで感動することがあるけど、それって人間の内面はそんなに変わらないってことだよね。だから裸の感情をうまく表現できた曲っていうのはのちのちまで残るんですよ。サウンドがカッコいい曲が残ることもあるんですけど、カッコよさって何年後に正反対の評価になったりする場合もあるんだよな。
──それぞれ違う年代の人同士で感じていることをシェアできる環境があるのはいいですよね。
田島 シギーのみんなは話しやすいですし、20代の人の方が話しやすいことも多いし。曲の作り方も似てるんだよね。
──シギーの皆さんは今回の公演に向けて、何かやってみたいことは?
池田 シギーとしては初めて行く場所なので、今までどういうライブをしてきて、どういう音楽を作っていて、何を大事にしているかをしっかり伝えられるライブをやってみたくて。
田島 富山弁をバーッと使ってみるのはどう? あとステージでラーメン食ったり(笑)。
森 それいいですね(笑)。
池田 あとは日本酒も有名だから……。
森 ステージドリンクを日本酒にしたり。
諸石 じゃあ俺、ラーメンをステージドリンクにするわ!
田島 カニ食いながら「富山最高!」って言ったり(笑)。
池田 あはは(笑)。とにかく、地元の人にもっと知ってもらいたいし、応援してもらえたら心強いなっていうのはすごくあって。最近は富山から離れて生活していることもあって、地元のことをすごく考えるようになったんです。もっと富山のよさを伝えられるようになりたいですね。
「BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2016」
2016年10月8日(土)
富山県 富山城址公園 芝生広場 / 富山市内環状線・路面電車内 / and more
<出演者>
ORIGINAL LOVE / カジヒデキ / KONCOS / Shiggy Jr. / DJダイノジ / Negicco / HARUHI / 堀込泰行 / Yogee New Waves / Rei / and more
2016年10月9日(日)
富山県 富山城址公園 芝生広場 / 富山市内環状線・路面電車内 / and more
<出演者>
大橋トリオ / シャムキャッツ / DE DE MOUSE / 南壽あさ子 / ハンバートハンバート / →Pia-no-jaC← / Homecomings / マイア・ヒラサワ / and more
ORIGINAL LOVE(オリジナルラブ)
1985年結成のバンド・THE RED CURTAINを経て、1987年よりORIGINAL LOVEとして活動を開始。1991年7月にアルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たした。同年11月発売の2ndシングル「月の裏で会いましょう」がフジテレビ系ドラマ「BANANACHIPS LOVE」の主題歌に採用され全国的に注目を集める。その後も「接吻 kiss」「朝日のあたる道」などのシングルでヒットを記録し、1994年6月発売の4thアルバム「風の歌を聴け」はオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。以降もコンスタントに作品を発表し、柔軟な音楽性を発揮している。近年はバンド編成のライブだけでなく、田島貴男1人での「ひとりソウルツアー」や「弾き語りライブ」も積極的に実施。2016年6月にはメジャーデビュー25周年記念シングル「ゴールデンタイム」をリリースした。
Shiggy Jr.(シギージュニア)
池田智子(Vo)、原田茂幸(G, Cho)、森夏彦(B)、諸石和馬(Dr)からなるポップバンド。2012年12月、池田と原田を中心に結成。2013年11月にリリースした1stミニアルバム「Shiggy Jr. is not a child.」がWebを中心に話題となり注目を集める。2014年2月に森、諸石が加入して現体制となり、同年7月に2ndミニアルバム「LISTEN TO THE MUSIC」をリリース。江口寿史がジャケットにイラストを描き下ろしたことも話題となり、インディーズとしては異例のヒットを記録した。2015年6月には1stシングル「サマータイムラブ」でユニバーサルシグマよりメジャーデビューを果たした。10月26日にはメジャー1stアルバム「ALL ABOUT POP」をリリースする。