THE BAWDIES「POPCORN」インタビュー|4人がロックンロールし続ける理由 (3/3)

成長することが正解だと思ってない

──ロックンロールの魅力って、ROYさんのおっしゃるバカっぽさとカッコよさが紙一重なところだと思うんです。THE BAWDIESってそのロックンロールの魅力を最も効果的に表現できる稀有な存在ですよね。特にここ日本で、英詞でこういったガレージ色の強いロックンロールバンドをメジャーシーンで長く鳴らし続けることはすごく大変だったと思います。皆さんに初めてインタビューした15年前にバンドの成り立ちを聞いたとき、2003年大晦日に4人で集まって「音楽で食っていきたい」という話をしたとおっしゃっていましたが(参照:THE BAWDIES「THIS IS MY STORY」インタビュー)、その20年前と今を比べてみていかがですか?

ROY 当時とまったく変わってないですね。やっていることも変わってないし、当時も今もほかのシーンとの距離感も変わってない。見た目もそんなに変わってないほうだと思いますけど、本当にそれぐらい何も変化してないんです。いい意味で成長を捨てたというか、成長しようとしていない(笑)。そもそもロックンロールが好きな時点で、成長することが正解だとはあまり思っていなくて、それがいい方向に進んだというか。バンド内での会話の内容もほとんど変わってないと思いますし、関係性も変わってない。こないだ「SUGAR PUFF」のミュージックビデオを撮ったんですけど、そのときも目の前にフリスビーとかボールを置かれて「どうぞ好きに遊んでください」と言われて、40のおじさんたちが子犬のようにみんなでキャッキャ遊んでいたわけですよ(笑)。きっと15年前だろうが20年前だろうが、同じようにできるんじゃないかな。

JIM しかも、ROYとMARCYとは小学校からの付き合いだから、一緒にいなかった時間が人生の中で7年しかないんだよな(笑)。

ROY そう考えるとすげえな。そういうところが周りからはすごく奇跡的に見えているようで、「どうやったらそんなに仲よくやっていけるの?」とか「同じようなことをなぜずっと続けられるの?」と聞かれることもあるんですけど、自分たちとしては特に意識してないというか。

JIM 常に自然体なので、理由は本当にわかんないです。

──こういう取材で絶対に「ここまで続けられた秘訣は?」とか聞かれるじゃないですか。

ROY そうなんですよ。なんでだろうなあ。距離が離れることもないし、なんなら毎週会ってるし。

TAXMAN とはいえ20年一緒にやってきて、みんな40歳になって心のゆとりみたいなのも生まれてきたのかな。前は「MARCYが普段何をしてるか教えてくれない」とかずっと言ってたけど、今は「まあ40だし。こいつはこいつでいろいろあるだろうから、いっか」ってなるし(笑)。

MARCY 口に出して言うこともあるけど、昔ほどそこまで気にしなくなった。

JIM 気にはするけど「まあいい大人だしね」で終わる。

JIM(G)

JIM(G)

TAXMAN(G, Vo)

TAXMAN(G, Vo)

ROY 学校に通っているときってほぼ毎日会っているから関係性もほとんど変わらないし、ケンカとかしてもそれ以上距離感が離れることもないじゃないですか。そう考えると、THE BAWDIESという学校にずっと通い続けているから、卒業しない限り何も変わらないという、そんな感じですかね。

TAXMAN THE BAWDIESって学校だったのかよ!(笑)

MARCY 何夢みたいなこと言ってんの?(笑) 「卒業したくなーい!」ってずっと言ってるんでしょ?

TAXMAN ずっと留年し続けているわけか(笑)。

ROY 「ちびまる子ちゃん」とか「サザエさん」って時間が止まってるじゃないですか。あの感じです。

JIM 逆にそれ、怖いよ!(笑)

MARCY それは現実逃避してるだけじゃないか?(笑) 真面目な話をすると、誰も率先して舵を取らないのも逆によかったのかな。

ROY いや、俺取ってるよ?

TAXMAN 表向きはね。取ってる風(笑)。

MARCY そりゃあ曲を作ってくれているけど、それでROYが一番偉いとは誰も認識してないところも大きいのかなと。

TAXMAN 絶対的リーダーがいないから。

MARCY そういうところが、ほかのバンドとは違うのかも。それがいい悪いじゃなくて、俺らにはこれが合っていたから20年も続いているんでしょうね。

TAXMAN これでROYが独裁者みたいな感じのバンドだったらね。

MARCY 別のバンドを組んで、そっちに行く人も出てきたと思うし。

ROY そういうストレスを与えないっていう、リーダーの懐の深さが重要だったと。

MARCYTAXMAN いやいやいや!(笑)

ROY 独裁的に感じさせない努力が実り、ここまで続いたと。

MARCY そういうふうに思わせてあげている、我々の努力も大きかったわけです。

TAXMAN 気持ちよくさせるための努力な(笑)。

MARCY(Dr)

MARCY(Dr)

ROY(Vo, B)

ROY(Vo, B)

40歳になっても気持ちは20歳の頃のまま

──この仲のよさが20年続いている秘訣なわけですね(笑)。ただ、この20年を振り返ると東日本大震災やコロナ禍など、活動に大きな影響を及ぼした出来事も少なくありません。中には、そういった困難を前に志半ばでバンドをやめてしまった人も少なくなかったはず。THE BAWDIESはそうした状況下でも、なぜ挫けずバンドを続けてこられたのでしょう?

ROY それはもう、4人でいると楽しいから。震災のときもコロナのときも、もちろん僕らも食らいましたけど、結局4人そろったら楽しいし、一緒にいると常にポジティブな空気が流れるんです。たぶんデビュー当時にも言ったと思うんですけど、何かに夢中になってみんなで笑い合うのってこんなに素晴らしいことなんですよということを伝えたいですし、その思いを音楽に乗せて届けることによって笑顔になってくれる人がいるんじゃないかと僕らは信じているんです。人生こんなに楽しいぜ、ロックンロール最高だぜって、そこに尽きると思います。だからこそ、世界中が落ち込んでしまう瞬間に、自分たちのこのポジティブなエネルギーが必ず力になるんじゃないかな。例えば、僕らはSNSでもネガティブな発信をまったくしない。周りで何が起こっていようが、THE BAWDIESを目にしたら何かクスッとなって力が抜けたり、THE BAWDIESの曲を聴いたら笑顔になれる、そんな存在になりたいなと常々思っています。

──では、ロックンロールとの向き合い方も以前と大きく変わってはいない? 例えば、今の年齢だからこそ見せられる、鳴らせられるロックンロールもあると思うんですけど、そのへんはどう考えていますか?

ROY 経験値のおかげでどんな状態でも自分たちのベストを表現できるようにはなったし、何があっても動じなくなった。対バン相手が誰であろうが、世界中のどこで演奏しようが、自分たちのスタイルをそのまま100%伝えられる自信があるし、今の年齢までやってきたからこそ出せるものもあると思います。だからといって、今のこの年齢だからこそ出したい音とか伝えるべきことというのは何も意識してないです。気持ちは20歳の頃のままなので。

──5月にはツアーが始まり、夏には「FUJI ROCK FESTIVAL」をはじめとするフェス出演も控えています。今イメージしている21年目以降のTHE BAWDIESの姿は?

ROY 結局、何も変わらないと思います。だって、20年変わらないんですからね。

JIM 変わりようもないというかね。

ROY ただ、ロックンロールってポップに聴けるものなんだよ、誰が聴いても楽しめるものなんだよと言える作品を作れたことは自信になったんですよね。なので、ここからまたロックンロールを伝える者として、よりみんなにアタックしていけるようになる気がしてます。よりシンプルに、そしてより楽しくというところは、もしかしたら目指していくべき目標かもしれないです。

THE BAWDIES

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ライブ情報

THE BAWDIES「POPCORN TOUR 2024」

  • 2024年5月11日(土)千葉県 千葉LOOK
  • 2024年5月12日(日)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2024年5月18日(土)大分県 DRUM Be-0
  • 2024年5月19日(日)長崎県 DRUM Be-7
  • 2024年5月23日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2024年5月25日(土)石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2024年5月26日(日)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2024年5月30日(木)京都府 磔磔
  • 2024年6月1日(土)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2024年6月6日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2024年6月8日(土)香川県 高松MONSTER
  • 2024年6月9日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
  • 2024年6月15日(土)広島県 LIVE VANQUISH
  • 2024年6月16日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2024年6月22日(土)宮城県 Rensa
  • 2024年6月23日(日)岩手県 Club Change WAVE
  • 2024年6月29日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2024年6月30日(日)北海道 CASINO DRIVE
  • 2024年7月6日(土)大阪府 GORILLA HALL OSAKA
  • 2024年7月7日(日)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2024年7月20日(土)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)

プロフィール

THE BAWDIES(ザ・ボゥディーズ)

2004年1月1日結成。学生時代からの同級生であるROY(Vo, B)、TAXMAN(G, Vo)、JIM(G)、MARCY(Dr)によるロックンロールバンド。2009年にメジャーデビュー。現在までに3度の東京・日本武道館公演を実施するなど、ライブバンドとして全国を行脚し続ける。2023年6月に最新シングル「GIMME GIMME feat. オカモトショウ」をリリース。9月にはお笑い芸人のジャルジャルと東名阪ツアー「LAUGH 'n' ROLL TOUR ~ロックンロールとコント混ぜる奴~」を開催。2024年にデビュー15周年および結成20周年を迎え、4月にニューアルバム「POPCORN」をリリースした。

2024年4月22日更新