ナタリー PowerPush - THE BAWDIES
メジャー1stアルバムでついに手に入れた“MY STORY”を激白!
THE BAWDIESがニューアルバム「THIS IS MY STORY」を4月22日にリリースする。これまでインディーズで活動してきた彼らだが、今回からVictor洋楽部内の新レーベル「Getting Better」に移籍 。アルバムにはLOVE PSYCHEDELICOのNAOKIをプロデューサーに迎えた楽曲も含まれており、これまで以上にカラフルで意欲的な作品に仕上がっている。
今回ナタリーではTHE BAWDIESのメンバーにインタビューを敢行。新作制作の裏話はもちろんのこと、バンドの成り立ちや60'sを彷彿とさせるロック/ソウル・サウンドの秘密、さらにはアナログ 盤に対する思い入れなど、興味深い話をたっぷり聞いた。
取材・文/西廣智一
自分たちが受けた衝撃をみんなにも味わってほしい
──THE BAWDIESは2004年1月1日にスタートしたということですが。
ROY もともと僕とJIM、MARCYが小学校からの同級生、TAXMANが高校からで、バンド作って遊びでスタジオに入ったり、学園祭でライブをしてたんです。ちょうど高 校の終わりくらいに、僕とJIMがたまたまレコード屋で60年代の音楽に触れて。それがあまりにも衝撃的に聞こえたので、こういう音楽を自分たちもやりたいと本気で思ったんです。そういうルーツミュージックのコピーをひたすら続けていたんですが、あるとき本気でこれをやっていこうとこの4人で話し合って、キリがいい2004年の頭にTHE BAWDIESとして動き出しました。
JIM この音楽をやって生きていきたい、食べていきたいっていう意思表示を、大晦日に集まってみんなで話したんです。
ROY 大学1年か2年だったかな。
──60年代の古い音楽のどこに、そんなに惹かれたんですか?
ROY 当時と比べると、今の音楽はレコーディング技術とかいろいろ進化してますよね。でもその反面、ライブ感というか汗が飛び散るような激しい感覚、実際にバ ンドだけでガッと演奏するパワーみたいなものがどんどん失われている気がしたんです。
JIM だから、もし当時と同じ音を僕らが出すことができたら、現代にも衝撃を与えられると思ったんです。それで当時の曲をとにかくたくさんコピーして。でも、 同じフレーズを弾いても当時と同じものにならない。だから何回も弾いて体に覚え込ませたり、ルーツミュージックをたくさん聴いて、自分たちの血肉になって自然にポッと出てくるようになるまで続けました。
ROY 自分たちが受けた衝撃があまりにもすごいものだったから、その衝撃をみんなにも味わってもらいたいと思ったんですよね。
ルーツを掘り下げることはバンドにとって大切
──海外では21世紀に入ったあたりから、いわゆるロックンロール・リバイバル的な流れがあって、日本でもここ数年同じ流れにあるバンドが増えてますよね。どのバンドも70年代以降の音楽からの影響が強いですが、THE BAWDIESは50~60年代の音楽を軸にしている点が強烈に個性的だと感じます。
TAXMAN 実際にライブでも、50~60年代の音楽を知らないお客さんが多いと思うんです。でも、聴いて楽しんでもらえてるし、自然と踊ってくれたりするのは、僕らがやりたかったことが伝わっているから。自分たちが目指しているものに近づいてるなと実感しますね。
──リスナーからすると「○○みたいだから聴く」というより、THE BAWDIESみたいなバンドと初めて出会った新鮮さや衝撃が大きいのかもしれないですね。
JIM 今は日本もロックンロール・リバイバルが盛り上がってきてますよね。でも、シーン全体とは言わないけど、海外のロックンロール・リバイバル・バンドを目 指してやっているバンドとは、僕たちは下地がまったく違うと思うんですよ。だから僕たちがちょっと異質に映るというのは、そういう違いじゃないのかな。
MARCY 僕たちTHE SONICSがすごい好きなんですけど、彼らの真似をしていてもTHE SONICSにはなれないじゃないですか。だから彼らが聴いていたルーツもどんどん 聴くようになったんです。別にTHE SONICSになりたかったわけじゃないんですけど、そうやってルーツを掘り下げることはバンドにとって大切だと思いますね。
CD収録曲
- EMOTION POTION 試聴はこちら
- FORGIVE ME
- EVERYDAY'S A NEW DAY
- NOBODY KNOWS MY SORROW
- OH! MY DARLIN'
- YOU GOTTA DANCE
- SO LONG SO LONG
- TELEPHONE MAN
- TINY JAMES
- LEAVE YOUR TROUBLE
- KEEP ON ROCKIN'
THE BAWDIES(ぼうでぃーず)
ROY(Ryo Watanabe/Vo,B)、JIM(Yorihiko Kimura/G)、MARCY(Masahiko Yamaguchi/Dr)、TAXMAN(Taku Funayama/G)によって2004年1月1日に結成。1950~60年代のロック/R&B>/ソウルをルーツに持つ個性的なサウンドと、圧倒的なボーカルが魅力で、日本各地でダイナミックなライブを展開している。2006年3月に1stアルバム「YESTERDAY AND TODAY」をインディーズからリリース。翌2007年6月には 、初の海外公演となるオーストラリアツアーを敢行し、現地のロックファンから大歓迎を受ける。また、同年7月には「FUJI ROCK FESTIVAL '07」の「ROOKIE A GO-GO」ステージにも出演。2008年2月に2ndアルバム「Awaking of Rhythm And Blues」が発売され、全国34公演にわたる全国ツアーも大成功を収めた。さらに、初の自主企画イベント「FREE FOR ALL」もスタートし、着実に知名度を高めていく。2009年に入るとメジャー新レーベルGetting Betterに移籍。3月に先行7インチアナログ盤+配信シングル「EMOTION POTION」、4月にNAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)初プロデュース曲を含むアルバム「THIS IS MY STORY」をリリース。