ナタリー PowerPush - BABYMETAL

ピエール中野とド・キ・ド・キ☆パフォーマンス研究会

チョーキングしなくてもいい曲で練習しよう

──ここからはピエールさんがオススメするメタルバンドの映像をBABYMETALの皆さんに観てもらいたいと思います。

ピエール中野 どれを観ましょうか?

──本格的な楽器の話をしたので、このイングヴェイのギター教則ビデオはどうでしょう。

ピエール中野 いいじゃないですか。えっとですね、楽器の世界には教則ビデオというのがあって、例えばギターの練習をするためにそういった映像を観るんです。で、メタルの世界では誰でも知っているイングヴェイ・マルムスティーンというギタリストがいて、モーツァルトをはじめとするクラシックの要素をメタルに取り入れてる人なんですけど。

(教則ビデオ「イングヴェイ奏法」のデモ演奏を鑑賞)

インタビュー写真

ピエール中野 この人のギターソロ、速いでしょ?

MOAMETAL うん。

YUIMETAL すごい……。

ピエール中野 すごいでしょ?

SU-METAL はい。

ピエール中野 ソロの中にクラシックっぽいメロディが入ってる。このプレイとサウンドで一世を風靡したんです。

SU-METAL へえ。

ピエール中野 この人のギターの指板は普通のギターと違って、若干えぐれてるの。スキャロップ加工っていうんだけど。今度楽器屋に行ったら見せてもらうといいよ、「イングヴェイモデルのギターありますか?」って。

YUIMETAL あはは(笑)。

MOAMETAL え、待って。でも押さえるところが凹んでたら弦が押さえにくいですよね?

ピエール中野 そう。でも押さえられちゃうのが不思議でね。そっちのほうが速弾きしやすいんだって。

MOAMETAL MOAもギターを練習してるときに、あの、こう弦を上に上げる弾き方があるじゃないですか。

ピエール中野 ああ、チョーキングね。

MOAMETAL あれをやってるときに、1回爪が剥がれそうになっちゃって。

ピエール中野 それは無理しなくていいと思うよ。チョーキングをしなくてもいい曲を練習するといいんじゃないかな。

MOAMETAL わかりました(笑)。

ドリルでギターを壊して音を鳴らしてるのかなって

──続いて、楽器をいろいろ弾き倒していくと、そのうち指以外で弾く人が出てくるという例です。

インタビュー写真

MOAMETAL え?

ピエール中野 お、MR.BIGですね。

MOAMETAL どんなのかな?

YUIMETAL なんでもありなんですね。

──曲の途中、ソロパートから観てみましょう。

(MR.BIG「Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)」のライブ映像を鑑賞)

ピエール中野 ポール・ギルバート(G)とビリー・シーン(B)が速弾きでバトルするの。

SU-METAL え、これドリルを持ってるんですか?

ピエール中野 そう。電動ドリルをギターやベースのピックアップに近付けてスイッチを入れると、「キュイン!」って音がするんだよね。

SU-METAL じゃあギターに当ててるわけじゃなくて?

ピエール中野 ギターにも当ててるの。これはドリルの先端にピックを3枚付けて、回転させて弾いてるんだよね。だから指でピックを持って弾くよりも正確に、しかもものすごい速さで「トゥルルルルー」って弾けるという。

SU-METAL ドリルを使ってるし、ギターを壊して音を鳴らしてるのかなって思った(笑)。

ピエール中野 その破壊的な感じね。そういえばさっきのイングヴェイっていう人はね、歯でギターを弾いたりとかもするんだよ。

YUIMETAL ええ!?

インタビュー写真

SU-METAL すごい。

ピエール中野 意味わかんないよね?

SU-METAL うん。

ピエール中野 しかもそれを、さっきの教則ビデオの中で「俺ぐらいのレベルになると、歯でも弾けるんだぜ」とか言ってる。

BABYMETAL一同 あははは(笑)。

ピエール中野 「本気なのかギャグなのかどっちなの?」みたいな。真顔でおかしいことをやる、紙一重な感じがメタルの面白いところかもしれない(笑)。

プライベートでもっと楽器に触れてほしい

──今日の対談ではBABYMETALの皆さんが楽器に興味を持ってくれたので、今後ステージ上で自分たちでギターを弾いたりドラムを叩いたりする日も近いかもしれないですね(笑)。

BABYMETAL一同 おお!

YUIMETAL でもやりたいね。

インタビュー写真

ピエール中野 きっとステージ上で楽器を持ってるだけでもいいし、当て振りでもいいと思うんだ。

SU-METAL でもあれだよね? 「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のPVでもちょっとね。

MOAMETAL そう。

SU-METAL ちょっとね。

ピエール中野 へえ(笑)。でもそういう試みはいいと思うよ。だって、ゴールデンボンバーだって当て振りだけど、楽器があるのとないのとでは大違いだから。

SU-METAL そうですね。

ピエール中野 MIKIKO先生に頼んで、そういうアイデアをどんどん取り入れていってもいいと思う。「どんなふうに見せたらいいですかね?」「どんな楽器を選んだらいいですか?」とか。あとは実際に弾いてみるっていうのもすごく大事かな。メタルを演奏するのは結構ハードルが高くて難しいんだけど、難しいからこそ支持されてる音楽だし。でも今後実際に弾き方を教えてくれる人もいるかもしれないので、プライベートでもっと楽器に触れてみるのもいいかもね。

BABYMETAL一同 はい!

BABYMETAL - イジメ、ダメ、ゼッタイ - Ijime,Dame,Zettai (Full ver.)

BABYMETAL メジャーデビューシングル「イジメ、ダメ、ゼッタイ」 / 2013年1月9日発売 / TOY'S FACTORY
「イジメ、ダメ、ゼッタイ」初回限定盤 "I"盤
初回限定盤 "I"盤 [CD+DVD] 1800円 / TFCC-89404
初回限定盤 "D"盤 [CD+DVD] 1800円 / TFCC-89405
初回限定盤 "Z"盤 [CD+DVD] 1800円 / TFCC-89406
通常盤 [CD] 1200円 / TFCC-89407
CD収録曲
  1. イジメ、ダメ、ゼッタイ
  2. (未定)
  3. イジメ、ダメ、ゼッタイ(カラオケ)
  4. (未定)(カラオケ)
初回限定盤 "I"盤 DVD収録内容
  1. イジメ、ダメ、ゼッタイ(PV)
  2. イジメ、ダメ、ゼッタイ(メイキング映像)
初回限定盤 "D"盤 DVD収録内容
  1. いいね!(2012年4月8日 SHIBUYA-AX公演ライブ映像)
  2. ド・キ・ド・キ☆モーニング(2012年4月8日 SHIBUYA-AX公演ライブ映像)
初回限定盤 "Z"盤 DVD収録内容
  1. ヘドバンギャー!!(2012年7月21日 目黒鹿鳴館公演ライブ映像)
  2. ウキウキミッドナイト(2012年7月21日 目黒鹿鳴館公演ライブ映像)
BABYMETALライブ情報
「I、D、Z ~LEGEND "D" SU-METAL聖誕祭」

2012年12月20日(木)東京都 赤坂BLITZ
OPEN 17:30 / START 18:30
料金:MOSH'SH PIT(全席立見) 3500円
(スペシャルCD付 / ドリンク代別)
チケット一般発売中

凛として時雨 ニューシングル「abnormalize」/ 2012年11月14日発売 / Sony Music Associated Records
期間生産限定盤[CD+DVD] 1470円 / AICL-2452/3 / Amazon.co.jpへ
通常盤[CD] 1050円 / AICL-2451 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. abnormalize
  2. make up syndrome
  3. abnormalize(TV edit)
    期間生産限定盤のみ収録
期間生産限定盤DVD収録内容
  1. abnormalize(music video)
  2. 「PSYCHO-PASS サイコパス」non-credit opening movie
BABYMETAL(べびーめたる)

プロフィール写真

SU-METAL(Vo, Dance)、YUIMETAL(Scream, Dance)、MOAMETAL(Scream, Dance)からなるメタルダンスユニット。2010年、「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成。2011年に発表した楽曲「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のPVが、YouTubeを通じて国内外で大反響を呼んだ。ライブではアイドルの枠を超えたアグレッシブなパフォーマンス(激しいヘッドバンギングやウォールオブデスを彷彿とさせる“かけっこ”など)も魅力のひとつ。2012年3月にキバオブアキバとのスプリットシングル「BABYMETAL×キバオブアキバ」を発表。同年7月、初の単独名義でのシングル「ヘドバンギャー!!」をリリースした。2013年1月にはメジャー1stシングル「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を発売する。

ピエール中野(ぴえーるなかの)

1980年生まれ。凛として時雨でドラムを担当。高度なテクニックに裏打ちされたドラムプレイや、ステージで見せる独自のマイクパフォーマンスで多くの音楽ファンの支持を獲得。CHAOTIC SPEED KING、玉筋クールJ太郎のメンバーとしても活躍するほか、DJやコラム連載でもその才能を発揮している。2011年7月には自主イベント「ピエールナイト 海の日年越しライブ」も開催。2011年9月にドラム教則DVD+BOOK「Chaotic Vibes Drumming 入門編」「Chaotic Vibes Drumming 実践編」をリリースした。