音楽ナタリー PowerPush - AZU×蒼井そら対談
親友同士で初コラボ! 恋愛観ぶっちゃけガールズトーク
AZUが初のコラボレーションアルバム「Co.Lab」を完成させた。urata naoya(AAA)、DEPAPEPE、SEAMOら豪華アーティストが参加する今作は、そのコラボの魅力を最大限発揮できるよう、各アーティストと一から作り上げた振り幅の広いナンバーを収録。多種多様な化学反応が楽しめる仕上がりとなっている。
アルバムの中には、AZUが8年来の親友だという蒼井そらとのコラボ曲も収められている。ナタリーでは2人の対談をセッティング。意外な出会いのエピソードから楽曲制作秘話まで、普段の2人の空気感をそのまま持ってきたような和やかなガールズトークが展開された。
取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 笹森健一
コラボのオファーは、ほぼ飲みの席で(笑)
──まずはAZUさん、初のコラボレーションアルバム「Co.Lab」を制作することになった経緯は?
AZU 単純に私がずっとやりたいと思ってたことなんですよ。自分がコラボしたいと思うアーティストさんたちとの曲が詰まった作品を出せたら面白そうだなって。タイミング的にも、去年はオリジナルアルバムと冬のラブソングベストが出せたので、次はそういう企画をやってみてもいいんじゃないかなって。
──今までもAZUさんは積極的にフィーチャリング曲を発表されている印象があります。2012年にリリースしたベスト盤「BEST」も初回盤のDISC 3が過去のフィーチャリング曲を集めた1枚でしたし。
AZU そうですね。そのときもファンの方から「もっともっといろんな人とやった曲を聴きたい」という反応をいただいて。だったら今度は1枚まるごとそういうアルバムを作ってみたいなって。で、私自身がその企画案をスタッフに出して、「自分で全部アーティストも決めてくるから!」って宣言したんです。
──え、自分で交渉もしたんですか?
AZU はい。と言ってもだいたいは飲みの席なんですけど(笑)。今回参加してくれてるアーティストはもともと仲がよかった人がほとんどで、飲んだり遊んだりしてるときに「今度アルバム作るんだけど一緒に歌わない?」「いいよー」みたいな(笑)。みんなすごいフランクな人たちなんです。そらもそんな感じだったよね?
蒼井そら うん。飲んでてなんとなく「一緒に歌やりたいよねー」って話になって。後日事務所から「AZUさんから連絡が来て……」って言われたときに私は初めて「マジだったんだ!」って思ったけど(笑)。
AZU その場のノリだと思った?
蒼井 少し。だってアルバムが出ることも知らなかったから、それって一体どこで使われるやつなんだろう?って(笑)。
AZU あはははは(笑)。とりあえず今回は一度本人にジャブを打って、やりたいと言ってくれた人には正規のルートからオファーさせてもらうってやり方だったんです。ただ、AAAの浦田(直也)くんなんかは逆に彼から「一緒にやろうよ」って言ってくれてて。私も同じ気持ちだったし、「じゃあ明日すぐスタッフに言ってみるわー」みたいな感じでコラボが実現しましたね。
「人間の愛」を感じたアルバム制作
──コラボ相手が決まってからは、どんなふうに曲を作っていったんですか?
AZU 私とコラボする方で書いた曲もあれば作家さんにお願いした曲もあるんですけど、まずは今回のプロデューサーである浅田将明……彼も普段から交流のある作家で、1曲ずつ私と浅田とコラボ相手でお話をさせてもらって。本当に一から、「私はこういう雰囲気の曲をイメージしてるんだけどどうかな?」っていうところから始めていきましたね。
──今回はそれぞれのタイトルが「○○ feat. ××」ではなく「○○ Co. ××」という表記で。アルバムタイトルも「Co.Lab」ですし、そのへんのこだわりは?
AZU なんか、フィーチャリングじゃないなってずっと思ってて。フィーチャリングだと、どこか私の曲に華を添えてくれてる感じがしちゃうんですよね。今回はそうじゃなくて、もっと一緒にやってる感覚というか、2組で1つの曲なんだよっていうニュアンス。「Co」には共同とかカンパニーって意味があって、「Lab」は実験室なので、アルバムタイトルには“化学実験”みたいな意味合いも込めてますね。
──いろんなアーティストとのコラボの実験結果が詰まった1枚だと。
AZU はい。そういうアルバムとして聴いてもらってもいいかなって。
──ところで、9曲目「smile in your face」のみコラボ相手が存在せずAZUさんだけの歌唱です。
AZU これはカバーソングなんですよ。私が10代の頃よくクラブで聴いていた大好きな曲で、BOOさんというアーティストがMUROさんをフィーチャリングして歌われていて。いつかカバーしたいなと思っていたんですが、山下達郎さんの「SPARKLE」をサンプリングした曲でもあるので、ずっとカバー申請をさせてもらってたんです。で、ちょうどこのタイミングで了承をいただけて、それならこの曲だけは「楽曲とのコラボレーション」って感覚で入れてもいいのかなって。もとが男性の曲なので、それを女性が歌ったらどうなるか?っていう実験もしてみたかったですし。
──なるほど。多ジャンルの方との共同作業で、今回新たにコラボの可能性を感じた部分は?
AZU ありましたね。コラボによって自分の声が映える部分も絶対あると思うし、お互いの歌声の魅力も相乗効果で引き出されるというか。あと今回はコラボした人に限らず、プロデューサーやエンジニアといったスタッフさんも含め、皆さんの「人間の愛」を感じた制作だったんです。スケジュールやそのほかの条件面が厳しくても「一緒にやりたいから全然やるよ」って協力してくれた人が何人もいて。みんな「断る理由がないよね」って言ってOKをくれた感じ。本当にありがたいし、うれしかったです。
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- AZU ニューアルバム「Co.Lab」 2015年1月14日発売 / アリオラジャパン
- 初回限定盤 [CD+DVD] 4104円 / BVCL-623~4
- 通常盤 [CD] 3240円 / BVCL-625
CD収録曲
- LIAR'S GAME Co. JAZZY BLAZE
- THE WAY I AM Co. 蒼井そら
- Without U.... Co. urata naoya from AAA
- だいじなひと Co. BU-NI
- Tonight's The Night Co. DEPAPEPE
- Suga Suga Co. TAKANORI from LL BROTHERS
- HAVE FFUN!!! Co. YU-A
- YMD♡ Co. SEAMO
- smile in your face
- 大切なもの Co. 今井洋介, 草川瞬 from BRIDGET, TSUYOSHI, OSLT BAND(BU-NI, MITSU, DAIGO, TSURU)& ALL FANS
初回限定盤DVD収録内容
- 各アーティストとのレコーディング風景を収録したスペシャルレコーディングドキュメンタリー
AZU(アズ)
三重県出身のシンガー。16歳からクラブシーンで「AZU」としての活動を始め、2007年5月30日にシングル「CHERISH」でメジャーデビューを果たした。翌2008年にはSEAMOとのコラボレーション楽曲「時間よ止まれ feat. SEAMO」が大きな注目を集め、配信楽曲「いますぐに…」「YOU & I feat. LOVE LOVE LOVE」は着うたランキングでウイークリー1位を獲得。新日本製薬CMソングに起用された「Ring~M&M~」は着うたで異例のロングヒットを記録した。2014年1月には通算5枚目のフルアルバム「4seasons」、同年12月には冬をテーマに書かれた楽曲をコンパイルしたベストアルバム「WINTER LOVE BEST」を発表した。2015年1月にはさまざまなアーティストとコラボレートしたオリジナルアルバム「Co.Lab」(コー・ラボ)をリリース。