くだらないことで笑い合える存在になれたことが一番の思い出
──あゆくまとして活動する中で、一番印象的だった出来事を教えてください。
くりか なんやろうなあ、3人でしょうもないことしてるときが一番楽しかった気がします。あゆと散歩するときってめっちゃ歩くんですよ。3時間ぐらい歩いたこともあるかな。2人で歩いてたら突然大雨が降り出して、その中で「最高!」って言いながら走ったことを覚えてます。まっちゃんとは、2人でごはんに行ったときのことなんですけど、まっちゃんが前の日に泣いたみたいで目がパンパンに腫れてたんです。ごはんを食べ終わって外に出たら雨が降ってたので、パーカーのフードをかぶって紐をギューッて閉めてパンパンの目元だけ出ていたことを覚えてます(笑)。
まき そんなことあったん?(笑)
くりか あったよ(笑)。なんかそのとき2人ともすごく悩んでたんだけど、カオナシみたいになってるまっちゃんみたら心から笑えて。あゆとの思い出もまっちゃんとの思い出も変なことをしてるときのことをよく覚えてる。あゆくまの活動の話じゃないんですけど、そうやって2人とくだらないことで笑い合える存在になれたことが一番の思い出です。
あゆみ あゆみが覚えてるのは、リリイベの最中にまっちゃんから「あゆ、靴間違えてんで!」って言われて、本気の「すみません!」をマイクを通して言っちゃったことですね。まっちゃんは冗談のテンションだったのに、あゆみが「すみません!」って勢いよく謝っちゃったからすごく変な空気になっちゃって……(笑)。あの空気は忘れられないです。あとは3人で暮らしていたときのこと。くりかまきにあゆみが入ることになって全曲のフォーメーションを部屋で調整していたんですけど、大きい鏡がないから暗くなってから窓に映る自分たちを見て練習していたなって。つらいこともあったけど、こうやって思い返すと楽しかった思い出ばかりです。
──まきさんもステージから一歩離れた思い出はありますか?
まき 私が笑ってた思い出ってなんかあるかなあ。
くりか まっちゃんが笑わせてくれるから、うちらに対してまっちゃんが笑ってたことは少ないかも(笑)。
まき 確かにそうかも。……あ、思い出した! 新幹線のホームで2人を先導していたことを覚えています。iPhoneのバックライトを付けて2人が迷子にならないように先導したんですよ。ライトを振ると2人がその方向を向くっていうのが本当に面白かったなって。私がこういうノリが出せるのはくうちゃんとまっちゃんの前だけだよ? ほかではそんなキャラじゃないから。
くりか あはは(笑)。くりかの誕生日にやってくれたフラッシュモブじゃないフラッシュモブも覚えてる。誕生日の前日に地方にいて、12時回るタイミングで駅のホームにおったら、まっちゃんがめっちゃ大声で「はよ来て!」って怒ってたんです。それで近くに走って行ったら急に誕生日の歌が流れ始めて、まっちゃんとあゆが踊りだして(笑)。
まき ほんで「もうちょっとしたら周りの人動くからな」って、偽フラッシュモブをしたんよな。私たち以外、誰も踊らへんのに(笑)。
──どのエピソードもあゆくまならではだなと思います。
まき こういう面白いところをステージで出せないのがあゆくまの悪いところだなと思います。なんかステージだと怯んじゃうんですよね。このキャラが出せとったら売れとったんちゃうん?って少し思います(笑)。
あゆくまの活動を通して自分を愛すことができて強くなれた
──あゆくまとして活動してよかったと思うところを教えてください。
あゆみ 私はあゆくまの活動を通して広い世界を知ることができたと思っています。人前に立つのが苦手で、1人でカラオケや自分の部屋で歌っていたので、あゆくまとして活動しなければ自分の歌を人に届けることはなかったなって。あゆくまになって自分の歌を聴いてくれる人ができて、本当に世界が広がりました。一歩踏み出した過去の自分にとっても感謝しています。1人じゃ見ることができなかった景色をたくさん見られて本当によかったです。
くりか くりかはみんなのおかげでポジティブに物事を考えられるようになりました。なかなか自分のいいところが見つけられなかったくりかを、またぎのみんなやあゆとまっちゃんはたくさん褒めてくれて「くうちゃんのままでいいんだよ」って認めてくれたことが本当にうれしかったです。今でもライブやお仕事が終わると反省することが多いんですけど、それでもみんなは「こういうところがよかったよ」と愛を持って伝えてくれるので、ちゃんと前向きになれるんですよね。みんなの笑顔のおかげでくりかも笑えるし、完璧じゃなくても笑って楽しく過ごしていいんだなと思えました。
まき まきが一番よかったと思うのはやっぱり、くうちゃんとあゆに出会えたことですね。家の洗面所で音楽をかけてアイドルごっこを1人でしていた私がくうちゃんに初めてそのことを打ち明けて、くうちゃんもアイドルをやりたいって言ってくれたのが私たちの始まりで。私のバイト先のコピー機でこっそり自分たちの写真を100枚印刷して、手書きの履歴書とカラオケで録った音源を添えていろんな事務所さんやレーベルさんに送ったことをしっかりと覚えています。送った履歴書はどこにも引っかからず、たまたま私たちの踊ってみた動画を観た今の事務所が声をかけてくれたんですよ。くりかまきとして活動する中であゆみと出会って、なんか昔の自分に似ているなと思って守りたくなって、自分たちの仲間になってもらったんです。私がきっかけで始まったグループだし、あゆに対しては「この子を絶対不安な気持ちにさせたくない!」と強く思っていたから、私はずっとあゆくまのお母さん的な存在だったんですよね。あゆくまになって最初の頃は、みんなを引っ張らなくちゃいけないから強くならなきゃと常に思っていました。それはまたぎに対してもそうだったので、なかなか甘えられなかったところもあります。活動を続けていく中で、くうちゃんとあゆみ、そしてまたぎが支えてくれるからこそ、私は輝けるんだと気付いて、気負いがなくなって、そこからはずっと楽しく活動できました。今のまきになるまで、長い道のりだったなと思います。くうちゃんとあゆも同じようなことを言っていたけど、チームあゆくまがまきはありのままでいいんだと気付かせてくれて、自分を愛すことができて強くなれたなって。本当にもう感謝しかありません。
──あゆみさんが昔のまきさんに似てるという話がありましたが、どんなところが似てると思ったんですか?
まき 私も自分の家で歌手ごっこをしていたし、仲よくなるまではなかなか壁が厚いところも似ています。なんかあゆみに対しては妹みたいな感覚もあるんですよね。「この子を傷付けるやつは姉ちゃん絶対許さへんから!」みたいな(笑)。あゆくまに入る前にあゆが話してくれた音楽に対する思いも自分と似ていて意気投合しましたね。
──音楽活動はしないというお話がありましたが、あゆくま解散後もTwitterなど皆さんとコミュニケーションを取れる場所は残るのでしょうか?
くりか SNSを続けるかどうかはまだ決まってないんです。
まき 動かすかはわかりませんけど、あゆくまの思い出やから消さずに残しておきたいなと思っています。
──そのまま、ちびあゆくまが結成されたらぜひSNSで報告してください。
まき しますします。ちなみにあゆみに子供ができたら私が3年間預かるって約束してるんですよ。子供の性格は3歳までに決まるって言うじゃないですか。
あゆみ 私が育てたらコミュ障になるんで(笑)。でもまっちゃんに預けたらめちゃくちゃしゃべる子供になって帰ってきそう……。
くりか それを心配してます(笑)。
あゆみ 私、その子供にナメられそうだなあ。
まき ナメられるぐらいがちょうどいいんよ。いつかちびたちに天下を取ってもらおう!