ナタリー PowerPush - Attacca

音楽で話そう!ハヤシ&小林祐介「Attacca」体験

ハヤシのプレイリスト(ニューウェイブ編その1)

ハヤシ で、ここからが「小林くんとこたつに入って焼酎のお湯割りを飲みながら聴きたい湿ったニューウェイブ」ね(笑)。最近THE NOVEMBERSのライブを観ていて「小林くんとこれ聴きてえな」と思ったバンドがあって。

小林祐介(THE NOVEMBERS)

小林 なんですか?

ハヤシ JAPANなんだけど。

小林 あ、素晴らしい!

ハヤシ 今、小林くんと聴くならこれだなって思って。

小林 僕ミック・カーン意識して眉毛全剃りしてたんで。

ハヤシ そうなんだ?(笑)

小林 ミック・カーンとhydeですね。

ハヤシ すごいコラボ(笑)。で、JAPANだとこの曲とかすごくいいなと思って。(JAPAN「Sons Of Pioneer」を流す)

小林 4枚目ぐらいでしたっけ?

ハヤシ いや、「Tin Drum」だから5枚目? YMOとちょうどコラボしだしたとき。

小林 土屋昌巳さんが弾いてる頃ですよね?

ハヤシ そうそう。このあとに土屋昌巳さんがライブで参加して解散みたいな。この冷たい感じがいいなって思うんだよね。俺、寒いときにこたつに入ってアイス食ったりするの好きで、あの感じっていうか。寒い日に冷たいニューウェイブとかを聴くのが好きなんだよね。

小林 ニューウェイブポストパンクって、確かに冷たい感じしますよね。

ハヤシ で、その流れでNEW ORDERね。やっぱりこの初期のJOY DIVISIONの影を引きずってる頃のNEW ORDERっつうのがまたこう冷たくていいなって。(NEW ORDER「Everything's Gone Green」を流す)

小林 いいですよね。

ハヤシ この曲もすごいデケデケ言ってるんだけどぜんぜん垢抜けない(笑)。この感じがいいんだよね。スネアのリバーブ感とか、これくらいデケデケいってるTHE NOVEMBERS聴きたいなって感じもあって(笑)。

小林 ああ、いいですね。そういうのも。俺が死んでメンバーがバンド組んだらたぶんこうなります(笑)。

ハヤシのプレイリスト(ニューウェイブ編その2)

ハヤシ 次はこれ。このFRICTIONのギターのとがった感じっていうのはたぶんお互い好きだろうなと思って。で、特にこのFRICTIONのライブ盤がね、すごくいいんですよ。このライブ盤までiTunesで買えるんだってことにもうびっくりでしたね。これ1980年のツアーでこのときアレンジが全部とんがっててテンポも上がってていいのよ。だからこの「100年」めちゃくちゃカッコいいの。

小林 これ聴いたことないや。

ハヤシ ええとね……。(FRICTION「100年」を流す)

小林 あ、ちょっと速い。カッコいいですね。

ハヤシ でしょ? カッコいいでしょ。

小林 FRICTIONは昔、NUMBER GIRLの向井さんが影響を受けたっていうのを知って聴いたんですよね。あのギターのサウンドには由来があるんだなと。

ハヤシ うんうん。で、次がTHROBBING GRISTLE。これはリズムボックスが入ってるのに暗くてぜんぜん踊れないっていう。(THROBBING GRISTLE「20 Jazz Funk Greats」を流す)

小林 あはは(笑)。いいですね、こういう音楽大好き。

ハヤシ ノイズバンドにしては比較的ポップなアルバムで、リマスターされて音がめちゃくちゃよくなってるから。ちょっとは踊れるようになってる(笑)。それで次がSUICIDEなんだけど。好きだよね?

小林 めっちゃ好きですね。

ハヤシ この「Dream Baby Dream」は、ぜひTHE NOVEMBERSでカバーしてほしいなって思ってて(笑)。

小林 この曲、SUICIDEの中でもポップですからね。

ハヤシ どポップだよね。うん、これやっぱりいいわ。焼酎のお湯割り飲みながら聴きたいなって。あとこれは最近のってわけじゃないんだけど、ヒカシューはこれ3、4年前に出たやつで、やっぱりすごい好きで。カッコいいんだよねえ。

左からハヤシ(POLYSICS)、小林祐介(THE NOVEMBERS)

小林 なるほど。

ハヤシ で、最後にね……、これは今回のテーマとは関係なくて、こないだ「COUNTDOWN JAPAN」のときにくるりの岸田くんと飲んでて、そのとき話題になったDEBRISっていうバンドがいて。

小林 DEBRIS? 知らないですね。

ハヤシ これ面白いんだよ。1976年とかのガレージパンクバンドなんだけど、なぜかシンセが入ってるのね。岸田くんに「イントロがとにかくすごいからぜひ聴いてくれ」って言われて。で、さっそく聴いたらものすごいんだよね。これはヤバい。まあ普通にひどいバンドなんだけど(笑)。(DEBRIS「One Way Spit」を流す)

小林 誰かに勝手にシンセ重ねられたみたいな感じですね(笑)。

ハヤシ そうそう(笑)。なんでこのメンバーがいるんだって感じぐらい、シンセとの温度差があるのがいいの。1枚だけ出して解散したバンドなんだけど。あ、ちょうど岸田くんからメール来た。

小林 「今DEBRIS流したでしょ」って?(笑)

ハヤシ あはは(笑)。

小林祐介のプレイリスト(その1)

小林 僕が作ったリストはもう単純で。あの、僕が唯一レーベル買いしてるのが4ADなんですよ。だから4ADの曲を集めてみたっていう。

ハヤシ おおー、いいねえ。

小林祐介(THE NOVEMBERS)プレイリスト

1 Here Sometimes / BLONDE REDHEAD
2 Mr. Somewhere / THIS MORTAL COIL
3 Fortune / DEAD CAN DANCE
4 Slow / TWIN SHADOW
5 Babymaker / PALE SAINTS
6 Lorelei / COCTEAU TWINS
7 Dark Entries / BAUHAUS
8 Tame / PIXIES
9 Beverly Kills / ARIEL PINK'S HAUNTED GRAFFITI
10 Cybele's Reverie / STEREOLAB

小林 最初はBLONDE REDHEAD。これ一番新しいアルバムの曲なんですけど、ピッチフォーク(アメリカの音楽メディア)ですごい酷評されてて。

ハヤシ あはは(笑)。

小林 僕、一時期はピッチフォークの点数とかを真に受けてたんですけど、これ聴いたらむしろ今までで一番好きなぐらいで、それからはただの情報源としてピッチフォークを見るようになりました。BLONDE REDHEADはすごく影響を受けたバンドの1つですね。

ハヤシ うんうん。

小林 で、THIS MORTAL COILも、4AD的な“お耽美”な感じがすごく好きですね。DEAD CAN DANCEもまさに4ADだし。

ハヤシ あ、大好き。

小林 いつも結局こういうのが好きなんだなって戻ってくるバンドがDEAD CAN DANCEっていうか。この無国籍な感じがすごく好きで。で、これはわりと最近のバンドでTWIN SHADOWっていう、これは完全に80’sポップの影響を受けてて。

ハヤシ へえ、カッコいいね。メモしておこう。

小林 ほとんど1人で作ってるんですけど、この曲のPVで黒人のボーカルがリーゼントで肩までのGジャン着てピチピチのジーパン履いてて……。もろゲイテイストでドラムを叩いてるんですよ。こうカメラ目線で。で、どんどん汗ばんできて恍惚の表情になるっていう……。

ハヤシ あはは(笑)。

小林 エクスタシーを感じる瞬間にダダダッてサビが来て。で、なんかもう昔のカラオケの映像みたいになるんです。これはパンチありすぎてヤバいですよ(笑)。

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POLYSICS(ぽりしっくす)

アーティスト写真

ハヤシ(G, Vo, Syn, Programming)、フミ(B, Vo, Syn)、ヤノ(Dr, Vo)からなるニューウェイブロックバンド。1997年、高校生だったハヤシを中心に結成。1999年にアルバム「1st P」をインディーズからリリースし、2000年にメジャーデビュー。独自の音楽性と過激なライブパフォーマンスで人気を集める一方、2003年にはメジャー1stアルバム「NEU」をアメリカでリリースし、初の全米ツアーも実施するなど海外での活動も本格化させる。2010年3月には初の日本武道館公演を実施し、初期メンバーのカヨ(Syn, Vo, Vocoder)がこのライブを最後にバンドを卒業。以降は3ピースバンドとして活動を続け、バンド結成15周年を迎える2012年に記念アルバム「15th P」をリリース。同年3月にライブ通算1000公演を達成した。同年12月にニューアルバム「Weeeeeeeeee!!!」をリリース。

THE NOVEMBERS(ざのーべんばーず)

アーティスト写真

小林祐介(Vo, G)、ケンゴマツモト(G)、高松浩史(B)、吉木諒祐(Dr)からなるロックバンド。2005年から活動をスタートさせ、2007年11月に「THE NOVEMBERS」でデビュー。2008年6月に初のフルアルバム「picnic」、2009年3月に「paraphilia」、2010年3月に2ndアルバム「Misstopia」をリリース。2011年8月にシングル「(Two) into holy」とアルバム「To (melt into)」を2枚同時に発表し、2012年3月には台湾で行われたロックフェス「MEGAPORT FES 2012」にも出演。同年4月にファッションブランド・LADMUSICIANのコレクションで演奏を行うなど、音楽シーン以外の注目も集める。同年11月に「GIFT」をリリース。