マブダチみたいな関係性
──「@JAM」の10年の歴史の中で、印象に残ってる場面はありますか?
古川 また去年と一昨年の親善大使の話になっちゃうんですけど、私はなかなかほかのアイドルさんと交流する機会がないので、親善大使をやらせてもらったときにどうしてもアイドルさんと写真が撮りたくて、「気軽に声をかけてね」みたいなメッセージ付きのたすきを作ってもらったんです。それを着けながらおもむろに楽屋を練り歩いていたら、いろんなアイドルさんが「写真撮ってもいいですか」と声をかけてくれて(笑)。「親善大使の仕事ってなんだろう」と自分なりに考えたときに、みんなが私とのツーショットをTwitterに上げてくれたら少しでも盛り上がるんじゃないかと思って、恥ずかしさを抑えながら楽屋を歩いてました。
橋元 ありがたいね。こっちは肩書きしか与えなかったからね(笑)。
古川 自分で仕事を作り出さなきゃいけなかったんですけど、それが個人的に楽しかったです。
──古川さんはそういう機会がないと、自分からほかのアイドルには話しかけられないタイプですか?
古川 ですね。ちょっと声をかけづらいオーラも出てると思うし(笑)。なので、自分の気持ちをたすきにすることでほかのアイドルさんと交流できてよかったです。
橋元 じゃあ来年も、たすきを作って練り歩いてもらおうかな(笑)。
──でんぱ組.incは活動していなかった1年を除いて、「@JAM EXPO」に毎回出演して大きなステージに立っていますよね。橋元さんとしては、でんぱ組.incには安心してステージを任せられるという感じなんでしょうか?
橋元 もちろんです。今年も任せる場所はもう決まっているので。
古川 うれしい! そう言っていただけるうちは出続けますよ。
橋元 ほかのイベントがでんぱ組.incを出さなくなっても「@JAM」だけは出し続けますよ。
古川 今の発言、ちゃんと記事に書いといてくださいね(笑)。5、6年後には息も絶え絶えになってるかもしれないけど。
──(笑)。高見さんは「@JAM」で印象に残ってる場面はありますか?
高見 「@JAM×ナタリーEXPO 2016」に出演したとき、「夜明けBrand New Days」の曲中にある事件(一部の観客がペンライトやサイリウムを投げ合う危険行為を行い、歌唱後にメンバーが悔し涙を見せた)が起こって……それ以降「夜明けBrand New Days」を封印していたんですよ。その後、橋元さんにリクエストをいただいて上海で開催された「@JAM」のイベントでその曲を解禁したんですが、そのときに「ありがとう」と感謝してくださって。そういう助け合っていく関係性が、マブダチみたいだなと思いました(笑)。
橋元 「@JAM」を最後に封印した曲だったから、それをあえて「@JAM」で解禁してくれたのは本当にうれしかったです!
──橋元さんは“サイリウム投げ”の件をどういう思いで見ていたんですか?
橋元 ベビレはパフォーマンスをすごく大事にしていたグループで、常々カッコいいなと思ってたんですよ。デビュー当初から見ていたので、ずっと応援していました。そんな中「@JAM×ナタリーEXPO」でそういった事件が起きてしまって、絶望したままでんぱ組.incのライブを観に移動したのを覚えてます。
高見 自分たちのステージが終わって、裏ででんぱ組.incさんの歌を聴きながら「私たちも安全に楽しくライブができたらいいのに」と思ってました。
古川 「@JAM」にはアットホームなイメージがあるけど、過去にはそういうピリついた場面もあったんですね。
オタクを疑似体験
──「@JAM EXPO」は毎年屋内で開催されているので、オンラインの企画に変わってもお客さんは違和感なく観ることができそうですね。
橋元 そうですね。会場に選んだ場所もほとんどが「@JAM」にゆかりのある5つのライブハウスで、過去の「@JAMシリーズ」を思い出しながら観てもらえたらいいなと思います。作ってる側も観る側も、無観客であることの違和感を感じないような楽しい2日間で終えられたら最高ですね。
──高見さんは実況チャンネルでライブの生実況を行うそうですね。
橋元 でんぱ組.incはアクトとして出るからいいけど、総合司会がなくなったことで高見は仕事がなくちゃったので今回は実況をお願いしました。
高見 開催が見送りになったら、仕事もなくなるのが普通なんですけどね(笑)。
橋元 バラバラの会場でライブをやるとイベント全体が縦軸で淡々と進んでいってしまうので、横のつながりを作りたかったんですよ。高見はラジオのパーソナリティやゲーム実況をやっていてしゃべりが得意なので、実況という形でそのつながりを作ってもらおうと思ったんです。楽屋裏のトークチャンネルというのもあるんですけど、高見の実況は「ファンの方が疑似体験できるように」というのがテーマで、ミッションは6つの会場を実際に周ることです。
古川 6つの会場ってけっこう遠いですよね!?
橋元 観たいライブのタイムテーブルを高見に組んでもらって、「このグループのこの曲を聴いたら移動!」みたいなことをやってもらったら面白いなと思って。
古川 ファンの方がよくやるやつだ!(笑)
高見 おまけみたいな気分で、ちっちゃい小窓の画面で観てもらえたらと思います。メインはあくまでアイドルさんたちのステージなので。
橋元 副音声みたいなものですね。「ステージの転換時はこのチャンネルを観てね」という感覚です。オファーしたら高見のほうも「どうやったらもっと面白くできますかね?」「移動中も配信した楽しいですよね!」と乗り気になってくれて、僕の妄想が実現することになりました。
高見 体力的な問題は心配ですけど、現地で観たかったファンの人の気持ちを代弁するつもりで臨みます!
──ちなみに、現時点で観に行くステージは決まってるんですか?
高見 アイドルファンの方のように、前日くらいに決めようと思ってます(笑)。でも実況チャンネルを担当することが決まったあとに、スパガ(SUPER☆GiRLS)の石丸千賀ちゃんから「スパガ絶対に観に来てください!」とLINEでアピールされたので、そう言われたら観に行かないといけないなと思っています(笑)。
古川 ぜひ、でんぱ組.incもよろしくお願いします! でもスパガさんと被ってたらどうしよう(笑)。
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