音楽ナタリー Power Push - 「@JAM×ナタリー EXPO 2016」スペシャルインタビュー
SPYAIR IKE(Vo) KENTA(Dr)×でんぱ組.inc 古川未鈴 相沢梨紗
ジャンルを超えた2組が幕張で巻き起こすケミストリー
特集の第1回目は、「@JAM×ナタリー EXPO 2016」の出演者であるSPYAIRとでんぱ組.incの対談。SPYAIRのIKE(Vo)とKENTA(Dr)、でんぱ組.incの古川未鈴と相沢梨紗という4人に「@JAM×ナタリー EXPO 2016」に対する思いを語ってもらった。
なおこの取材は、でんぱ組.incの「はやぶさかがやきツアー2016」で2組が対バンした7月6日の東京公演終了後に実施。4人はこの日約5年ぶりに対バンライブを行った感想なども話してくれた。
取材・文・ライブ撮影 / 古川朋久
でんぱ組.incに抜かれちゃったかもしれない
──今日はロックバンド代表としてSPYAIR、アイドル代表としてでんぱ組.incの2組に集まっていただきました。
古川未鈴 SPYAIRさんが「@JAM」に出演されるって聞いて、私たちびっくりしちゃって。
IKE(Vo) いやあ、僕らアイドルが好きなんで(笑)。やっぱりこういうイベントは出たいですよね。
KENTA(Dr) その言い方、何かいろいろ勘違いが生まれそうだな(笑)。
IKE アイドルって幸せや夢を与える存在じゃないですか。俺らロックバンドは時に闇の部分を見せることもあるので(笑)。歌うことで自分の日頃のうっぷんを晴らすこともあるくらいですし。
相沢梨紗 でんぱ組.incも「VANDALISM」って激しめの曲で、たまにブチ切れちゃうこともありますよ(笑)。
古川 曲によっては私たちもロックな感情になるときはあるよね。
──SPYAIRとでんぱ組.incは、今からおよそ5年前に秋葉原のライブハウス・GOODMANでツーマンライブをやってるんですよね。今日はひさしぶりのツーマンライブでした。
IKE 今日一緒にやってみて改めて思ったのは、あの頃からでんぱ組.incのパフォーマンスの激しさってまったく失われてないなって。自分もライブ中はパフォーマンスしてる部分もあるので、みんながどれだけの運動量でライブをやってるのかわかっちゃうんですよ。あれだけ動いてるのに同時に歌えるのってすごいことですよ。尊敬しちゃいます。俺なんて、パフォーマンスしてるとすぐにヒザにきちゃうし(笑)。
一同 あはははは(笑)。
IKE これだけのライブを維持し続けて、ファンの皆さんに元気を与えてるのって並みのことじゃないですよ。お互い5年前はそれほど有名ではなかったかもしれないけど、俺らはちょっとでんぱ組.incに抜かれちゃったかもなって思って。
古川 いやいやいや!
IKE でも、俺がそう思う理由は彼女たちのステージの中にちゃんとあると思いました。俺らもまだまだがんばらないと、もっと引き離されちゃうぞってね。
KENTA 俺もステージの温度設定からしてすごいって思った。今回、でんぱ組.incさんのライブ中に1曲だけ「おつかれサマー」を叩かせてもらったときに、ステージ上の冷房設定がめっちゃ低くて。「寒っ!」ってなりましたよ(笑)。そのとき、俺たちとはそもそも運動量が違うんだなって感じました。
SPYAIRとでんぱ組.incはジャンルレスな魅力がある
──5年ぶりのツーマンはいかがでしたか?
古川 舞台袖からSPYAIRさんのライブを拝見してたんですけど、言葉の力で思いを伝えようという意志を改めてすごく感じました。実はでんぱ組.incはそういうのが苦手で。「自分たちから発する言葉でファンの皆さんを熱くさせたい」というのが私たちの長年の課題なんです。
KENTA すごい褒められてる(笑)。
古川 あと、やっぱりお若いですよね。
IKE いやいやいや(笑)。
相沢 あとは、でんぱ組.incのファンもSPYAIRさんのファンも、男女問わず一緒になって盛り上がってるのってすごいことだなって。でんぱ組.incのファンもSPYAIRさんのライブに惹きつけられて全力で楽しんでるのを観たときに、改めて皆さんの魅力を感じました。
KENTA でも俺も同じことをでんぱ組.incのファンに感じましたよ。俺らは5年前の対バンのときにでんぱ組.incのファンがめちゃめちゃ優しいって思ったんです。俺らがバンドだからとか男だからとかまったく偏見がなくて、ライブを心から楽しんでくれて。5年経ってZepp Tokyoを2組で埋めて、あの頃よりもお客さんは格段に増えてるのにファンの皆さんが変わらず俺らを受け入れてくれてるのってすごいことだなって。
IKE しかも5年前のライブで、でんぱ組.incのファンはうちらの女性ファンに対して最前を譲ってくれたり押され過ぎないように守ってくれたりとか、すごく配慮してくれたんですよ。それをライブ中に見て感動したの。すごい紳士だなって。5年経ってファンは入れ替わっちゃったかなって思ったけど、きっとあのときの紳士なヤツらは消えてないって思ってたからライブ中に聞いてみたんだけど。そうしたらやっぱりちゃんと当時俺らの対バンを観に来てくれたファンがいてくれて。この人たちが支え続けてくれたから今のでんぱ組.incがあるのかなって思ったら、ちょっと熱いものが込み上げてきたよ。
相沢 ファンの人たちを褒められるのは、すごくうれしいです!
古川 でんぱ組.incもSPYAIRもジャンルレスな感じがありますよね。ファンの皆さんも音楽を楽しもうっていう共通意識が強いのかなって思います。だからファン同士で譲り合いもできるし優しいという共通点があるのかなと。
IKE 本当にそれはすごく思ってました。アイドルだけとかロックだけじゃなくて、お互いジャンルを超えた楽しさを発信できるから大丈夫だっていう自信はありました。
相沢 今回の対バンツアーはSPYAIRさんと最初にご一緒できて本当によかったです。
IKE 俺たちこそですよ。それにロックバンドからあなたたちはとても支持されているよ。あのパフォーマンスを見せられて「こいつらは所詮アイドルだから」なんて言うヤツがいたら、それはちゃんと皆さんの音楽とかパフォーマンスを見れてない人だと思うよ。
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- Contents Index
- 「@JAM×ナタリー EXPO 2016」特集 TOP
- SPYAIR × でんぱ組.inc 座談会
- @JAM ALLSTARS
- 上中丈弥(THE イナズマ戦隊) × NAH
- >@JAM×ナタリー EXPO 2016グッズ第1弾
- >@JAM×ナタリー EXPO 2016グッズ第2弾
@JAM×ナタリー EXPO 2016
音楽ナタリーと「@JAM」による共催イベント。アイドルだけでなくロックバンドや男性ダンス&ボーカルグループも出演する「ナタリーステージ」や、これまでの「@JAM」シリーズでも好評だった「@JAM MEETS」を発展させた「MEETSステージ」などさまざまなプログラムが用意されており、数多くのアーティストが出演する。
開催概要
2016年9月24日(土)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
2016年9月25日(日)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
SPYAIR(スパイエアー)
IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)の4人からなるバンド。全員が愛知出身で、2005年に結成される。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、デビュー前の2010年6月に行った100本目の野外ライブでは2000人の観客を集める。同年8月、シングル「LIAR」でメジャーデビュー。2012年には初の日本武道館ワンマンライブを開催。2015年8月に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで1万人規模の単独野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2015」を開催した。2015年11月に約2年ぶりのフルアルバム「4」をリリース。12月には2大アリーナツアーを、2016年1月からは全国ホールツアーを実施。同年7月にはニューシングル「THIS IS HOW WE ROCK」を発表した。
でんぱ組.inc(デンパグミインク)
古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音からなる6人組ユニット。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどに精通したオタクとしても知られ、“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からも注目を集めている。2013年1月には、メンバー自身の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」でオリコン週間ランキング10位を獲得。同年10月には主演映画「白魔女学園」の主題歌を収めた「W.W.D II」を発売し、12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」をリリースした。2014年5月には1万人を動員した初の東京・日本武道館単独ライブを成功させ、翌2015年2月には東京・国立代々木競技場第一体育館での2DAYSライブを実施した。同年2月に3rdアルバム「WWDD」を発売。夏に初のワールドツアーを開催したのち、11月には「MTV VMAJ 2015」の「ワールド・ワイド・アクト賞」の日本部門「ベスト・ジャパン・アクト」を受賞した。2016年1月より全国ツアー「GOGO DEMPA TOUR 2016 ~まだまだ夢で終わらんよっ!~」を実施。4月にはニューアルバム「GOGO DEMPA」をリリースし、同年7月より2度目となる対バンツアー「はやぶさかがやきツアー2016」を開催中。
2016年9月20日更新