「STUDIO HISASHI with Anime」特集|HISASHI×山村隆太(flumpool)の止まらないバンド談義 (2/2)

HISASHIさんは緻密で繊細

──山村さんはHISASHIさんとじっくり話してみていかがでしたか?

山村 僕の好きなGLAYの尖った部分は、HISASHIさんから生まれているものなんだなと改めて感じましたね。あとHISASHIさんは、どんな人とでも対等に接することができるタイプというか。それゆえに以前緊張しすぎて、打ち上げの席で自分から話しかけに行けなかったことがあったんです。

HISASHI (笑)。TERUも山村くんに伝えたと思うんだけど、若いアーティストにいろいろ教えてあげたい気持ちがあるんだよね。将来に悩んでいるミュージシャンを助けたいと言ったらおこがましいけど、いろんなことを見てきたから若い人たちを導いてあげたい気持ちがある。

山村 うれしいです。flumpoolは3年前に事務所から独立したんですけど、そのときはTAKUROさんにいろいろ相談させてもらいましたね。

HISASHI 俺らも昔いた事務所から独立したときは不安だったな。GLAYのことなんて誰も気にしてくれないだろうと思ってたけど、実際に自分たちでやっていく中でそれまでとは違った活動ができる面白さがあったし。全然大丈夫。俺らも独立をするときに、氷室京介さんやB'zのお二人に助けられたことがあったんだよ。2組ともすごく無骨だけど優しくて。だから今度は自分たちの番というか。

山村 そう言ってくれる先輩がいてくれるのはありがたいです。ミュージシャンってどこか言葉で直接表現しなかったり、大雑把なのがカッコいいみたいに思うところが少なからずある気がするんです。でも、HISASHIさんは言葉で自分の思いを伝えてくれる。それがうれしくて。何よりも表現が緻密だし、言葉の端々に繊細な部分も感じられるんです。

山村隆太(flumpool)

山村隆太(flumpool)

誰もが憧れてしまう理想のバンドGLAY

HISASHI 俺らバンドブームの時代に結成されたから、バンドをやっている人がいると単純にうれしいんだよね。1990年代に一緒に活躍していたLUNA SEAとかジュディマリ(JUDY AND MARY)が、2000年代に入ってから解散しちゃって。周りのバンドが解散する中でも、GLAYのメンバーはバンドという形にすごくこだわってた。そういう時代があったからこそ、バンドを続けている人を応援したい。

HISASHI(GLAY)

HISASHI(GLAY)

山村 僕らに限らず、たくさんのバンドがGLAYみたいになりたいと考えてると思うんですよ。GLAYほど理想的なバンドはいるのかなと。デビューから30年経っても、音楽的な面でメンバーが全力でぶつかり合える関係というか。GLAYがバンドである理由って、そういったぶつかり合いを音楽に還元できるからなんでしょうね。1人で音楽をやっているわけじゃない。でも、僕はどちらかと言うと、自分で設計したものはなるべく壊されたくないと守るタイプで。

HISASHI 山村くんが頭の中で設計したものを、人に100%わかってもらうのってけっこう難しいと思うんだよね。僕は自分で作った曲についてイメージはメンバーに伝えるけど、オーディエンスに伝えてもらう役割はTERUとか、自分でやらずに得意な人に任せちゃう。flumpoolはプロデューサーに入ってもらったりはしてるの?

山村 亀田誠治さんをはじめ、いろんな方とご一緒してますね。

HISASHI なるほど。制作現場に誰かいると言いやすくなる面もあるし、音楽的に考えることもできるようになるから、いろいろ試してみるといいよ。俺らはプロデューサーに入ってもらってることで、制作がやりやすかったりするし。

山村 そうだったんですね。

HISASHI とにかく音楽は楽しくやるのが一番。作ってる側が楽しいと、それが音に反映されてみんなに伝わるし。flumpoolにはそんな音楽が届けられる、リスナーにとっての“居場所”を提供していってほしいな。

このアニメを観てくれ!
HISASHIから山村隆太へのイチオシ作品

HISASHI(GLAY)

HISASHI(GLAY)

「TO-Y」

今回は山村くんが俺と同じバンドマンということで、上條淳士さんのマンガを原作とした「TO-Y」という音楽アニメを紹介させてください。トーイ(藤井冬威)という主人公が、パンクバンドを組んで音楽シーンで商業的な成功を収めていく姿を描いた作品で、1980年代の音楽シーンがリアルに描かれている。まあ、「こんな16歳いるかい!」みたいな感じだけどね(笑)。ヒロインのニヤの声優をNOKKOがやってるんだよね。サントラがすごくよくて、バンドマンにオススメしたいアニメです。

プロフィール

HISASHI(ヒサシ)

北海道函館市出身の4人組ロックバンドGLAYのギタリスト。高校2年生の頃に同じ高校に通っていたTAKUROと出会い、GLAYに加入した。個人としてもさまざまアーティストの作品に参加し、藍井エイル、遠藤ゆりか、三森すずこ、緒方恵美、日笠陽子らに楽曲を提供。メディアに関心があり、アニメや映画などサブカルチャーに造詣が深い。バラエティ番組に幅広く出演し、自身のYouTubeチャンネル「HISASHI TV」でも精力的に活動中。2012年に結成されたバンドACE OF SPADESのリーダーおよびギタリストも務めている。GLAYとしては、デビュー30周年を迎える2024年5月にアニバーサリーシングル「whodunit / シェア」をリリース。6月に埼玉・ベルーナドームでワンマンライブ「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025」を開催する。

山村隆太(ヤマムラリュウタ)

1985年生まれ、大阪出身。2002年に幼なじみの阪井一生、尼川元気とユニットを結成。2007年1月に小倉誠司を迎えてflumpoolを結成。2008年10月にシングル「花になれ」でメジャーデビューし、「星に願いを」「君に届け」「証」などヒット曲を続けてリリースする。2014年から2015年にかけて亀田誠治、阪井とともにTHE TURTLES JAPANとしても活動。2017年にはドラマ「突然ですが、明日結婚します」に出演する。2017年12月から2019年1月まで歌唱時機能性発声障害のため活動を休止。復帰してからはコンスタントにリリースやライブを重ね、2021年にはflumpoolとして新会社を設立してA-Sketchとの業務提携を開始した。2024年6月公開の映画「風の奏の君へ」に俳優として出演。flumpoolとして同作に主題歌「いきづく feat. Nao Matsushita」を書き下ろした。

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