自然と気持ちが入ったレコーディング
──カップリング曲についても聞かせてください。まず「リインカネーション」はオーケストラを大々的に取り入れた壮大なバラードに仕上がってますね。
この曲の歌詞は、まさに私が上京してきたときの気持ちが入ってるんです。最初の「悲観的になる夜を越えられないまま」というフレーズに関しては何回もそういう夜がありましたし、行動的になれないまま「今のままでいいのか?」って思ってる自分を思い出して。だけど、サビの「飛び出して」や「掻き消して」という部分は、音自体が爆発力のある高音になるし、そこに上京で飛び出してきた自分の心情が重なって、レコーディングでは自然と気持ちが入りました。
──作詞、作曲、編曲は「RUST」と同じ重永亮介さんが手がけてますが、歌詞については何かお話をされましたか?
特にお話はしてなくて、たぶん重永さんが私の経験を解釈して書いてくれたんだと思います。だからこれは本当に自分の思ったことでもあるし、しっかり歌で伝えようと思ってます。やりたいことがあるんだけど飛び出せない人が、この曲を聴いて「飛び出してみるか!」ってなるように背中を押したいんです。サビのハイトーンも、怖がらずに思いっきり飛び出すみたいな気持ちで歌ってるので、それがそのまま伝わればいいんですけどね。
──それと「リインカネーション」という言葉には転生や生まれ変わりといった意味があるので、そういう意味でも今回ASCAとして新しく生まれ変わったタイミングにふさわしい曲ですよね。
ホントにそうですよね。「ここから新たに!」っていう気持ちにすごく合ってる曲だと思います。私の気持ちを汲み取って曲を作ってくださる作家の皆さんは、本当にすごいなと思います。
──もう1曲の「最低な朝と名付けたのは」も疾走感あるロックチューンですが、こちらも再スタートを切るようなイメージの曲なのかなと感じました。
この曲はタイトルも印象的なんですけど、私としては歌詞の「本気で泣いた 今日こそが始まり」というフレーズがすごく響いて。変わりたくても変われない自分とか、自分が悩んでいた時期の気持ちが歌詞に込められているんです。ほかの2曲はテーマやサウンドが壮大なんですけど、この曲はもっと身近に感じてもらえる歌詞だと思いますね。
──それは例えば?
「皆と同じ笑顔作れずに 写真の端 切り捨てたあの頃」の部分は、いろんな人が共感できるポイントと言うか、誰しもがそういう孤独な気持ちだったり劣等感を抱くことがあると思うんです。でも、この曲自体は「そういうときもすぐに前向きにならなくていいよ」って言ってるんですよね。「リインカネーション」は強く背中を押す感じなんですけど、この曲では私自身もデビューというスタートラインに立って今から始まるという思いを歌っています。「今日から一緒に初めていこう」みたいな、すぐに前向きにならなくてもいいからちょっとずつがんばっていこうっていう思いが入ってるんです。
──より聴き手に優しく寄り添うイメージと言うか。それだけに歌声もほかの2曲に比べると晴れやかですね。
歌詞はちょっと暗い感じなので、歌声は少し明るくさせようというのは自分でも意識しました。「今から始まるよ!」っていう気持ちが入ってるので。私自身もASCAとして始まったばかりなので、明るいイメージで歌いました。
この曲たちをライブを通して伝えていきたい
──3曲共誰が聴いても共感できる部分がありつつ、ASCAさんだからこその部分も盛り込まれていて、そういう意味でもすてきなデビューシングルになったと思います。改めて今作は自分にとってどういう作品になりましたか?
自分は音楽を通して聴き手の背中を押したり、「明日からがんばっていこう」っていう気持ちになってほしいんですけど、この3曲はそういう曲になったと思うので、表題曲の「KOE」だけではなくて、3曲通して聴いていただきたい作品になりました。
──3曲通して流れがあって、ASCAさんが希望をつかみ取っていく過程が描かれてるようにも思えます。
この並びはそうですよね。たぶん悩んだ時間がなかったら歌えてなかった歌詞だとも思うので。
──そういう意味では、今までの活動すべてが生かされた作品にもなったと思います。最後に、この先どのようなアーティストになりたいですか?
私自身はライブがアーティストの最大の魅力だと思ってるので、まずはこの曲たちを実際にライブを通して伝えていきたいという思いがあります。自分自身が音楽に救われてきた人間なので、自分が表現できる立場になった今、「次は私が!」という思いがあって。自分の曲やライブを通して、強いだけじゃなくて弱い中にも芯があるようなアーティストになっていきたいです。
- ASCA「KOE」
- 2017年11月22日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤 [CD+DVD]
1728円 / VVCL-1123~4 -
通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1125 -
期間生産限定盤 [CD+DVD]
1620円 / VVCL1126~7
- 初回限定盤・通常盤 CD収録曲
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- KOE
- リインカネーション
- 最低な朝と名付けたのは
- KOE -Instrumental-
- 期間生産限定盤 CD収録曲
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- KOE
- リインカネーション
- 最低な朝と名付けたのは
- KOE -TV size mix-
- 初回限定盤・期間限定生産盤 DVD収録内容
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- 「KOE」 Music VIdeo
- 「リインカネーション」 Music Video
- 「最低な朝と名付けたのは」 Music Video
- アニメ「Fate/Apocrypha」2ndクール ノンクレジットエンディング(期間生産限定盤のみ)
- ASCAスペシャルイベント
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- 2018年1月8日(月・祝)
ASCAスペシャルイベント@都内某所にて開催決定。シングル「KOE」に封入されている専用ハガキで応募ください。
- ASCA(アスカ)
- 1996年生まれ、愛知県出身。中学生時代よりロックバンドのボーカリストとして音楽活動を開始し、2011年開催の「第5回全日本アニソングランプリ」でファイナリストに選ばれる。2013年にアニメ「さくら荘のペットな彼女」のエンディングテーマ「Prime number~君と出会える日~」で大倉明日香としてCDデビューを果たす。2016年12月にミニアルバム「デイズ」を配信リリース。2017年8月にアニメ音楽誌「リスアニ!」誌上にてASCA名義では初のオリジナル曲「RUST」を発表する。同年11月にアニメ「Fate/Apocrypha」2ndクールのエンディングテーマ「KOE」を収録したシングルで、SACRA MUSICよりメジャーデビュー。
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