浅井健一|ベンジーが語るソロ名義1年半ぶりのアルバム「Caramel Guerrilla」、新生KILLS、AJICOのこと

人前で演奏するのも大事だけど、世に広めることをいつも目指してる

──2020年は創作活動を続けられたとしても、ライブができなくなって配信形式になったり、どのアーティストもいろいろ模索しながら活動を続けてきたと思いますが、浅井さんはどうでしたか?

配信ライブは最初からやる気なかった。盛り下がると思ったから。でも曲作りに関してはあまり変わってない。もともと篭って作るものだから。この1年はずっと曲作りをしてたな。

──中には「曲を作ってライブで披露することが最終目的になるから、創作のモチベーションが上がらない」という人もいますが、そのあたりはどうですか?

ああ、それはないね。人前で演奏することが最終的な目標だとは思ってないもん。もちろんそれも大事なんだけど、自信のある曲を世に広める、ヒット曲を作るっていうことをいつも目指してるから。

──楽曲制作やレコーディングのほかに、イラストなども描かれていましたか?

浅井健一

今年3月に池袋の西武でポップアップショップ(「KENICHI ASAI NEW DESIGN SPRING GOODS COLLECTION HELLO HUNNY BABY」)を開催したんだけど、そこでは絵も飾ったりして大変だったよ。あとは「STRIPE CAT DESIGN ART SERVICE」という部署を作って、カンパニーロゴのデザイン制作もやってるんだわ。基本俺がデザインして、デザイナーの大箭(亮二)くんがいろいろ細かいところを手がけてくれてて。ロゴ制作の希望者を募ったらすごい数の応募が来て、今1つずつ作ってるんだけど、完成したらまとめてホームページで発表しようかなと思ってる。

──面白いですね。どういったところから制作の依頼がきているんですか?

カフェとか洋菓子屋さん、老人介護の会社に歯医者さん、あとは和服屋さんも。浴衣とか帯に、俺が渡した絵を染めるんだって。今までそういうデザインを手がけたことがなかったし、期待に応えなくちゃいけないんで「どうなるかな」と思ったけど、一生懸命やってる。

──自分のための作品ではなくて、ほかの人に楽曲を提供するみたいなものでしょうか。社会貢献的な感じもあっていいですね。

たくさん依頼が来ているからうれしいかな。お店の人のためにもなるし、うちも宣伝できるじゃん。

自分の作った曲を自分で歌えないなんて変な話だよ

──ところで憲太郎さんに代わり、高松浩史(THE NOVEMBERS)さんをベーシストに迎えた新生KILLSのツアー「Caramel Guerrilla Tour 2021」が発表になりました。THE NOVEMBERSのメンバーと浅井さんは前から交流がありましたけど。

特に(小林)祐介のことはよく知ってるから。それで彼に「高松くんにベースをお願いしたいんだけど大丈夫?」と電話したら、「全然大丈夫です。アイツすごいですから」って言ってくれて。憲太郎のこともあったから反省して、各所にちゃんと連絡を取るようにしてる。これからは配慮浅井で(笑)。

──このツアーで「Caramel Guerrilla」の曲を披露することになるんでしょうか?

浅井健一

そうだよ、やるよ。BLANKEY JET CITYの曲もやるし、なんでもやる。とにかくみんな、ライブ会場で最高の気分になりたいじゃん。だから「あの曲はやらん」とか、そういうこだわりは俺にはない。歌いたい曲をやるから。

──浅井さんは以前から「自分の作った曲は自分で歌わないといけない」とおっしゃってますからね。

自分の作った曲を自分で歌えないなんて変な話だよ。だから新曲だけじゃなく、昔のいい曲もやるし。

──KILLSは当初からそういうスタンスで活動していますが、SHERBETSの曲はほかの名義ではあまり演奏していないんですよね。浅井さんにとって、SHERBETSは特別な存在なんだなと思います。

そこは崩したくないんだよね。あんまりオープンにしすぎないほうがいい場合もあるから。

──もう1つ、2000年にUAさんと結成したバンド・AJICOを20年ぶりに再始動することも発表され、5月には新作も出すそうですね。

去年がUAのデビュー25周年で、それを盛り上げるために「AJICOをやらない?」って話が来たから、いいよって。本当は去年ツアーをやるつもりだったんだけど、コロナで全部流れて、今年やることになった。AJICOのライブはUAのヒットソングも交えて演奏しようかなって。

──AJICO名義で発表したアルバムは「深緑」だけだったので、20年前のライブではそれぞれのソロ曲もやってましたよね。

そのときUAのソロ曲で披露したのは「悲しみジョニー」とかだったでしょう? 今回はほかの曲もやって「UA最高だったな」と思える構成にしようかなと。

──2020年はほとんどライブがなかったわけですから、KILLSとAJICOのツアーが続けて行われて、ファンとしてはうれしい分、浅井さんは大忙しですね。

うん。でも楽しみだよ。「Caramel Guerrilla」はいい作品になったから聴いてほしいし、ライブもコロナ禍以前のようにはできないから大変だけど、楽しみにしてほしい。もちろんAJICOもね。

ライブ情報

浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS「Caramel Guerrilla Tour 2021」
  • 2021年4月14日(水) 大阪府 BananaHall
  • 2021年4月15日(木) 愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2021年4月20日(火) 東京都 LIQUIDROOM
AJICO Tour 接続
  • 2021年5月29日(土) 愛知県 DIAMOND HALL
  • 2021年5月30日(日) 大阪府 なんばHatch
  • 2021年6月5日(土) 佐賀県 鳥栖市民文化会館
  • 2021年6月13日(日) 東京都 中野サンプラザホール
浅井健一