SHARP「AQUOS QD-OLED」GS1ライン 「AQUOS XLED」GP1ライン|DREAMS COME TRUE 中村正人|こだわり抜いた「史上最強の移動遊園地 ドリカムワンダーランド2023」の見どころ “家電好き”の視点で語る最新テレビ2機種の特長とは

音楽ナタリーではDREAMS COME TRUEとSHARPの4K有機ELテレビ「AQUOS QD-OLED」GS1ライン、mini LEDテレビ「AQUOS XLED」GP1ラインの特集を2本立てで展開。第1弾ではドリカムをよく知る音楽ライター・谷岡正浩が4年に一度のグレイテストヒッツライブ「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」のライブ映像を「AQUOS QD-OLED」GS1ラインと「AQUOS XLED」GP1ラインで視聴し、その見どころを紹介した。

第2弾となる今回は中村正人が登場。鮮烈な映像美と立体的な音響を実現したSHARPの2機種で「ドリカムワンダーランド2023」を振り返り、“家電好きアーティスト”の視点で「AQUOS」の特長を余すことなく語ってもらった。

取材・文 / 谷岡正浩撮影 / 曽我美芽

製品情報

SHARP「AQUOS QD-OLED」GS1ライン

最新の量子ドット有機EL(QD-OLED)パネル、立体音響システム「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を搭載し、立体音響技術「Dolby Atmos」に対応した4K有機ELテレビのフラッグシップモデル。新世代の量子ドット有機ELパネルと独自技術で輝きの表現力を高めている。量子ドットリッチカラーによる光波長変換で純度の高い3原色(赤、緑、青)を生み出して明暗豊かで鮮やかな色を映し出す。本体には合計11個のスピーカーを搭載し、総合音声出力100Wの高出力を実現。クリアでパワフルな音声を再生する「パワーボイススピーカー」をすべてのミッドレンジスピーカーとサブウーハーに採用し、音を斜め前方向に放出する前傾20°のハイトスピーカーを画面上部に配置してユーザーを包み込むような立体音響を実現する。また放送映像のみならずインターネット配信動画の画質・音質も自動で最適化する「AIオート」モードを搭載している。

製品情報

SHARP「AQUOS QD-OLED」GS1ライン

SHARP「AQUOS XLED」GP1ライン

高密度に敷き詰めたmini LEDのバックライトで「AQUOS」史上最高の明るさ(※)と豊かな発色を実現する新開発「N-Black Wideパネル」や新世代の画像処理エンジン、GS1ラインと同仕様の立体音響システム「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を搭載。さまざまな映像コンテンツがリッチに体感できるmini LEDテレビのフラッグシップモデルだ。GS1ラインと同様に量子ドットリッチカラーによる光波長変換で光の3原色(赤、緑、青)を生み出し、広色域かつ高純度な色再現を実現する。またコントラスト性能を高める「フレアブライトネス」によって漆黒の闇から光のまぶしさまで豊かに再現することが可能。広い視野角特性によってテレビの正面だけでなく、斜めからでも色調が乱れず、美しい映像を楽しめる。GP1ラインにも放送映像のみならずインターネット配信動画の画質・音質も自動で最適化する「AIオート」モードが搭載されている。

※SHARPが発売した「AQUOS」ブランドのテレビにおいて、同サイズの輝度(面)の値。

製品情報

SHARP「AQUOS QD-OLED」GP1ライン

※本記事で紹介しているライブ本編(Blu-ray)の音声は「STEREO / リニアPCM ステレオ(96kHz/24bit)」「5.1ch / Dolby True HD 5.1ch サラウンド(96kHz/24bit)」。

映像紹介

史上最強の移動遊園地
DREAMS COME TRUE
WONDERLAND 2023

「ドリカムワンダーランド」は1991年より4年に一度開催されているグレイテストヒッツライブ。吉田美和と中村正人のこだわりが詰まった豪華絢爛な演出と、ファン投票によるセットリストをもとにしたパフォーマンスで多くの観客を魅了してきた。2023年7月~10月には北海道・札幌ドーム、愛知・バンテリンドーム ナゴヤ、大阪・京セラドーム大阪、福岡・福岡PayPayドーム(現:みずほPayPayドーム福岡)、東京・東京ドームという5大ドーム、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナと沖縄・沖縄アリーナのアリーナ2会場で計13公演が行われ、約44万人を動員した。

中村正人インタビュー

中村正人

我々がこだわった音がきちんと再現されている

──4K有機ELテレビ「AQUOS QD-OLED」GS1ラインとmini LEDテレビ「AQUOS XLED」GP1ラインの2機種で「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」のライブ映像をご視聴いただきました。まず率直な印象はいかがですか?

「すごい」のひと言ですね。SHARPの方々に解説をしていただいて「すごい」と実感できたことはたくさんあるのですが、その前になんの説明もなくテレビを前にしたときの印象がとても鮮烈でした。僕はオーディオビジュアルが大好きで、テレビに関して言えば、液晶にも有機ELにもそれぞれの弱点があるということはわかっていて、正直ここ何年かはあきらめモードではあったんですよ。家電量販店に行って新しいモデルを見ても、なんとなくチェックはするけれど欲しいところまではいかないというか。けれど、この2機種は劇的な進化を遂げていますね。テレビの持つ常識の基準を上げたと言ってもいいのではないでしょうか。

──それは音質も含めてですか?

もちろんそうです。音も100点です。ロー(低音)も定位もしっかり出ています。大画面のテレビは、そこが一番難しいって言いますよね。だから普段はつい音を大きくしてしまうのですが、この2機種は普通に視聴する範囲の音量でもしっかりした音質のよさが保証されている。これはすごいことですよ。

中村正人

中村正人

──僕も音質のよさには驚きました。

音源制作をこれまで長い間、全力を傾けてやってきた身として最近思うのは、音楽を聴く環境の変化です。サブスクが主流になったこともあって、小さなスピーカーやPC、スマホ、あるいはBluetoothのヘッドフォン、イヤフォンで音楽を聴くということが今はほとんどだと思います。でも音源を作っている立場から言わせていただくと、細部までこだわった音を再現できる再生装置がどんどん減っているんです。もちろんそうやって手軽にいつでもどこでも世界中の音楽にアクセスできて楽しめるという便利さは大歓迎なんですが、一方で我々が目指した音像・音場というものが再現されにくい。そこは強いジレンマとしてあって、特に大画面のテレビの場合は、一番聴いてほしいボーカルの定位がどこにあるかわからないというふうに、どうしても音像がぼやけてしまうんです。僕らは音源をステレオで仕上げて、そのあとに5.1chでシミュレーションするんですが、本当に細かくこだわって音を配置するんです。ただ、これまではどうしても、そのこだわりの再現が難しかった。でもこの2機種を視聴して驚かされました。なんのストレスも落胆もなく、我々が作った「こうであるべき」という音像・音場がきちんと再現されていました。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

──先ほど視聴されているときにテレビの「音声調整」メニューでロー(低音)を足して、サラウンドをスタジアムモードにアレンジされましたね。

今までの音質やサラウンドの設定ってどうしても……なんて言うのかな、どこかおもちゃっぽい印象が拭えなかったんですよ。オーバーになってしまうというのかな。でもこの2機種はローを足してもタイトなままローが増えているので、全然ぼやけない。スピーカーの角度や搭載数とそのバランス、さらにはパンチングネットの音の抜け感など相当綿密に設計されているということがわかりますよ。

SHARP「AQUOS」のハイトスピーカーを確認する中村正人。

SHARP「AQUOS」のハイトスピーカーを確認する中村正人。

SHARP「AQUOS」のハイトスピーカーをアピールする中村正人。

SHARP「AQUOS」のハイトスピーカーをアピールする中村正人。

1ミリたりともこだわっていない部分は存在しない
「ドリカムワンダーランド2023」

──「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND」についてお聞きします。「ドリカムワンダーランド」はDREAMS COME TRUEにとってどのようなライブですか?

1991年に始まった、4年に一度行う特別なライブで、目指しているのは「来ていただいたお客様全員を満足させたい」という当たり前のことなんです。アリーナの方もスタンドの上の方も全員を満足させたい。5万人のオーディエンスがいるんだったら、5万人全員がその人だけのスペシャルな体験ができるような演出を吉田美和が考えているので、毎回とてつもなくハードルが上がっています(笑)。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

──全国5大ドームと2アリーナで行われた「ドリカムワンダーランド2023」において、最もこだわった部分はどこですか?

すべてです。1ミリたりともこだわっていない部分は存在しない。それくらいこだわり抜いていますね。音に関して言えば、会場によっても、同じ会場であったとしても、その日の天候や湿度、お客様が着ているものなどによって極端に変わってくる。どれだけリハーサルをしていても、お客様が入った瞬間にどんどん変わっていっちゃうんですよ。そうした微妙な変化をこれまでの経験でミュージシャンもスタッフも含めてわかっていますから、変化に対応できるように演出面を考えたり、音の面を工夫したりということを非常に細かいレベルで、かつ、大胆さを失わないようにやっています。

中村正人

中村正人

──その中でも苦労した部分というと?

「ドリカムワンダーランド」は、まず吉田美和の「3Dフライト」を軸に設計します。そのためにワイヤーを吊るアンカーを打つ必要があるのですが、全国の会場が前回の「ドリカムワンダーランド」からの4年間で進化していて、どこにもアンカーを打つポイントがないということがわかってびっくりしました(笑)。そもそも、「3Dフライト」のシステムをあそこまで大規模なエンタテインメントで使用するのは世界を見渡しても「ドリカムワンダーランド」しかない。ということは、「3Dフライト」のシステム自体は進化していないんです。ドリカム以外の誰もやらないから進化させる必要がないんです(笑)。そこで我々がどのように新しい見せ方をしていくのか、というのは毎回チャレンジですね。まあ、その部分において一番チャレンジしているのは吉田美和だというのは疑いようのない事実です。機構の進化はないけれど規制は増えるという中で、あれだけのフライングを大勢の前で披露できるというのはすごいことだと思います。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の様子。

──「アヒルコースター」が設置されていたのには驚かされました。まさに“移動遊園地”ですね。

吉田美和には、セットにジェットコースターを組み込みたいという思いがずっとあった。でも、できないと思っていたんです。冷静に考えてバジェット(予算)のこともあるし、相当な重量になるはずですから、なかなか難しいだろうなと。でも、あるときスタッフから「できるかもしれません」と言われて。実はそれは「ドリカムワンダーランド」での経験がスタッフ全員にあったからこその「できるかもしれません」だったんです。というのも、あの「アヒルコースター」は自走なんですよ。本当なら大きなモーターやバッテリーが必要なところ、それをなくした設計になっているので実現できたんです。

SHARP「AQUOS」の背面をチェックする中村正人。

SHARP「AQUOS」の背面をチェックする中村正人。

──そうだったんですね。

これまでの「ドリカムワンダーランド」で吉田美和は空中で自転車を漕いだり(笑)、車に乗ったり、さまざまなことを実現させてきているので、「アヒルコースター」でもそうした経験がダイレクトに生きました。しかも、「アヒルコースター」にただ乗っているだけではなく、乗りながら、つまり自分で運転しながら歌を歌って、コースを周回したあとにコースターから降りて女性パフォーマーチームのD-FAIRIESと一緒にパフォーマンスするという一連のシーンを作り上げている。そこまで演出したことで、あの「アヒルコースター」のシーンがひと際印象深いものになっていると思います。それこそが、会場にいる1人ひとりがどの席にいたとしても体験できる演出なんです。自分だけの角度で「アヒルコースター」に乗って歌う吉田美和やその後のパフォーマンスをご覧いただけるので。