音楽ナタリー Power Push - 青田典子

ベッド・インが“神様”と初対面! バブル時代の熱狂から夫婦関係まで突撃インタビュー

C.C.ガールズをイメージして書いた

かおり あと私は「blue's」が特にDAISUKI!な1曲で……! 終わってしまった恋のリアルな心情と、思い出の情景が鮮明に浮かんで、思わず感情移入しちゃいました。でも、哀しみに嘆くのではなくて、前向きな気持ちが詰まったラブソングというか……。

まい 私たちくらいの女性が聴くとすごく共感できる1曲だと思いますね。これは全曲通してなのですが、このアルバムを聴いて許されたというか……青田さんにすべて包んでもらったような感覚になったんです。まさにマリア……!

青田 やったー!(笑) 私は、生きづらさを感じてる女の子を元気づけたいっていうのがモットーで、「女性には強くあってほしい、迷うことがあっても諦めないでいてほしい」って気持ちが強くあるので、そうやって共感してもらえてるのってホントにうれしい! この作品の反応は今のところスタッフさんからしかもらってないから、そんなふうに言ってもらえるとすっごく勇気付けられます!

かおり クリビツテンギョー! も、もしかして、私たちがリスナー第1号なんですか……? 光栄すぎます……!

まい あと私は1曲目の「パドブレてRUNWAY」。ドキドキとキラキラとロマンチックが止まらないHaHaって感じで大好きです! 当時のイキフンも感じるし!

かおり そうそう! シンセと歌だけでちょっぴりミステリアスに始まって、ドラマチックに曲が展開されていくドキドキ感が、アルバム1曲目としてタマランチ会長です……! 少しC.C.ガールズさんを思わせるようなサウンドとビート感もありつつ。ランウェイをタカビーに歩く情景が浮かんできます……♡

青田 去年C.C.ガールズがちょっとだけ復活して、メンバーと一緒に踊ったときに、彼女たちがまだ気合いを持ってるのを感じて。

かおり 夏フェスで安全地帯さんのバックダンサーをされたときですか?

左から青田典子、益子寺かおり、中尊寺まい。

青田 そう。そのときに踊った、アレンジを変えた「じれったい」の音源が「パドブレてRUNWAY」の基になってるんだけど、メンバーに会って改めて「こういう感覚を忘れちゃいけない」って思ったので、C.C.ガールズをイメージしてこの曲の歌詞を書いたんです。

かおり そうだったんですね……!! その話、ファンとしては、すごくグッときちゃいます……。昨日ひさびさに「Talking Body」(1992年に発売のされたC.C.ガールズのイメージビデオ)のVHSで皆さんの練習風景を観ていたんですけど、今その映像が重なって……(涙目)。

青田 あれを今観てくれてる人がいるっていうのがビックリ(笑)。

本当はC.C.ガールズのアルバムを作りたかった

まい バブル時代の青田さんがどんな暮らしをしていたのかも是非、お伺いしたいです。

青田 C.C.ガールズでデビューする前は全然売れないタレントでした。当時は20歳を超えてデビューしたら芸能界で売れるのは難しいから10代のうちにデビューするのが鉄則で、芽が出ないかもなーと思いながらテレビ番組の雛壇に並んでいて。

益子寺かおり

かおり 「オールナイトフジ」ですね……!!

まい 最初は歌手やアーティストになりたいというより、タレントを目指されていたんですか?

青田 当時マドンナとかがブームだったので、歌って踊るのには憧れていました。だからその後にC.C.ガールズに入ったときは「夢が叶った」って思ったの。ただ、まさかグループに入るとは思ってなかったけど。しかも業界内では当時4人組グループはご法度って言われていましたし。ストッキングにボディコンシャスなんて衣装もそれまでなかったから、新聞社を挨拶して回ったときは変なものを見るような目で見られたし、テレビに出てもみんな「どう扱っていいのかわからない」って雰囲気になっていました(笑)。

まい 新しすぎた、ってことですかね。

青田 だから、受け入れられるのか受け入れられないのか、どっちに転ぶか全然わからなかった。バブルとは言っても最初の頃は衣装もあまりそろえてもらえず、禿げたところをマジックで塗りながら同じ服を着続けたり、自分たちでメイクやヘアスタイリングをやり合ったりしてたの。それでみんなで「私たちは世の中に期待されないタレントの集まりかもしれないけど、一致団結して絶対がんばろうね!」って気持ちになってた。

まい 涙なしじゃ言えない、いろいろがあったんですね……。 ところで、去年はどうしてC.C.ガールズを復活しようって話になったんですか?

青田典子

青田 今ちょうど私が音楽をやれる環境下にあるのもあって、1年くらい前に「一緒にやってみない? 今だったらできるんじゃない?」って私からみんなに声をかけたんですよ。そのまま活動しようと思ったんだけど、藤森夕子ちゃんは子育てに奮闘していて、藤原理恵ちゃんはクリエイターとして演出やダンスの振り付けをしていて、原田徳子ちゃんはシンガーとして活躍していて、何よりほとんどのメンバーがシングルじゃないっていうのがハードルになって。「今は忙しいけど、機会があったら本格的にやろう」って感じに落ち着いたんだけど、このインタビューを読んで「今の時代にC.C.ガールズを求めてくれてる人がいる」って知ったら、みんなやる気になってくれるんじゃないかな。

まい きゃーのきゃーの! もし、実現したらやまだかつてないPARTY TIMEになりますね! 是非、おナマで拝んでみたい!

かおり はぁぁん! C.C.ガールズさんが本格始動したら、胸アツすぎて、ちいさな気絶しちゃう……! 今も皆さんで連絡を取り合ったりしてるんですね!

青田 うん、LINEとかでね。やっぱり苦楽を共にしてきた仲間なんで、いつまでも気持ちは強くつながっていると思っています。

中尊寺まい

まい ステキなお話……。このお話を聞いてから当時の作品に触れるとまた違った感動がありそう! ちなみにメンバーの皆さんは、今回のアルバムを出すことについて何かおっしゃってましたか?

青田 本当はC.C.ガールズのアルバムを作りたかったんだけど、現状難しいので今回は青田典子として出すことにした、っていうのがあって。でも私のこの活動をみんなが見てくれたら、何か感じてくれるんじゃないかなと思っています。私は本当に4人で集まって活動できる日を願ってるんですよ。

まい 当時のファンの方、私たちはロンモチですが、今“バブル”という文化に興味のあるナウでヤングな子たちも心待ちにしていると思います! C.C.ガールズはレジェンドですから……!

青田典子 ニューアルバム「blue's」 / 2016年10月26日発売 / [CD+DVD] 3456円 / SALTMODERATE / XQMU-1003
青田典子 ニューアルバム「blue's」
収録曲
  1. パドブレてRUNWAY
  2. アオイ☆トキ
  3. blue's
  4. My Star
  5. ランナー
  6. スライドショー
  7. 君の花が咲く丘
  8. シルバー
  9. すべてはあなたと

青田典子25th Anniversary Premium Live ~blue's~

2016年12月3日(土)東京都 JZ Brat
OPEN 18:00 / START 19:00
前売6000円 / 当日6500円(1ドリンク込み)

ベッド・イン Presents「バブルオンde夜霧のねるとんNIGHT~彼女がバブルに着替えたら~」

2016年10月30日(日)東京都 WWW X
<出演者>
ベッド・イン with パートタイムラバーズ / かせきさいだぁ&ハグトーンズ / ONIGAWARA / アカシック
DJ:SEX山口

ベッド・イン「祝!“RICH”発射記念ツアー ~そこのけ そこのけ バブルが通る~」

2016年11月3日(木・祝)北海道 COLONY
<出演者> ベッド・イン / Drop's
2016年11月5日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
<出演者> ベッド・イン / ザ・ハーレム
2016年11月12日(土)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
<出演者> ベッド・イン / ペロペロしてやりたいわズ。
2016年11月13日(日)福岡県 DRUM SON
<出演者> ベッド・イン / XYZ hangover
2016年11月19日(土)愛知県 RAD HALL
<出演者> ベッド・イン
2016年11月20日(日)大阪府 FANJ twice
<出演者> ベッド・イン
2016年12月4日(日)宮城県 HooK SENDAI
<出演者> ベッド・イン / sweet little devil
2016年12月18日(日)東京都 赤坂BLITZ
<出演者> ベッド・イン
青田典子(アオタノリコ)
青田典子

1967年10月7日生まれ。1990年に開催された「第1回 日本美人大賞」で準グランプリを獲得し、同コンテストの入賞者と共に結成したC.C.ガールズで1991年6月に歌手デビューした。C.C.ガールズは1991年に日本テレビ音楽祭新人賞、1993年にゴールデン・アロー賞グラフ賞を受賞。その後に多く登場した“セクシーアイドルグループ”の先駆け的存在となった。1998年にC.C.ガールズを卒業してからは、女優・タレントとしてソロ活動をスタート。2000年代中盤にテレビ朝日系「ロンドンハーツ」にて「バブル青田」と呼ばれて人気を呼び、同名義で小室哲哉作曲のシングル「ジーザス」をリリースした。2010年に玉置浩二との結婚を機に芸能活動を休業し、2012年に活動再開。2016年10月にはデビュー25周年を記念したソロアルバム「blue's」を発表した。

ベッド・イン
ベッド・イン

お互い別のバンドで活動していた中尊寺まい(ex. 例のK)と益子寺かおり(妖精達)により、2012年に結成された“地下セクシーアイドルユニット”。日本に再びバブルの嵐を起こすべく、1980年代末~90年代初頭へのリスペクト精神を持って完全セルフプロデュースで活動している。2013年6月に自主制作のグラビア写真集「Bed In」を発表し、2014年3月に8cm短冊シングル「ワケあり DANCE たてついて / POISON~プワゾン~」、2015年6月に2ndシングル「♂×♀×ポーカーゲーム / 消えちゃうパープルバタフライ」をリリース。同年8月には主演映画「101回目のベッド・イン」も公開される。バンド歴の長い2人による“ロック姐ちゃん”的ライブパフォーマンスとおやじギャル的な発言から、幅広いフィールドで話題に。2016年7月にキングレコードからメジャーデビューアルバム「RICH」をリリースした。